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【OFC08】いよいよ難攻不落・青木×一点突破・朴、決戦迫る

Aoki vs Boku

【写真】いったいどのような攻防となるのか、試合開始直後から目が離せない一戦となる朴光哲×青木真也の一戦だ (C)MMAPLANET

5日(金・現地時間)にシンガポール・インドアスタジムで開催されるOFC08「Kings & Champions」の開催が迫ってきた。多くの選手が月曜日に現地入りを済ませ、明日、公開計量が行われる。

メインは朴光哲×青木真也という日本で特に注目度の高いカード、大会タイトル名にある通り、チャンピオンが朴で、キングが青木といった図式になっている。OFC世界ライト級選手権試合に関しては、MMAPLANETの朴光哲インタビューで本人が言っているように、主導権を握っているのは青木であることは間違いない。

MMAをトータルで見た場合、青木の打撃は多くの対戦相手が指摘してきたように弱点だ。ただし、その弱点を試合中に弱点にしない強さを青木は持っている。言ってみれば、青木にとって本当に嫌な相手は、打撃で青木を倒しに来るファイターよりも、得意のグラップリングの面で彼を凌駕するファイターであることは間違いない。

翻ってみると、朴が青木に組技で上回ることはまず考えられない。そういう面でも、青木が主導権を握るファイトになる。では、「勝敗を決めるのは俺」と朴が分析するが、この真意はどういうことであろうか。すぐに掴まれるようだと、朴に勝ち目はない。しかし、倒されずに打撃で削ることができれば、朴の勝機が広がる。つまり、勝敗を決めるのは朴の頑張りであり、距離のコントロールとなってくる。

青木は打ち合いとならない局面で、打撃によって敗北を喫した過去を持つが、イヴォルブのトレーニングによって打撃面が進化すれば、危うい際の攻防も減ってくる可能性が高い。組みつくタイミングが、以前よりも研ぎ澄まされていることが想像できる。組むまでに相手から受けるプレッシャーの逃し方、あるいは組みとのコンビネーションで相手に与えるプレッシャーの強さをも手にしていることも考えられる青木に対し、朴がどのような試合の入り方を見せるのか。

組ませない、組まれても寝技にいかない、寝技に持ち込まれても立ち上がる。この繰り返しができれば、朴の勝機は広がるかといえば、決してそうでもない。青木は一本勝ちが多いが、判定勝ちもできるファイターだ。相手の防御能力が高ければ、ポジション重視で堅い勝利を手にするのもお手のモノだ。現に青木が得ている22試合での一本及びTKO勝利のうち、1R結着は18試合で2Rに試合を極めたのは4試合のみ。対して判定勝ちは8試合あることからも、彼の戦いのフィロソフィーは伺える。

ただし、イヴォルブという新しいホームを手に、シンガポールの観客の声援をバックに戦う時、これまでの青木と違う姿を見せようという精神状態にならないとは限らない。焦って極め急ごうという青木の姿が見られるようだと、上に挙げた攻防が続いた場合、朴の勝利の可能性は広がりを見せることになる。パンチの届く位置が、万全の組みの距離になるMMA。ファーストアクションまで、非常に緊張感が高まる試合となりそうだ。

■OFC08決定対戦カード

<OFC世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者]朴光哲(日本)
[挑戦者]青木真也(日本)

<ミドル級/5分3R>
メルビン・マヌーフ(オランダ)
ブロック・ラーソン(米国)

<バンタム級GP準決勝/5分3R>
ジェンス・パルバー(米国)
上田将勝(日本)

<バンタム級GP準決勝/5分3R>
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
タン・ブー(豪州)

<ライト級/5分3R>
エディ・アング(香港)
アルナウド・ルポン(フランス)

<バンタム級/5分3R>
ユサップ・サーデュラエフ(ロシア)
レオナルド・イッサ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
レネ・カタラン(フィリピン)
アレックス・シウバ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
バシール・アーマッド(パキスタン)
シャノン・ウィラチャイ(タイ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヌアー・ムハンマド(インド)
ジェイク・バトラー(米国)

<フライ級/5分3R>
チェン・ユンタン(マレーシア)
ロナルド・ロウ(シンガポール)

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