この星の格闘技を追いかける

【on this day in】3月18日──2001年

My beautiful picture【写真】第4試合に出場したデモリッションマンはロシアのスタスヌシクと名前か、苗字だけ発表されていた選手を53秒でKOした (C)MMAPLANET

Too HOT To HANDLE
@オランダ・ロッテルダム、アホイ
「2H2Hはキック、ミックスファイト、そしてバーリトゥードの3つのルールが採用され、アーネスト・ホースト、ラモン・デッカー、セミー・シュルト、アリスター&ヴァレンタイン・オーフレイム、ボブ・シュクライバー、ギルバート・アイブル、マルタイン・デヨング、ライアン・シムソン、ギルバート・バレンティーニ、イルマ・フェーホフが一同に会したオランダ版Dynamite!!だった。TV収録と強面の面々がかぶりつきのテーブル席に陣取るため、リングサイドに入れるカメラマンは3人だけだ。前回大会で撮った写真が、プロモーターのロン・ニキエスに気に入られ、イベントに招待されていた僕には、そのうちの一枠が用意されていた。ここで、思いもよらない横槍が入った。某ビッグイベントの関係者が自分も写真を撮りたい、アイツをリングサイドから出せ。写真が撮れないなら某ビッグイベントとビジネスをさせないようにしてやる──とロンに詰め寄った。『マナブ、申し訳ない。写真は絶対に用意するから、ここは堪えてくれ』とロン。『いいよ、俺はそういう理不尽なこと嫌いだから。もう帰るよ。チケット代も返すから』と僕。まぁ、自分でも尖がっていたと思う(笑)。僕が帰り支度を始めると、オランダの格闘技雑誌編集長が顔を真っ赤にしてロンに怒鳴り始めた。『マナブに写真を撮らせないなら、俺も撮らないで帰る』と。感激した。今、これを書いていてもサブイボができる。いくら尖がっていても、僕は暗黒街のボスをドヤしつけることなんてできない。結果、ロンは僕だけでなくアリーナの後方のスペースに追いやられていたすべてのカメラマンにリングサイドを解放。横槍を入れた人物の顔を潰さず、実を捨てることもない処置を取った。あのオヤジさんの怒鳴り声、今もこの耳に残っている。今よりお金が動いていた格闘技界、嫌なことがたくさんあった。でも、たま~に一生忘れることのない良き思い出を作ることだってできた」

on this day in──記者生活20年を終えた当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

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