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【UFN17】息が抜けない、ライト級生き残り合戦

2009.02.06

360625f1先週末に世紀の一戦と謳われたGSP×BJ・ペンをメインとするスーパーイベントが終了したばかりのUFCだが、早くも7日(土・現地時間)には、フロリダ州タンパのサンドームでUFC Fight Night 17が行われる。

【写真】米国武者修行中のケージフォース・バンタム級チャンピオン水垣偉弥と激しいスパーリングを行うマック・ダンジグ。最近はエクストリーム・クートゥアーでトレーニングを積んでいる (C) MMAPLANET

1月中旬の対戦カードの発表より、負傷などが原因で大幅にラインナップに変更が見られる同大会。まずメインにダン・ローゾンと対戦予定だったエルミス・フランカが負傷により、その座をジェレミー・スティーブンスに譲った。また、アレッシオ・サカラ&アミール・サダローも欠場、ダン・ミラーとドレーク・ダウニーがそれぞれニック・カトーネ、ジェイク・ロショルトと対戦することになった。


3試合ものラインナップに変更が見られた同大会だが、見どころは変更となったメインも含むライト級戦線。メインに出場のジョー・ローゾンはTUF5の人気者だが、昨年の戦績は1勝1敗。特に4月のケニー・フロリアンとの対戦で大敗を喫し、トップ集団の壁に阻まれた感が強い。

当初はタイトル挑戦経験もあるフランカと対戦予定だったが、サンディエゴの柔術ユニバーシティでサウロ・ヒベイロらと調整を続けていたフランカは負傷によりドロップアウト。代役出場となるスティーブンスは、昨年11月にハファエル・ドスアンジョスをアッパーカット一撃で失神KO負けに追い込んでいるが、UFC戦績は3勝2敗。ローゾンがトップを目指すなら、この試合を落とすことは許されない。

この他、マック・ダンジグとジョシュ・ニアーの対戦、カート・ペリグリーノ×ロブ・エマーソン戦も、勝てばトップ入り、負ければリストラという状況が考えられるシビアなマッチアップといえる。

TUFシーズン4ウィナーのダンジグだが、昨年9月にクレイ・グイダに敗れており、同じ大会でネイト・ディアズに敗れたニアーともに、連敗すればリリースの可能性も十分にある。

TUFシーズン5ウィナーのマニー・ガンバーリャンから一本勝ちを収め、日本の中村K太郎にも勝利し、UFC戦績を2勝1分としているエマーソン。先のUFC94でそのガンバーリャンを下したチアゴ・タバレスから勝利しているペルグリーノは、エマーソンに勝利することで、ジャンプアップが見込まれている。

星取り表が非常に複雑になっているライト級戦線、リッチ・クレメンティとグレイソン・チバウという実力者の対戦が、プレリミナリーの下位で組まれることからも、同クラスの争いがいかに厳しいものかが端的に表れている。

勝利を第一条件とし、どれだけ試合内容で観客を魅了できるか。ライト級ファイターには、結果とともに内容も問われる、厳しい戦いが続く。

これらライト級4試合以外にも注目したいのは、ヘビー級の新鋭ケイン・バラスケス×デニス・ストニッチ戦。レスリング出身、ノーギ柔術でも好成績を残しながら、打撃を磨いているバラスケス。対するストニッチは、ボスニア・ヘルツェゴビナ人ファイターでオランダのゴールデン・グローリーに所属している。

ストニッチは、修斗欧州ヘビー級王者のディオン・スターリングやベルギーの組技最高峰といわれるハキム・ゴラムを下している。サンビストながら、関節技でなくテイクダウンからパウンドを得意とするストニッチ。バラスケス相手では部が悪いといわざるを得ないが、バルカンのファイターがフロリダでどのような試合をやってのけるか、注目したい。

他にも、IFL世界ミドル級王者だったダン・ミラーとWECかの移籍組ジェイク・ロショルトのミドル級戦や、ルイジ・フィオラバンティ×アンソニー・ジョンソンのウェルター級の一戦と、PPVショーほどカジュアル層への訴えはないが、トータルパッケージとアベレージの高さが魅力のファイトナイト。この戦いから、近未来のPPVショーの姿が見えてくる。

■UFC Fight Night17の対戦カード

<ライト級/5分3R>
ジョー・ローゾン(米国)
ジェレミー・スティーブンス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ケイン・ベラスケス(米国)
デニス・ストニッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)

<ライト級/5分3R>
マック・ダンジグ(米国)
ジョシュ・ニアー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アンソニー・ジョンソン(米国)
ルイジ・フィオラバンティ(米国)

<ライト級/5分3R>
カート・ペルグリーノ(米国)
ロブ・エマーソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ダン・ミラー(米国)
ジェイク・ロショルト(米国)

<ライト級/5分3R>
マット・グレイス(米国)
マット・ビーチ(米国)

<ライト級/5分3R>
グレイソン・チバウ(ブラジル)
リッチ・クレメンティ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ドレーク・ダウニー(米国)
ニック・カトーネ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
スティーブ・ブルーノ(米国)
マット・リデル(米国)

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