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【Glory21】世界ミドル級王者アルテム・レヴィンが雪辱を賭けて、サイモンの挑戦を受ける

Levin【写真】過去にムエタイルールで敗れているサイモン・マーカスの挑戦を受けるGLORY世界ミドル級王者アルテム・レヴィン (C)GLORY

8日(金・現地時間)カリフォルニア州サンディエゴのヴァレービューカジノ・センターで開催されるGlory 21。今大会ではGlory世界ミドル級選手権試合として王者アルテム・レヴィン×挑戦者サイモン・マーカスが組まれている。

レヴィンはロシア出身のムエタイファイター、本場タイでムエタイ修行した経験があるというものの、そのファイトスタイルはバックボーンがムエタイとは思えないほど独創的だ。両手を下げ気味に構え、両足のスタンスも広い。ジャブや前蹴りで距離を取ることなく、いきなり大振りのフックやボディブローで飛び込み、予測不能なタイミングでバックブローやバックスピンキックを繰り出す。

このトリッキーなスタイルで2010年にIT’S SHOWTIME世界77kg級王座を獲得し、その後もWBCムエタイ世界ライトヘビー級王座など、多くのタイトルを獲得してきた。2013年からGLORYに戦いの場を求め、昨年6月、Glory17のミドル級ワールドトーナメントではフィリップ・ヴェルリンデン、ジョー・シリングに勝利して、GLORY世界ミドル級の頂点に立った。

対するマーカスはジャマイカ系カナダ人で、こちらも格闘技のベースはレヴィンと同じムエタイかつWBCムエタイ世界ライトヘビー級のタイトル獲得歴もある。レヴィンとは共通点も多いが、レヴィンと大きく違うのは超正統派のムエタイスタイルであることだ。

タイトル挑戦をかけて行われた4月のGLORY20、ミドル級挑戦者決定トーナメントでは前蹴り・左ミドル→クリンチで相手をコントロールするムエタイ殺法を駆使し、ウェイン・バレットとジェイソン・ウィルニスをポイントアウトして、挑戦権を獲得している。

ムエタイベースながらトリッキーなレヴィンと正統派ムエタイスタイルのマーカス。両者は2013年3月にLion Fightのライトヘビー級王座決定戦で対戦しており、この時はマーカスが判定勝利を収めている。しかし、試合は首相撲の展開が多く、マーカスの首相撲&ヒジ打ちが評価されたムエタイ流のスコアリングで勝負が決した。基本的に首相撲が禁止されているGLORYルールでは参考にならない試合展開といっても過言ではなく、むしろ首相撲以外の攻防ではレヴィンの方が優勢だったという見方も出来る。

GLORYルールでの再戦はレヴィンが持ち前の変則的なパンチと蹴りを当てやすい、王者有利の一戦になったと見ていい。マーカスとしては首相撲が禁止された中で、いかに前蹴りや左ミドルで距離をコントロールできるかが求められる一戦だ。

またGLORYとして今年2度目となる米国大会は、対戦カードのほとんどが北米出身選手で占められた。2月のバージニア大会にはヘビー級王者リコ・ヴァーホーベン、エロール・ジマーマン、ニキー・ホルツケン、アンディ・リスティらが出場したが、今大会にはそうしたヨーロッパ系ビッグネームの参戦はない。今まで以上にアメリカ仕様となったラインナップで、クオリティ含めてどのような試合が繰り広げられるかにも注目したい。

■ Glory21 対戦カード

<Glory世界ミドル級選手権試合/3分5R>
[王者] アルテム・レヴィン(ロシア)
[挑戦者] サイモン・マーカス(カナダ/1位)

<ヘビー級挑戦者決定T予選・決勝/3分3R>
TBD
TBD

<ウェルター級/3分3R>
レイモンド・ダニエルズ(米国/6位)
ジャスティン・ベースマン(米国)

<ミドル級/3分3R>
デヴィン・グッデイル(米国)
カイル・スチュワート(米国)

<ヘビー級挑戦者決定T予選・準決勝/3分3R>
チャイ・ルイス・ペリー(英国/15位)
デモレオ・デニス(米国)

<ヘビー級挑戦者決定T予選・準決勝/3分3R>
エグザビアー・ヴィグニー(米国/14位)
モーリス・ジャクソン(米国)

■ Superfight Series 対戦カード

<ヘビー級/3分3R>
アンダーソン・シウバ(ブラジル/4位)
ベンジャミン・アデブグイ(ルーマニア/3位)

<ミドル級/3分3R>
マイク・ルメア(米国/12位)
ショーン・チョイス(米国)

<ウェルター級/3分3R>
オマリ・ボイド(米国/14位)
ジェームス・スティールスミス(米国)

<ライト級/3分3R>
ルイス・カスタニエダ(メキシコ)
ケン・トラン(カナダ)

<ライトヘビー級/3分3R>
アンドレ・ウォーカー(米国)
マニー・マンチャ(米国)

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