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【PXC45】バンタム級王座決定戦はグアム産MMA=アグオン×フィリピン産総合格闘技=ディ?!

Rolando Dy【写真】一方的にやられてしまう可能性もあるが、接戦にもつれ込み気持ちと手数で上回る展開もありえるロランド・ディ(C)PXC

いよいよ大会が明日24日(金・現地時間)に迫って来たPXC45。グアム・マンギラオのUOGフィールドハウスで行われる同大会のメインでは、田中路教が返上したPXCバンタム級王座決定戦=カイル・アグォン×ロランド・ディ戦が組まれている。

グアムの名門Spike22所属のアグォンの実力が、キャリア7勝4敗という戦績では測れないことは幾度となく触れてきた。判定で敗れた田中戦、逆に際どい判定を制したラッセル・ドーン戦を見ても、彼の力がアジア圏UFCファイターに遅れを取っていないことは明らかだ。そんなアグォンと戦うディはキャリア5勝2敗、MMA新興国のフィリピンでもある意味、新鋭にあたる選手だ。

父ロランド・ナバレッティが元WBC世界ジュニアライト級王者というフィリピン・ファイティング界きっての名門の血を継ぐディだが、その血統にプレッシャーを感じていたのか、アンダーグラウンド・ファイトやストリートファイトに明け暮れた時期もあった。ディという母方の姓を名乗り、後に改心した彼は信仰深くなり、ムエタイやMMAなど父と違う格闘道を選ぶことで人生を取り戻した。

Legend FCでイブ・タンと戦った頃などは、MMA的なファイトというよりも思うが儘に打撃を振るい、テイクダウンを許した結果、思うように戦えないという単に荒いだけという一面も持っていた。それからレスリング&柔術の精度を上げたディ、何よりも防御能力を身につけたことで、際の首相撲からのヒザや、態勢を整えた後での中間距離の打撃戦で大いに威力を発揮するようになっている。

完成度はまだ高くない。荒削りのディだが、その荒い試合展開のなかで流れを引き寄せるような強さも持っている。今回の試合の下馬評はアグォンが圧倒的に有利だ。ただし、現代MMAとして妙に完成度の高いアグオンに対し、MMAの完成度でなく馬力と瞬発力で突破する勢いを持つディだけに、ひょっとするとひょっとすることもある。ディにはアグォンのようなUFCで見られるような、MMA特有の融合性はまだない。どちらというと馬力に裏付けれた勢いで打・倒・極を繰り返す──かつての日本の総合格闘技的な戦いは逆に新鮮だ。世界の前にアジア太平洋、そんな風潮が強くなっている日本のMMA界だけに、キャリア11戦と7戦のファイターの王座決定戦も、しっかりと注意を払うべきだろう。

■ PXC45対戦カード

<PXCバンタム級王座決定戦/5分5R>
カイル・アグオン(グアム)
ロランド・ディ(フィリピン)

<フェザー級/5分3R>
カイル・レイジェス(グアム)
アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)

<フライ級/5分3R>
ダレン・ウエノヤマ(米国)
シェーン・アルバレス(北マリアナ諸島)

<女子ストロー級/5分3R>
ジョン・ユジン(韓国)
ブローガン・ウォーカー(グアム)

<バンタム級/5分3R>
トビー・ミセッチ(ハワイ)
トレヴィン・ジョーンズ(グアム)

<フライ級/5分3R>
マイク・サンチェス(グアム)
スコット・エクラヴェア(グアム)

<ライト級/5分3R>
タイロン・ジョーンズ(グアム)
ホン・スンチャン(韓国)

<フライ級/5分3R>
マクレーン・アルフレッド(グアム)
ヴィンセ・マスガ(北マリアナ諸島)

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