【RFC19】珍ブレイク多発にもスプリット判定勝ち。富松恵美 「自分達で作っていける未来がある」
【写真】勝ち名乗りを受けた時、富松はご覧の表情だった (C)MMAPLANET
9日(日・現地時間)のROAD FC19でソン・ヒョギョンにスプリット判定勝ちを収めた富松恵美。
なかなか日本では経験しがたいファイトとなったが、盛り上がるRFCで戦い結果を残したことで、気持ちも新たに日本に帰国した。到着直後、羽田空港で富松に韓国遠征を振り返ってもらった。
──色々なことがあったソン・ヒョギョン戦、判定勝ちとなりました。おめでとうございます。
「ありがとうございま~す。正直、試合前から微妙な判定だったらアウェイなので負けになると思っていたので、結果が告げられるまではマズイなぁって感じでした(苦笑)」
──試合展開としてはテイクダウンは取れましたが、打撃を受けて真っ直ぐ下がる場面もありました。
「ボクシングを強化してやってきたので、もっと打撃で戦いたかったです。でも、意外と相手の選手も喧嘩が強くて。圧力がありました。良いのをもらってしまいましたね。強化していた部分がでなかったです。魅津希戦よりも出せなかった」
──リーチの差は気になりましたか。
「う~ん、でもこれまでもあれぐらいの身長の選手とは戦ってきたので、突進力というか……そういう部分で負けた自分がいたと思います。試合前にソン・ヒョギョン選手と戦っている藤野(恵実)さんに会って、『凄く腰が強いから、テイクダウンを狙って逆に消耗しないよう気を付けて』というアドバイスをもらっていました。テイクダウンを奪うことは私の毎回の課題になっていますが、そこはクリアできたのに……。
ちゃんと勝てる人は、一度のテイクダウンで極めに行けているのに、そこが甘かったと感じています。後から振り返ると、いくらでも極めることができる場面はありました」
──個人的にRFCは恣意的なおかしなレフェリングや判定はないという見解を持っていたのですが、それを覆したくなるようなことが多々ありました。髪の毛の団子がケージに引っ掛かったからとアピールしてブレイク、水着を直すからとアピールしてブレイク。しかも、ケージ中央で再開されるという体験は初めてだったと思います。
「組みついてダブルレッグで取ろうとしたときも、『パッド、パッド』って叫んでいるから、私のパッドがずれたのかと思って、動きが止まってしまって(笑)。そんなことは、これまで体験したことがなかったので、ビックリしました。あそこで、少し集中力が低下したかもしれないです」
──誰のか分からないマウスピースが出てきましたしね(笑)。
「あの時は試合に集中していたので、何も思わなかったのですが、後から考えるとほんと、あのマウスピースはどこから出てきたんだろうって(笑)」
──判定勝ちが分かった瞬間は、どのような気持ちに?
「いやぁ……最低限、ただ勝っただけっていう勝ちですね。テイクダウンは何回も取れたので、そこは良かったのですが、練習していたことが出せなかった。まだ自分の身についていないことが分かりました。極限の状態になると使えない。そこに気付けたので、勝って反省できる試合になりました」
──去年のPXCもそうでしたが、今回のRFCも日本より大きな会場でファンの数も多かったです。
「男子でもあれだけの規模で戦えることも余りないなか、女子なんて新宿Faceがいっぱいになるかどうかっていう状況で。ああいう場で戦えたことは嬉しかったです。専用の移動バスとか、ホテルも用意してもらえて。格闘技をやっていて、こういうこともあるんだっていう機会を与えてもらえて良かったです。ただ、グアムも韓国もあれだけ盛り上がるんだったら、日本だってまた盛り上がることができるはず。女子はその存在自体がまだ知られていないのですが、自分達で作っていける未来があると思っています」
──魅津希戦の敗北から、また一歩踏み出せる勝利となりました。
「ホントは自分も減量がないので、48キロ級に落とそうなかって思っていて。グアムで戦ったときから、48キロだろうって言われていたのでずっと頭にあったんです。でも、日本では皆が48キロに落としてしまい、52キロが少なくなってしまったので、しっかりと体を作り52キロで戦っていきたいです」