【UFC79】“不運な”サンチェス、手堅く勝利
■第8試合ヘビー級/5分3R
エディ・サンチェス(米国)
Def.3R3分24秒/TKO
ソア・パラレイ(オーストラリア)
【写真】キャリア唯一の敗北が世界中に広まった不運の男、サンチャスが判定勝利 (C) ZUFFA
ミルコ・クロコップ戦の敗北の印象が強いエディ・サンチェス、キャリア唯一の敗北が世界中に広まった不運の男。対戦相手のソア・パラレイは西オーストラリア出身のファイター、今はカリフォルニア州テメキュラバレーのチーム・クエストに拠点を置いている。
右ストレートから連打に突進したサンチェス、パラレイは体勢を入れ替えてケージに対戦相手を押し付けていく。時間をかけて、片足タックルからテイクダウンを奪ったパラレイは、体重をかけてサンチェスをケージに固定する。パウンドを放ったところで隙間ができ、立ち上がることに成功したサンチェスのヒザがパラレイの急所を直撃し、ここで試合は一旦停止。
試合再開後、組み付き小手を巻かれながらも頭をしっかりパラレイの胸につけたサンチェスの細かいパンチがパラレイにヒットする。再び体勢を入れ替え、ケージにサンチェスを追い込むパラレイだったが、緩慢な試合展開に場内からブーイングが起こる。ここでレフェリーがブレイクをかけたが、試合のリズムは変わることはない。
ラウンド終了1分を切ったところ、パラレイがヒザ蹴りを放った際にバランスを崩し、キャンバスに腰を落としてしまうが、サンチェスは追い討ちをかけることなく、試合は再びスタンドでの組み合いに終始する。ラウンド終了直前にパラレイがアッパーを見舞ったが、大きな山場もないまま1Rは終了した。
2Rもケージ際で組み合いが続く。左ジャブを多用するサンチェスだが踏み込みが甘く、遠い距離かつ手数の少ないパラレイのパンチの方が勢いがある。が、そのパラレイのパンチも大振りで単発、結局試合はケージ際での組み合いになるが、ここでサンチェスが初めてテイクダウンに成功する。パウンドを2、3発と受けながらサンチェスを蹴り上げて距離を作ったパラレイがスタンドに戻る。フラストレーションの溜まる試合展開に、場内のブーイングが再び大きくなるが、ここでサンチェスの右アッパーがヒット、パラレイの動きが鈍くなる。
迎えた最終ラウンド、サンチェスのパンチの勢いが増し、パラレイは鼻血を滴らせるようになる。アッパーカットとヒザ蹴りが交錯するなら、打ち勝ったのはサンチェスだったが、突然、レフェリーが両者をわけ、試合終了を宣言。パラレイが首を押さえられてのアッパーカットを抵抗せずに顔面に受け続けたため、3R3分24秒サンチェスのTKO勝ちとなった。