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【UFC MACAO】五味隆典インタビュー(02)「何が何でも倒す気持ちで」

Gomi vs Mitsuoka

【写真】光岡にスタミナ+殴り勝ちした五味。マック・ダンジグ戦では、この試合やスカ勝ちしたタイソン・グリフィン戦のようなパンチが炸裂するか (C) Zuffa LLC

11月10日(土・現地時間)にマカオのコタイ・アリーナで開催されるUFC MACAO「Franklin vs Le」で、マック・ダンジグと対戦する五味隆典。現代MMAは戦術と相手の間合いを外すことで発展し、そんな戦い方がUFCのスタンダードとなりつつある中、五味は「僕がそういう戦い方を真似しても勝てない。倒しに行かない限り、人は倒せない」と言い切る。五味ならではのKO哲学とは?

UFCにとって初めての中国・マカオ大会開催に際し、UFC.COM×UFCモバイル×スポーツナビ×MMAPLANETのコラボレーションが実現した。『UFC MACAO』特別企画――第2弾は五味隆典インタビュー(後編)をお送りします。

[五味隆典インタビュー、前編はコチラ

――対戦相手のマック・ダンジグにはどんな印象を持っていますか?

「(取材日、10月1日の時点で)まだ映像を見ていないんですよね。相手の映像を見ると、対戦相手の対策しかやらなくなっちゃうから。実はそれがここ最近の試合の反省点でもあって。今は便利な世の中なんで相手の試合映像や情報がすぐ手に入るじゃないですか。

それが自分にはマイナスで、相手の試合を見ていると毎晩、試合前夜みたいな精神状態になるんです。対戦相手の対策ばっかり練習していると、相手が少し違うことをやってきた時に対応できない。そういうことが多かったような気がします」

――五味選手の場合は相手を研究することで悪いイメージが出来上がってしまう、と。

「対策の練習に時間を割くと、練習量も減るんですよ。だから自分は対策とか相手のことは関係ないと思えるくらいのパワーが必要だと思います」

――今のUFCファイターは対戦相手を研究してゲームプランを練って戦う選手ばかりだと思うのですが、五味選手はそれについてどう感じていますか?

「外国人選手はフィジカルと基礎体力がありますからね。僕は自分の動きのクオリティが上がるような練習をするつもりです」

――そのためにも、どのような練習に取り組んでいるのでしょうか?

「レスリングの練習に行って、ジムにはスパーリングパートナーに来てもらってという状況ですね。時期的にはこれから本格的な減量に入るところです」

Gomi【写真】本格的に追い込むのはこれからになる。マカオではどのような試合を魅せてくれるだろうか (C) MMAPLANET

――自分の動きを上げるために、どのような意識を持って練習に取り組んでいるのですか?

「スタミナだったりレスリングだったり、相手の対策ではないキツい練習を自分が納得いくまでやる。そうすればどんなピンチになっても我慢して挽回できると思っています」

――五味選手は自分の試合を作品に例えることがありますが、今の五味選手にとって理想の試合・作品はどのようなものですか?

「ちょうど『今のUFCの選手が対策を練って…』という話が出てきましたけど、僕がそういう戦い方を真似しても勝てないんですよ。倒しに行かない限り人は倒せない。それを思い出しました。

昔の僕がそうだったじゃないですか。倒しに行って倒されちゃったらしょうがないけど、それは納得するんじゃないかなって。だから誰が相手でも何が何でも倒す。そういう気持ちが必要だと思っています」

――戦略的に戦って勝ちにいくような戦い方では、倒せないですか……。

「そうなんですよね。今までレスリングも通用する、ボクシングも通用する。そう思って戦ってきましたけど、それじゃあ経験がある選手の方が勝っちゃう。だったらとにかく前に出る。それしかないんですよ。勝負なんだから。KOは『もうコイツと戦いたくない』と思った瞬間に生まれるわけですからね」

――今回は五味選手以外にも日本人選手が多数参戦します。その中で五味選手はどんな試合で見せたいですか?

「やっぱり自分らしい試合ですね。それでお客さんが盛り上がってくれればいいと思います」

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