【UFC183】アンデウソン13カ月振りの復帰戦でニックに判定勝ち、涙に暮れる
<ミドル級/5分5R>
アンデウソン・シウバ(ブラジル/1位)
Def.3-0:50-45, 50-45, 49-46
ニック・ディアス(米国)
いきなりノーガードで挑発するニック。アンデウソンは左に回りながら、右ジャブを繰り出す。寝そべって立ち上がったニックは、続いてケージまで下がってレフェリーに注意を受ける。続いて腰を低く落として、背中を見せたニック。アンデウソンは右から左を伸ばす。ここでも何やら口を開くニックは、右前腕を目に突き出した構えを見せ、ローから左、右のパンチを伸ばす。
左ボディ、左ストレートを伸ばしたニックに対し、アンデウソンはローを入れる。近距離でパンチを放つが、ニックを捉えることができないアンデウソンは、首の周囲に汗が光る。右ジャブ2発から前に出て首相撲、ニックのパンチをスウェイでかわし右ストレートを伸ばす。距離を詰めて右を入れ、左フックも見せたアンデウソン。ニックは後ろ回し蹴りを見せ、タイムアップとともに手を合わせようとしたアンデウソンを無視した。
2R、今度はガードをしっかり高くするニックは、またもヒジを前に突き出す。アンデウソンは左サイドキック、左へ回りつつ右ローを入れる。右ジャブから左ストレート、左ローを蹴りこんだアンデウソン。ここで呼吸を整え、間合いを測るとニックが左ローを3発、4発と繰り出す。アンデウソンは素早い右ジャブから、左ストレート、そして左ローで前足を蹴っていく。
ニックはダブルレッグを仕掛けるも、アンデウソンはスプロール。ニックは連続のハイキックから尻を向けて挑発。アンデウソンはローから左を受けると、ジャブの連打から左ロー、変形のヒジ打ちを狙う。左ストレートを入れたアンデウソンが、右ジャブ、右ミドルをボディへ。残り30秒、ニックの左ストレートを受けたアンデウソンが、首を取りに。そこにニックがパンチを2発打ち込み、時間。今度はアンデウソンがニックを挑発した。
3R、右サイドキックでヒザを蹴ったアンダウソン。続いて左ローで前に出る。オーソに構える場面も少ないニックは、左ハイをブロック。アンデウソンは慎重に間合いを外す。ニックがサウスポーに戻すと左ロー、右ハイを繰り出す。右ジャブのダブル、左ストレートを繰り出すアンデウソンが、右フックからヒザ蹴りを見舞っていく。ニックも右フックを返すと、アンデウソンは左ミドル。左目の周囲をカットしたニックに、ボディから左ストレートを入れるアンデウソン。
残り90秒、手を出さずに目視戦を続けた両者が、1分を切って手数を増やす。後ろ回し蹴りは空振りになったアンデウソンに、ニックがワンツーから右ボディ、さらに左、右ショートを打ち込んだ。
4R、サウスポーから右ハイを見せたアンデウソン。サイドキックを繰り出し、左へ回る、アンデウソンも時折り、オーソに構える。サウスポーに戻し、右ストレートをヒットさせる。ガードを高くして前に出るニックに、アンデウソンは右ボディ、自らの動きを確かめるような攻撃が、ここでも続く。と、ニックが前に出てローから右フック。アンデウソンも右ロー、左ローを返す。丹念に右ジャブを繰り出すアンデウソンは、左ロー。手を広げて挑発するニックだが、両者、膠着戦を打開できない。
5R、アンデウソンはここでもサイドキック、ニックはアゴを突き出す。ニックは挑発は多いが、自分から前に出るシーンは非常に少ない。ジャブを連打するアンデウソンは、左ストレートを受けて左ハイ、さらに左ストレートを伸ばす。右のカウンターを入れたアンデウソン、攻防が少ないのでカウンター自体が少ない。残り2分、ワンツーからスリーを伸ばし前に出たアンデウソン。ニックはケージ際で大きなパンチを見せるが、前には出ない。逆にアンデウソンが、来いと手招き。ニックの大きなフックを警戒しつつ、右ジャブを繰り出すアンデウソン。残り10秒も両者が交じり合うことはなく試合はタイムアップに。
結果は大差でアンデウソンに。勝利のコールを受けると、後方に倒れこみ涙を見せた前世界王者。アンデウソンにとって、ニックよりも自分と戦っていたような試合だったのだろう。そのアンデウソンを称えるニック。「もう一度、ここで戦えるチャンスをくれた神に感謝している。家族、友達、本当の友達にも。ニックはベスト、ニックのようにパンチ、キック、メンタルの強い相手は初めてだった。ニックは悪くない。ニックはニックなんだ」と語り、次に関しては「子供がもう辞めてっていうんだ。とにかく家に戻る」と話した。
一方、ニックは「自分が全てのラウンドを取っていた。どうやったら、勝てるのか分からない。ジャッジは僕の態度が嫌いなんだ」などと振り返り、ジョー・ローガンの「次は?」という問いには彼も明言は避けた。戦ってはいたが、攻防の少ない試合だった。