【JJWL】ヒーガン・マチャドが「MMAへの柔術選手の流出を防ぐ」ために新基軸・柔術大会開催
17日(日・現地時間)、カリフォルニア州立大学アーバイン校のベン・センターにて、ヒーガン・マチャドが主催の新柔術大会 Jiu-JItsu World League が開催された。
叔母がグレイシー一族に嫁いだ関係で、グレイシー一族内で育ったマチャド五兄弟の三男にして最強の男と呼ばれたヒーガン・マチャドは、以前から柔術の新組織の設立に熱心に取り組んでいた人物。実際2012年には、新連盟World Brazilian Jiu Jitsu Organization (WBJJO)の発足を発表した。
しかし、その後この新連盟は目立った動きをみせないまま、ウェブサイトもいつの間にか消されてしまった。そしてヒーガンは昨年、ヒクソン・グレイシーが設立した新連盟Jiu-Jitsu Global Federation (JJGF)のマスターズ・カウンシルに参加することに。JJGFは帯の認定基準の一本化等、ヒーガンのWBJJOと共通の目標を掲げており、ヒーガンは自らの理想の一部を、1980年の柔術界で頂点の座を世代を超えて争ったライバル、ヒクソンに協力することで目指すことにしたのだろう。
新連盟を機能させることができなかったヒーガン。だが当初からその究極の目標は、プロ柔術リーグの設立にあると語っていた。一般層から興味を集められず、選手がMMAに流出してしまう現在の競技柔術の現状を改善しようと、かねてからヒーガンは「より動きのある試合を実現するルール」と「柔術家たちにより多くの賞金」の実現を訴えてきた。
その言葉通り、今回の新大会では膠着によるマイナスをより厳しく取り、相手を高く舞わせてのテイクダウンには4ポイント(そうでないテイクダウンは通常通り2ポイント)、連続加点にはボーナスポイントを与える等、試合を動かすルールを採用。また、重量と軽量の二つ設けた黒帯オープン・ディヴィジョンの優勝者にはそれぞれ5000ドル、女子無差別級の優勝者には1000ドルの賞金が用意された。
第1回とあってあまり多くの有名選手の参加は見られなかったこの大会だが、運営もスムースで、大型スピーカーを用いて常にアップビートな音楽を流すというアイディアも受けており、参加者や観客からはなかなか好評のよう。ヒーガンによるとこれからも大会を開き、年間成績優秀者にはさらなる賞金を出すとのこと。長年温めてきたヒーガンの競技柔術改革構想の第一歩であるこの大会、今後も継続的に開催されることを期待したい。
オープン・ディヴィジョンの軽量級はヴィトー・オリヴェイラ(GFチーム)、重量級はユーリ・シモエス(カイオ・テハ)という強豪が群を抜いた強さを見せて優勝、それぞれ5000ドルを獲得した。女子無差別級はカレン・デイジーが制して1000ドルを獲得。また最軽量のライトフェザー級では、ヒーガン・マチャド・アソシエーション参加のコロラドBJJを率いる日本人黒帯柔術家、矢飼伸夫が優勝を果たしている。
■WLLWLリザルト
<アダルト男子黒帯>
【ライトフェザー級】
優勝 矢飼伸夫(コロラドBJJ)
【ライト級】
優勝 ジオフェリー・ヴェラレアル(ヴィクトリーMMA)
【ミドル級】
優勝 ヴィトー・オリヴェイラ(GFチーム)
【ヘビー級】
優勝 ユーリ・シモエス(カイオ・テハ)
【ウルトラヘビー級】
優勝 オーランド・コロネル(ファビオ・サントス)
【オープン軽量級】
優勝 ヴィトー・オリヴェイラ(GFチーム)
【オープン重量級】
優勝 ユーリ・シモエス(カイオ・テハ)
<アダルト女子>
【黒・茶帯無差別級】
優勝 カレン・デイジー(チェッキマット)