【on this day in】4月03日──2005年
【写真】この2人がMMAで戦うと、スタンド戦だけ終わる可能性もある。それがMMAの愉しさ、だ (C)MMAPLANET
Pan American Jiu-Jitsu Championship
@カリフォルニア州ロサンゼルス、カリフォルニア州立大ドミンゲスヒルズ校
「英語の細かいニュアンスは分からない。だから、ONE Fighting ChampionshipがONE Championshipになったのと同様、Pan American Jiu-JitsuがPan Jiu-Jitsuと名称が変わった時、それでまかり通るんだと驚いた。汎──全アメリカ大陸柔術大会が班柔術、全ての柔術大会となったのに──意味合いは変わらないのかと。とにかく──だ(強引に)そのパンナム柔術、10年前のメイオペサード、いやミッドヘビー級の決勝でジヴァニウド・サンタナとデミアン・マイアが対戦し、ジヴァが優勝を勝ち取った。何とも渋い戦いを見せた両者はMMAとは縁遠いと思われたが、ジヴァは僅か3カ月後、マイアはこの年の終わりから本格的にMMAを戦うようになった(※この4年前に一度だけ、ローカルイベントで試合をしている)。そして──2人揃ってデビューから11連勝を飾り、ジヴァは10試合を腕十字で一本勝ち、アーム・コレクターの異名を取った。マイアは7戦目でUFC出場を果たし、彼もまた10試合でフィニッシュしている。打撃には縁遠い柔術家でも、その組み技力だけでトップになれる。そんな期待に半ば応えてくれたジヴァは2013年9月に現役を退いた。StrikeforceやBellatorというメジャーを経験、最後まで打撃は苦手で、寝技で仕留めきれずに体力を消耗、TKO負けしケージを去った。マイアはミドル級で世界王座挑戦も経験し、ウェルター級に転向した今もUFCで戦い続けている。ただし、最近では序盤に素晴らしいテイクダウン能力の高さとグラウンドコントロールを見せながら、仕留めるには至らないうちにスタミナ切れを起こす姿が目立っている。ジヴァもマイアも、自らのペースで戦いながら体力を削られる。一流の柔術家が、特に何でもない立ち技の使い手に敗れる。ジヴァとマイアのMMAを見ていると、人間って二足歩行する動物なんだと、改めて思い知らされる」
on this day in──記者生活20年を終えた当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします