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【Bellator136】粒揃いカード締めるライト級世界戦。展開作るブルックス×動きを止めるジャンセン

Brooks vs Jansen【写真】チャンドラーに2連勝したブルックスだが、ジャンセンは決して安易な相手ではない (C)MMAPLANET

10日(金・現地時間)、カリフォルニア州アーヴァインのブレン・イベンツセンターでBellator 136「Brooks vs Jansen」が開催される。プレリミのスタートが太平洋時間の午後4時半、メインカードが午後6時、メイン終了後にダークバウツが5試合と全13試合のロングランイベントには、南カリフォルニアの大会らしく、粒ぞろいのファイターが揃っている。

ダークバウトにクレバー・ルシアーノやチャド・ジョージが出場し、プレリミにジョーイ・ベルトラン、ファブリシオ・グェレーロ、さらにはメインでベラトール世界ライト級王座防衛戦に出場するウィル・ブルックスと1勝1敗のサヤッド・アワッドが、英国の強豪ロブ・シンクレアと対戦。そんな豪華ラインナップを従えたメインカードでは、前ヘビー級王者アレキサンダー・ヴォルコフ、東欧ライト級トップファイター対決マーチン・ヘルド×タイガー・サルナフスキー、さらにはGLORYと二足の草鞋を履くジョー・シリングも登場する。

そして、前述したようにブルックスが世界ライト級王座初防衛戦に臨むメイン、チャレンジャーはデイブ・ジャンセンだ。2012年の大晦日にDREAMのリングで北岡悟を破り、一躍その名をワールドクラスとしたブルックスは、直後にベラトールに初参戦。シーズン8ライト級トーナメントに出場も、準決勝でアワッドにキャリア唯一の敗北を喫する。この負けを機に、フロリダに移り住み、ATTでフルタイムのトレーニングを積むようになった彼は、アワッドとの再戦を判定でモノにすると、サルナルスキーを下しシーズン9ライト級Tで優勝。エディ・アルバレスの欠場を受け、マイケル・チャンドラーと暫定王座決定戦に臨み、スプリット判定ながら番狂わせを起こしベルトをその腰に巻いた。

そして昨年11月にはチャンドラーとの再戦を正規王座決定戦として戦い、ここでも戦意喪失に追い込みTKO勝ち、6連勝を飾って世界王座に就いた。一方のジャンセンは、2011年4月のベラトール初出場以来負けなしの7連勝、通算戦績を20勝2敗とし、ブルックスの15勝(※1敗)を上回る勝ち星を挙げている。シーズン7Tでは決勝戦でヘルドを破って優勝も、ベラトールの方向転換により王座挑戦は棚上げ、昨年10月にリック・ホーンを渋い試合で下して、ついに挑戦権を手にした。

ジャンセンの持ち味はテイクダウン、クリンチとダーティボクシング。そして、削り合い、体力の消耗合戦に強い──一見さん泣かせのファイトが信条だ。一方のチャンピオンは、もともと優れた運動神経としなやかな肉体を持ってきたが、ここに来てパンチの精度、コンビネーションが著しく進化している。ボクシングを軸に置いたファイトができるようになったことで、派手な蹴り技やテイクダウン、投げの攻防にもより磨きが掛けられるようになった。

あのチャンドラーのテイクダウンを凌ぎ、逆にトップからポジションを進めていくのだから、ブルックスの完成度は高い。対して、ジャンセンがどのような対処をしていくのか。ジャンセンとチャンドラーは身長では弱冠、ジャンセンが高いだけだがリーチで10センチの差がある。つまり、ジャンセンはチャンドラーよりも遠い距離を取れることになる。そして組んだ時にはクラッチを組みやすい。

同じレスリングベースでも、距離感と組み伏す力を大切にするジャンセンは、瞬発系のチャンドラーとは別種。耐久力を争う戦いに向いている。5Rの長丁場、チャンドラーに連勝し派手な活躍をしてきたブルックスが、地味なジャンセンの前にスタミナが持たなければ、王座が移る可能性は高くなる。逆にいえば、距離とリーチを生かしたレスリング、グライディングに持っていけなければジャンセンの勝利は遠い。そんなメインとなりそうだ。

■Bellator136対戦カード

<フェザー級/5分3R>
マルコス・ボニヤ(米国)
AJ・マッキー(米国)

<フライ級/5分3R>
ジョナサン・サンタマリア(米国)
スティーブ・ラミレス(米国)

<ミドル級/5分3R>
クリス・エレーラ(米国)
ルク・ボンドレ(コンゴ)

<フェザー級/5分3R>
チャド・ジョージ(米国)
マーク・ボージャス(米国)

<150ポンド契約/5分3R>
クレバー・ルシアーノ(米国)
アーロン・ミラー(米国)

<Bellator世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者] ウィル・ブルックス(米国)
[挑戦者] デイブ・ジャンセン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジョー・シリング(米国)
ハファエル・カルバーリョ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
マーチン・ヘルド(ポーランド)
タイガー・サルナフスキー(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)
トニー・ジョンソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ファブリシオ・グェレーロ(ブラジル)
ジョン・テイシェイラ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
サヤッド・アワッド(米国)
ロブ・シンクレア(英国)

<ミドル級/5分3R>
ジョーイ・ベルトラン(米国)
ブライアン・ロジャース(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジェイ・ボーガン(米国)
ジャスティン・ゴヴィメール(米国)

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