【UFC185】中間距離&接近戦を制したドスアンジョスが、ペティスを下し新ライト級王者に
<UFC世界ライト級選手権試合/5分5R>
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル/1位)
Def.3-0:50-45, 50-45, 50-45
アンソニー・ペティス(米国)
サウスポーのドスアンジョスに対し、王者はオーソに構えて右ハイを2発見せる。ドスアンジョスは左ミドルを連続で放ち、左ストレートを伸ばす。左ミドルから左ストレートを入れたドスアンジョスが、ケージ際で首相撲からヒザ蹴り。ペティスが足を使う。と左ハイから左ボディストレート、続けて左ミドルとドスアンジョスがハイペースで攻める。王者も飛びヒザや後ろ回し蹴りを見せるが、チャレンジャーが左ハイと左ストレートでペースを握る。
ペティスは右ミドルを返し、右ストレートを繰り出すも、ドスアンジョスが右フックを打ち込む。要所で左ミドルを決めるドスアンジョスは、右ボディを受けても右ジャブで距離を測り、左ローを蹴り込む。続いて左ハイを見せたチャレンジャーだが、ペティスがショートを返す。とドスアンジョスはヒザ蹴りをボディに入れ、ダブルレッグでテイクダウンに成功する。腰をコントロールして立たせないドスアンジョスが、シッティングガードのチャンピオンのボディにヒザをつき刺す。最後に立ち上がろうとしたペティスの背中を取り、エルボー2発からヒザ蹴り、ドスアンジョスが素晴らしいパフォーマンスを見せた。
2R、ここも左ミドルを繰り出す挑戦者に対し、ペティスも前蹴りとジャブを伸ばすが、左フックを受けてケージ際に下がってしまう。両ワキを差し、ヒザ蹴りを腿に入れるドスアンジョスは、右ミドルを受けても左を伸ばす。右眼尻をカットしている王者は、変形エルボーに目を奪われ、直後にダブルレッグでテイクダウンを奪われる。ペティスのガードの中に入り、エルボーを落とすドスアンジョスは、手首を取られないようしっかりと対処しペティスが得意とする三角絞めを許さない。ドスアンジョス左のパウンドを連打し、担ぎパス狙い。足を戻すチャンピオンの顔面に拳を落とす。さらに右エルボーを落としたドスアンジョスが左のパウンドを連打。続いて体重を掛けて右ヒジを見舞っていく。起き上がって抜群のポスチャーからパンチを入れたドスアンジョスが、2Rも完全に自らのモノとした。
3R、ドスアンジョスが左ストレートを決める。直後にアイポークがあり、試合が中断する。再開後、ペティスのハイキックを受けそうになったドスアンジョスが左ハイから左ミドルを見せる。挑戦者は右ロー、左へ回るペティスに左ボディストレートから踏み込んでテイクダウンへ。ペティスはここでもクローズドガードを取る。腰を切っても即対応されるチャンピオンは後方回転から起き上がろうと試みるも、ドスアンジョスがバックコントロールからヒザ蹴りを入れる。
胸を合わせた両者、ドスアンジョスが離れ右ハイをブロックして、左ミドルを入れる。直後にもう一度、ダブルレッグでテイクダウンを奪取したチャレンジャーは、起き上がったペティスをまたもや倒す。ペティスの起き上がり際にワンフックでバックを制したドスアンジョスが、パンチを入れて攻勢を維持した。
4R、ペティスがショートアッパーもドスアンジョスがローからミドルを返す。続いて左ボディから右フックを入れた挑戦者。ペティスは右ミドルを2発入れる。ここで下がらないドスアンジョスがパンチの交換からダブルレッグへ。ここでも大きく腰を回して、テイクダウンに成功する。ブリッジから起き上がろうとしたチャンピオンだが、ドスアンジョスが踏み留まり結果的にパスへ。サイドからキムラの形に入ったドスアンジョスは頭を跨いでクラッチを解きに掛かる。ヒップエスケープで絶体絶命のピンチを逃れたペティスだったが、ドスアンジョスがバックに回り込んでバックマウントを完成させる。
胸を合わせて起き上がったペティスが初めてテイクダウンを奪取。直後に立ち上がったドスアンジョスをケージに押し込む。首をコントロールしてバックを取りかかり、形成を逆転したドスアンジョスが逆にペティスをケージに押し込んで、大内刈りで尻餅をつかせる。パンチを入れ、王者の立ち上がり際に後方からハイキックを見せたドスアンジョス。流れを変えようとした王者の粘りを遮断し、ついにベルト奪取まで5分の段階まで試合を持ってきた。
最終回、飛びヒザで勢いをつけたドスアンジョスは、ケージ中央に位置取り左ミドル。ペティスが右ミドルを返すと、それをキャッチしてケージに押し込む。離れて王者はミドル、挑戦者は前蹴りと右ローからダブルレッグへ。粘りがなくなったペティスは8度目のテイクダウンを許し、サイドを取られる。右ワキをすくうチャレンジャー、エルボーを落とし、ペティスを動かしてバックへ。起き上がったペティスが胸を合わせると、挑戦者は距離を取って左ストレートから左ミドルを放つ。二段ヒザ蹴りから組んでダブルレッグを決めたドスアンジョス。
残り2分を切り、敗色濃厚のペティスの表情に諦めの色が見られるようになる。ハーフからキムラを仕掛けるペティスだが、ヒジが抜けて万事休す。バックマウントの態勢になったドスアンジョスが、パンチを入れてそのままキープ、タイムアップを迎えた。王座獲得を確信するドスアンジョスが、ケージに昇って非常に落ち着いて勝利をアピールする。結果、フルマークでその腰に世界最高峰の象徴を巻いたドスアンジョスは、ハファエル・コルデイロとハグをし、感無量の表情に。
そして「神が僕が勝つことを啓示してくれていたんだ。僕はMMAファイター、ストライカー、黒帯柔術家、レスリングもできる。ベストMMAファイターになった。最低のところからUFCのチャンピオンになれた」と語った。
一方、ベルトを失ったペティスは「最初の左ストレートを受けて、右目が見えなくなった。でも、言い訳はしない」と話し、ケージを後にした。