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【Bellator】 ベグが新世界王者に輝くも、LH級は鬼門か……

2013.03.01

<Bellator世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
アッティラ・ベグ(スロヴェキア)
Def.3-0:50-45,49-46, 48-47
クリスチャン・ムプンブ(フランス)

サウスポー同士の一戦、思った以上に体格差は感じられない。右ジャブを伸ばし、ジリジリと距離を詰めるベグ。下がるムプンブにブーイングが起こる。左アッパーから右フックを打ち込んだベグ、ムプンブが下がる。90秒を経過してムプンブの攻撃はロー一発ぐらいだ。と、ベグの右ストレートがクリーンヒットし、ムプンブが後方に倒れる。追撃を掛けたいベグだったが、ムプンブが起き上がりながら組みついてテイクダウンへ。

ガードでパウンドを数発受けたベグが立ち上がると、ムプンブがギロチンで固める。細かいヒザを入れる王者は、首を放して自ら距離を取る。距離を詰めたのは今度もベグ、パンチを振るい前に出ると組みついて投げでトップを奪う。シーン・コンゴ×シーク・コンゴのような粗い組み技の展開は、ムプンブがバックに回ったところで初回が終了した。

2R、オーソにスイッチしたムプンブが、右ローを見せる。ベグが勢いをつけて前に出ると、ムプンブが懸命に後ろ走りして距離を取る。左から右につなげたいベグは距離が合わず、王者が組みついてケージに押し込む。ヒザを突き上げながら、押し返したベグも時折りオーソの構えを見せる。ムプンブはオーソのまま、ベグはサウスポーに戻すと、右ローを入れて突進する。組みついてきたムプンブは、自ら引き込んだガードを取る。

リストを掴むムプンブだが、パンチを防ぐだけで何を仕掛けることもない。と、ベグはここでヒザ十字へ。起き上がったムプンブがヒザを捌いて、左のパウンドを落す。ロールしたベグが、前方に振り落し頭を抜こうとしたところで腕十字を狙った王者だが、頭がケージに詰まっており、クラッチを切れないままタイムアップに。

3R、左ローを繰り出すムプンブ。ベグは右ジャブを伸ばし、間合いを計る。ベグの右を受けたムプンブが、引き込むようにダウン。クローズドからロックアップも、足は割れパスを狙われる。無理な態勢で三角、腕十字、さらにヒザ十字を仕掛けるムプンブにベグがパウンドを落す。ベグも重い動きで、担ぎからパスを狙っていく。残り90秒、パスからマウントを取ったベグ。直後にムプンブが足を一本戻す。場内のブーイングが大きくなっていくなか、潜る王者にベグがパウンド&エルボーを落す。

ヒジ打ちで流血に追い込まれたムプンブに対し、ベグが立ち上がってパウンド、鉄槌を落としたところで3Rが終わった。チャンピオンシップ・ラウンド、右ストレートから組みつこうとしたムプンブに動じないベグは、左から右を見せて組みつく。と、ムプンブはここでも引き込む。ハーフからシングルに移行するも、倒し切れない王者は頭が下がり厳しい姿勢が続く。

足を引き寄せられたベグ、立ち上がりながらバックを許す。正面にまわりダブルを仕掛けるムプンブだが、頭が外側で足はケージに詰まって押し込めないまま、距離を取り直す。ベグは右ストレートからヒザ蹴り、オーソに構えてワンツー、右エルボーを乱打しヒザ蹴りへ。ダブルレッグの王者、挑戦者はケージを背にして耐える。シングルに切り替えるムプンブだが、姿勢は非常に悪いままだ。

残り40秒となりレフェリーがブレイクを命じる。組んで右ヒジを見せたベグをムプンブがケージに押し込む。観客席のブーイングは大きくなる一方で、試合は最終ラウンドへ。左ジャブから右を狙うムプンブ。組んだベグがボディにヒザを突き上げ、ケージに王者を押し込む。距離を取ったムプンブは右ミドルからワンツーを振るう。

まるで初回のような試合展開を見せる王者。ここまで明らかにポイントを失っているが、逆転を懸けた攻撃は見られない。ムプンブが右アッパーで前に出ると、ベグも足を止めて打ち合いに応じる。右から左を伸ばすが、カウンターの左が顔面をかすめ距離を取ったベグ。スーパーマンパンチを空振りし姿勢が乱れたところで連打を受ける。ベグは直後に右を打ち込みヒザ蹴りから組みつき、時間が過ぎるのを待つ逃げ切りファイトへ。残り30秒でブレイクが掛かる。

世界王座を掛けた一戦、最後の20秒はベグが距離を取り逃げ切りを計り、そのまま試合終了に。世界戦の看板が泣くようなクォリティのライトヘビー級選手権試合は3-0でベグが制し、ベラトール世界ライトヘビー級王座に就いた。

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