【UFC188】高地がヴェラスケスの歯車を狂わせた?? ヴェウドゥム、ギロチンで新王者に
<UFC世界ヘビー級王座統一戦/5分5R>
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル/1位)
Def.3R2分13秒by ギロチンチョーク
ケイン・ヴェラスケス(米国)
ヴェラスケスの右ローに右フックを合わせに行ったヴェウドゥム。パンチの応酬から、ヴェラスケスの左ジャブでバランスを崩したヴェウドゥムが立ち上がると、足を止めてのパンチ合戦へ。ケージを背にしたヴェウドゥムにヴェラスケスが首相撲からヒザ蹴り。そのままヴェウドゥムをケージに押し込む。首相撲から回り込んだヴェウドゥムは、左を伸ばして首相撲へ。これにチャンピオンがテイクダウンを合わせて即サイドへ。スタンドに戻ったヴェラスケスはローからヴェウドゥムをケージに再び押し込む。
距離を取り直した両者、パンチが行き交うなか優勢なのはヴェラスケスだったが、ヒザ蹴りをキャッチされテイクダウンを奪われる。すぐに立ち上がったヴェラスケスがヴェウドゥムをケージに押し込み、細かいパンチを入れる。自ら距離を取った王者は右ローでバランスを崩しそうになる。足が揃うような形で打ち合いに転じるヴェラスケスに対し、ヴェウドゥムが飛びヒザ、さらにヒザを入れる。残り40秒で足を払ってテイクダウンを奪ったヴェラスケスだが寝技には付き合わない。終盤、パンチを2つ入れた挑戦者。粗い展開の初回が終わった。
2R、互いに流血し口を開けて戦い、ヴェラスケスが右ローを入れる。中間距離でパンチを打ち合う両者。パンチから右ローをヴェラスケスが纏める。ヴェウドゥムもワンツーを返し、左アッパーを入れる。ヴェラスケスは下がらず、前に出てパンチを振るう泥臭い展開に。ヴェラスケスは右ミドル、ヴェウドゥムが左ミドル。ここから連打を入れた挑戦者、チャンピオンはテイクダウンを狙わず、打ち合いを繰り返す。
テイクダウンがないなら、リーチで優るヴェウドゥムが有利になる場面も。思いもしない中間距離、あるいは接近戦は打っては打たれるという展開に。パンチからローにつなげるチャンピオン、挑戦者はワンツーから右ストレートを伸ばす。左から右を打ち込んだヴェウドゥムのアッパーで王者の動きが止まる。ヒザ蹴りの追撃を入れたヴェウドゥムが2Rを取った。
3R、「テイクダウンを取れ」という指示を受けたチャンピオンだが、左ジャブを被弾し体が揺れる。と直後にシングルレッグを決めると、ローを蹴り込む。ヴェウドゥムは立ち上がり左ジャブ、単発のテイクダウンだけでは削ることにならず流れは変わらない。ヴェウドゥムは左ハイを受けたが、頭が下がった王者にギロチンを仕掛ける。頭を抜いたヴェラスケスにヒザを2発入れたヴェウドゥムは、左ジャブから右ストレート。
両者、スタミナの消耗が激しい。ここでヴェラスケスのダブルレッグにギロチンを合わせたヴェウドゥムが、ガード取りながら笑顔を浮かべたような表情になり力を込める。ヴェラスケスは精根尽きタップ。統一、そして新UFC世界ヘビー級王者にファブリシオ・ヴェウドゥムが輝いた。
それにしても初回から集中力を欠き、卓越したテイクダウンの腕前を見せることなく敗れたヴェラスケス。メキシコシティという高地での戦いが、何か影響を与えたのか。前王者は「申し訳ない。ここで戦うのが夢だったけど、モチベーションを持ち続け、また強くなり戻ってくる。2週間の高地トレーニングでは十分じゃなかった」と語った。