【Bellator95】積極的&穴のないカズブラエフ、リッチマンの勝機は?
【写真】マルロン・サンドロの長いリーチも、蹴り技でさばき自分の距離を取って戦うことができたフロド・カズブラエフ。注目のロシアン・ファイターだ (C) Bellator MMA
4日(木・現地時間)、ニュージャージー州アトランティックシティのレベル・カジノで開催されるBelaltor MMA(95)。メインのBellator世界フェザー級選手権試合の次々期挑戦権を賭けて、シーズン8フェザー級トーナメント決勝がフロド・カズブラエフとマイク・リッチマンの間で行われる。
シーズン7フェザー級T準決勝でシャムブラット・シャムカラエフに敗れているリッチマンだが、今シーズンは初戦のミッチ・ジャクソンをハイキックで下すと、優勝候補の一角アレッシャンドリ・ポポを打撃で削り決勝進出を決めた。そのポポ戦では初回にテイクダウンからバックマウントを許しながら、2&3Rに勝負を賭けるよう頭を切りかえ、ディフェンスに徹しきって乗り切った。
この判断能力の良さが、その後の打撃でポポを削るという展開にもよく表れている。サウスポーの構えから、右リードジャブを伸ばし左ストレートにつなげる展開で、ポポの前進を阻んだ。さらに組みつきたいポポに対し、左ハイで上体を起こさせるなど、理詰め、そして攻め過ぎないクレバーさを見せている。
対し、カズブラエフはファブリシオ・ゲレーロを肩固め、マルロン・サンドロをTKO――2人のブラジリアンからを相手に圧巻の試合展開で、決勝に駒を進めてきた。ジャクソンズMMAで北米MMAを租借しながらも、ロシア人らしいガツガツとしたファイトは異質かつ魅力的だ。アグレッシブな姿勢は、時には攻め入る隙を与えることになるが、ディフェンス能力に長けており、ピンチを乗り切ることでゲレーロやサンドロを逆に追い込んでいった。
特質すべきは極め、サブミッションの仕掛けだろう。特にトップを取った状態から、パウンドを織り交ぜて、上半身だけでなく足関節に持ち込む辺りは、まさにカズブラエフの真骨頂といえるだろう。それらの攻撃を可能にするのも、ハーフガードからの仕掛けをしっかりと潰すなど、柔術的な仕掛けの対処ができるからだ。上背でいえば、フェザー級としても決して恵まれているわけではないが、鋭い踏み込みからの打撃は、まずは打撃でスタートするコンバットサンボでスポーツマスターの称号を得ているように折り紙つきのパワーを誇る。
ベラトールではヘビー級とミドル級の世界王者が、アレキサンダー・ヴォルコフとアレキサンダー・シュレメンコ。前シーズンT覇者が前出のシャムカラエフと、ウェルター級のアンドレイ・コレシュコフと、ロシア勢がケージを席巻しているが、カズブラエフもその波に乗るだけの力を十分に有している。勝負はリッチマンが、如何にカズブラエフのステップインをかわし、カウンターを当てることができるか。
ポポ戦では遠い距離では完全に打撃の局面を支配できていたが、接近戦になるとフックを被弾するシーンもあったリッチマン。前蹴りを駆使し、自分の距離を作ることにも長けている――ある意味、究極のオールラウンダーといっても過言でないカズブラエフを近づけないことが、勝利を手にするための鉄則となる。
■Bellator MMA 95 主な対戦カード
<Bellator世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]パット・カーラン(米国)
[挑戦者]シャウブラット・シャムカラエフ(ロシア)
<フェザー級T決勝/5分3R>
フロド・カズブラエフ(ロシア)
マイク・リッチマン(米国)
<ミドル級T決勝/5分3R>
ダグ・マーシャル(米国)
ブレット・クーパー(米国)
<ウェルター級/5分3R>
カロ・パリシアン(米国)
リック・ホーン(米国)
<ライト級/5分3R>
フィリップ・ノヴァー(米国)
ダレル・ホーカー(米国)
<140ポンド契約/5分3R>
ジミー・リベラ(米国)
ブライアン・ケルハー(米国)
<ミドル級/5分3R>
トム・デブラス(米国)
カーロス・ブルックス(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ライモン・グッド(米国)
ダンテ・リベイラ(米国)