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【UFC MACAO】漆谷康宏「間合い、ポイントは距離になります」

2012.11.10

Urushi

【写真】体重調整のトレーニングに入る漆谷康宏。その場でも見られたスタミナ・トレの成果はでるか (C) MMAPLANET

10日(土・現地時間)に開催されるUFC MACAO=UFC on FUEL TV06。日本人5人が出場する今大会、3月のUFCデビュー戦でTKO負けを喫した漆谷康宏。この敗北を機に、眠れる天才が目を覚ました。

計量前夜、UFC二戦目を前にした漆谷にジョン・リネケル戦について語って貰った。

――練習前と比べてかなり疲れてしまっているように見えますが、大丈夫ですか。

「サウナに行こうと思っていたんですけど、練習で結構体重が落ちたので体を動かし続けていました。もう体重も、1ポンド・オーバーまで800グラムほどなんです。ただ、目もくぼんでしまっているように見えるでしょ? 」

――少し驚いています。ただ計量前夜で、もう残り800グラムなのですか。かなり、前もって体重を落とす方なのですね。

「今回は体が大きくなったので、少し不安だったんです。1キロぐらいにはしておきたいと思っていたのが、ここまで落ちるとは思っていなかったです。今日で2キロほど落ちています。明日、計量も遅いし食事をしても良かったかもしれないですね。ただ、明日はもう動きたくないっていうもあって」

――よく水抜きは4キロまでという話をするのですが、考えると56キロの階級で、4キロっていうのは異様に大きな割合ですよね。

「4キロは怖いです。あと、自分の減量の仕方はちょっと古いやり方かもしれないですね。ただ、目安は1ポンドオーバーなのでほぼ57キロなんですが、やっぱり4キロを最後の日に落とすというのは躊躇してしまいますね。

Yasuhiro Urusitani残り1キロをゆったりとサウナで落とした方が、疲れないで済むんじゃないかと思っています」

【写真】インタビュー翌日、問題なく計量をクリアした漆谷。一部で呼ばれている〇モスケ的なショーツが目を引いた (C) MMAPLANET

――試合開始時間が日本時間だと9時というのは、ちょっと経験のない時間じゃないですか。

「僕はほら、クラブでやる大会で夜中に試合をしたことがあるので(笑)。夜中の1時ぐらいにやっています。まぁ、若かったですけどね。それにプレリミだし、9時ぐらいだと修斗でもメインで9時ぐらいというのはあるので。ただ、メインカードの人はキツイでしょうね。僕も今日は体重を落とすために8時から練習したんですが、昨日は試合に合わせて9時からやっていました」

――体を大きくすることもそうですが、漆谷選手はUFC出場機会を得て、格闘技に目覚めた感がありますね。眠れる天才が目を覚ましたような。練習に対する取り組み方も変わったという声も聞きます。

「ナァナァで練習しなくなりましたね。何がダメなのか、考えて練習するようになった36歳、秋です(笑)」

――真面目さを指摘されると、照れてしまう36歳、秋ですね(笑)。先日、修斗バンタム級王座を賭けて戦ってきたライバルのマモル選手が、『ウルシさんは戦友だから、本当にUFCで頑張ってほしい。ホント、ジェセフ・ベナビデスで負けた時はショックだったし』と言っていました。

「アイツも頑張っているし、アイツのことを軽々しく扱ってほしくないっていう気持ちは僕も持っています。自分がベナビデスに、ああいう風に負けたことはアイツに申し訳ないって思いました。もちろん、強い相手だからしょうがないって思いがちなんですけど、ああいう負け方はしちゃダメです。仮にも修斗のチャンピオンとして、あの場に出て戦ったんですからね。会場の雰囲気に呑まれましたね、あの時は」

――1度経験したことで、今回はまた違ってくるのではないですか。

「1試合だけじゃ、何ともいえないですね。まぁ、アジアだし、あの豪州のようにグァッという盛り上がりはないんじゃないかと思います」

――どういう客層のファンがやってくるのか分からないですが、3000人規模の大会でかなり大きな広東語のヤジを耳にしたことはあります。言葉が日本語と違って、キンキン頭に響いてくるんですよね

「あぁ、確かにホテルにいる中国人の人達は、エレベーターのなかでも声が大きいですしね。女の人も声が大きいですよね」

――中国のファンの感性は、かなり日本人とは違うと思います。ところで、UFCを満喫するという気持ちにはなれないですか。

「今回に関しては、本当に必死なんで。楽しむっていうことよりも、残らなきゃっていう気持ちでいっぱいです。デビュー戦の衝撃が強すぎて、UFCってこういうところなのっていう気持ちになったし、それがあったから真面目に取り組むようになったんで。

本来、僕は固くなるタイプではないし、試合はいつも通り戦えると思っています。ただ、ここ2年ぐらい5分×3Rを戦い切った試合をしていないんです。BJやマモル、もう戦いたくないっていう連中と試合をしていた時の方が厳しい試合だったんですよね。スタミナ面は練習でこれでもかっていうぐらい追い込んできたので不安はないんですが、感覚的な部分で不安はあります」

――慎重にならざるを得ないと。

「一番厳しい練習をこなしてきたんですけど、試合と練習はやっぱり違うので……」

――リネケルが、得意の接近戦に入りづらいと思うような攻撃を仕掛けたいですね。

「そこは考えています。試合前に明かすことはできないですけど……。リネケルって、打ち負けるとテイクダウンを仕掛けてくるので、組みはそれほどでもないから、最初に何か入れたいッスね。頭を振るわけでなく、ガツガツと前に出てくるので、自分の攻撃は当たると思います。ファイトスタイルは少し古いというのか、今のMMAっぽくはないですね。あのパンチの回転は速いので、要注意です」

――漆谷選手が、間合いの魔術師振りを発揮してくれることを願っています。

「間合い。ポイントは距離になってきますね」

■UFC MACAO「Franklin vs Le」対戦カード

<ミドル級/5分5R>
リッチ・フランクリン(米国)
カン・リー(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
スタニラフ・ネドコフ(ブルガリア)
チアゴ・シウバ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
パウロ・チアゴ(ブラジル)
キム・ドンヒョン(韓国)

<ライト級/5分3R>
五味隆典(日本)
マック・ダンジグ(米国)

<ライト級/5分3R>
ジョン・タック(米国)
ジャン・ティエチュエン(中国)

<バンタム級/5分3R>
水垣偉弥(日本)
ジェフ・ホウグランド(米国)

<バンタム級/5分3R>
アレックス・カサレス(米国)
手塚基伸(日本)

<フライ級/5分3R>
漆谷康宏(日本)
ジョン・リネケル(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
福田力(日本)
トム・デブラス(米国)

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