【WSOF22】トキーニョのヒールをシールズは封じ込めることが可能か……
【写真】シールズ×トキーニョ、果たして足関節の攻防はどのような形で見られるのか (C)MMAPLANET&WSOF
8月1日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのプラネットハリウッド・リゾート&カジノでWSOF 22「Palhares vs Shields」が開かれる。メインはイベント名にある通りホウジマール・トキーニョにジェイク・シールズが挑戦するWSOF世界ウェルター級選手権試合が組まれている。
昨年3月にスティーブ・カールに勝利し同級王座を獲得したトキーニョは、続いて12月に難敵のジョン・フィッチに勝利し初防衛に成功。ともにヒールフック、ヒールの仕掛けから形的にヒザ十字となった足関節で秒殺している。
特にフィッチ戦では左足を破壊、壊し屋のイメージを再構築している。一方、挑戦者のシールズもWSOFではライアン・フォード戦、ブライアン・フォスター戦と2試合連続で一本勝ちしており、そのレスリング&柔術を融合させたスタイルで挑戦権を手にした。
キャリア7勝2敗、うちヒールで一本勝ちが5試合という状況で2008年にUFCと契約を果たしたトキーニョは、トップ10以下の相手だと伝家の宝刀で勝利できたが、上位陣との対戦では打撃&テイクダウン防御の強さという壁に阻まれてしまう。結果、ウェルター級転向で再起を図るも、ヒールの形になるとタップ後も仕掛けを離さないという悪癖がつき、UFCからリリースの憂き目にあう。
しかし、この外さないという行為の裏には得意の形に持っていくことができるようになったというポジティブな面も存在する。打撃は以前と同じ振り回し系で、テイクダウンも強引なところがある。ただし、打撃を被弾することを恐れないかのような突進と、テイクダウンができずとも組んで足を取れば引き込んでからもヒールを仕掛けていくという思い切りの良さがWSOFでの成功をもたらした。
テイクダウンに成功したケースも同様で、ガードを取る相手の足を果敢に取りにいく。一時期のようにトップに固執するという姿勢を改めたことで、トキーニョは壊し屋という怖いイメージも増幅させている。当然、挑戦者シールズも十分に足関節対策を練っているだろうが、何よりも大切なのはヒールをセットさせないことだ。そのためには打撃でトキーニョを突き放すことが重要になってくる。
ただし、シールズにはその打撃はない。ならばテイクダウンを許さないこと。逆に自らがテイクダウンを取っても、トキーニョにとっては願ってもない自分の庭での戦いとなるので、それも必要ない。ではシールズには何が必要なのか?
それはテイクダウンを切ってがぶりに持ち込み、さらにはトキーニョを引き込ませないこと。ここに一つの盲点がある。引き込ませないために、どのような動きが必要になるのか──多くの場合はバックを取りに行く選択をするだろう。
しかし、バックに行く自らの動き、トランジッションがトキーニョに引き込むスペース=足関節へのセットアップの機会を与えてしまう。では、がぶってどうすればよいのか。しっかりとトキーニョのアゴをクラッチし、バックには自らは回れないほど胸を付けて体重を掛ける。引き続き亀のトキーニョ背中が伸び、腹ばいになるまで根気よくがぶり続ける。これが柔術流引き込ませない──がぶりだ。
バックを狙う必要はない。腹ばいさせて、自らの足を遠ざける。腹ばいになればバックも取れるし、立ち上がることも可能。そんながぶりを続けることで、トキーニョはスタミナを消耗し判断ミスが増える。壊し屋トキーニョのヒール潰しは、そんながぶりの攻防に掛かってくるといっても過言でない。そして、シールズにとってそれほど困難な動きではないはずだが──果たして。
■ WSOF22対戦カード
<WSOFウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者] ホウジマール・トキーニョ・パリャレス(ブラジル)
[挑戦者] ジェイク・シールズ(米国)
<WSOF世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] マルロン・モラエス(ブラジル)
[挑戦者] シェイモン・モラエス(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
ジミー・スピクーザ(米国)
イスラム・マメドフ(ロシア)
<ライトヘビー級/5分3R>
クリフォード・スタークス(米国)
マイク・カイル(米国)
<ウェルター級/5分3R>
アブバカル・ヌルマゴメドフ(ロシア)
ホルヘ・モレノ(米国)
<ライト級/5分3R>
ギル・ガーダド(米国)
ピート・マーティン(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
コリー・ヘンドリックス(米国)
フリオ・ヒノホサ(米国)
<フライ級/5分3R>
ドナヴォン・フリロウ(米国)
カーロス・ガルシア(米国)
<140ポンド契約/5分3R>
ジミー・ジョーンズ(米国)
マルコ・シモンズ(米国)