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【UFC】デメトリウス・ジョンソン<02> 「自分が成長することが一番の興味の対象」

DJ & Horiguchi【写真】単独取材の前の共同会見では同席した堀口恭司に対し、「再戦が組まれたら?  僕は2度目の対戦は強いよ』と笑顔で話していたDJ(C)MMAPLANET

4月25日、カナダはモントリオールで堀口恭二を破り、UFC世界フライ級王座6度目の王座防衛を果たしたデメトリウス・ジョンソンのインタビュー後編。

堀口戦でテイクダウンダウンが決まるようになった背景を振り返り、また今後について対戦相手よりも自らを磨くことの大切さ、その磨き方を語ってくれた。

<DJインタビューPart.01はコチラから>

――その言葉を実践できること自体が脅威的です。

「ライオンが獲物を仕留めるには6時間、7時間と掛けて狩りを行うんだ。狩られる方は1時間、2時間と時間が経過していくと集中力も途切れていく。MMAってライオンの狩りに似ていると思う。UFCの頂点を賭けて戦うんだ、僕と同様に対戦相手だって非常に優れたフィジカルを持っている。で、そこからは意思の強さが問われる。精神戦になるんだよ」

――そういうなかで、相手の動きが乱れたところをDJは正確につくことができるのですね。

「キョージの場合は特に3Rから重心が高くなったというわけじゃないと僕は判断している。1Rからパンチを当てに来たときにバランスは高くなっていた。でも、さっきも言ったようにまだ体力があるから、すぐにダイレクトにマットに背中をつかせるのは困難だったんだ。2Rになって、彼の動きを把握した。だから3Rになってテイクダウンがバンバンと決まり始めたんだ」

――最終回、残り10秒でクルスフィックからパンチを連打し、残り10秒でマウントから腕十字。いつもフィニッシュを狙っているとしても、あの時間であれだけ正確に動く、そして動こうとする意思を持ち続けているということですか。

「僕も試合を終わらせたいと思っている。そのためにずっと試合をドミネトイトしてきたんだ。そして、あの時はコーナーから『アームバーだ』って叫び声が聞こえた。その声を聞いて、即反応してフィニッシュできた

――ところで-1000がつくオッズをどのように思っていましたか。

「全く気にしなかったよ。アレは見ている人が楽しむためにあるんだから。お金を賭ける人は僕がトップランカーを倒し続けてきたことを重視し、あんな大きな開きが出たんだろう。ただ、そんな簡単な試合になるわけはないと思っていた」

――対して堀口選手はトップ5にとの対戦経験がないので、あのようなオッズになったと。ただ、今回のDJとの試合を見て堀口選手は間違いなくトップ5の力があると思いました。彼が今後デメトリウス・ジョンソンやジョン・ドッドソンと戦った場合、どれだけ戦えると思いますか。

「う~ん、それは難しい質問だなぁ……。過去に誰が誰と戦い、どのような結果になったか云々よりも、僕が思うにはそれぞれの選手の持つスタイルが試合に大きく影響してくると思う。選手が持つ武器は変わらなくても、相手によってそれが優位に働く時とそうでない時がある。

ただ、キョージがジョセフやジョン・ドッドソンと戦うことは、間違いなく良い経験になる。ジョン・モラガもだ。レスリングができる相手との試合がキョージには大切になってくるはずだ。その部分の成長があって、MMAは世界的にみても凄く進化を遂げているスポーツになったのだから」

――そんなファイターを相手に勝ち続けるDJ、トップランカーでまだ対戦していないのはジョン・リネケルぐらいになりました。

「彼は体重が守れないからね(苦笑)」

――なかなか、DJに敗れたトップコンテンダーの壁を打ち破る新鋭が現れません。

「それは時間が解決するだろう。フライ級もどんどん盛んになっていくし。僕自身、新しい対戦相手と戦う云々よりも、自分が成長することが一番の興味の対象なんだ。例えば、同じ相手と再び戦っても、同じファイターと戦っていることにはならないんだ。次にキョージと戦った時、彼の柔術は今の10倍も良くなっているかもしれない。

既にテイクダウンディフェンスもグラウンドでの防御力も高かったけどね。特に最初の2Rは。対戦したばかりの相手をこういう例えに引用するのはナンなんだけど、そういう彼に勝つためにも、僕は日頃の練習をハードにこなすことが大切になってくるんだよ。そんな気持ちが僕を成長させてくれる」

――日本のMMAではヘッドコーチや、各分野のコーチが一つのジムで連携しあって1人の選手を見ることができないという状況にあります。DJはコーチやヘッドコーチの存在や環境がどれだけ大切だと考えていますか。

「まず、ファイター個人に何が必要なのか。そこを各々が理解する必要があるだろう。ハファエル・ドスアンジョスも色々な場所でトレーニングしているけど、彼にはハファエル・コルデイロというヘッドコーチが就いた。週に4度一緒に練習するハファエル・コルデイロの存在があってドスアンジョスは変わった。

僕は100パーセント、マット・ヒュームと一緒にある。コンディショニングですら、マットが把握している。僕にはマットを全てこなすやり方があっているんだ。大切なのは自分の正しいポジションをまず知ること。そこから成功への一歩を築かなければならないんじゃないのかな」

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