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【RFC17】3度目の正直ならず久米鷹介 「バックを取った時も、軽くパニック状態になっていました」

Kume Takasuke【写真】0-2で判定負けのコールを受け、視線を下げる久米鷹介 (C)MMAPLANET

17日、韓国・ソウルのソウル・オリンピックホールで開催されるRFC17で、久米鷹介がクォン・アソルとRFCライト級のベルトを賭けて戦い判定負けを喫した。

昨年4月、そして10月のナム・ウィチョル戦に続き、選手権試合では3連敗となってしまった。あと一つ、ベルトまで何が足らなかったのか、激戦翌朝、帰国の途につく直前の久米に話を訊いた。

──敗戦から一晩経ちました。今、どのような心境ですか。

「まだ、気持ちの整理はついていないです。ベルト、欲しかったですねぇ(苦笑)。詰めの甘さがでました」

――ナム・ウィチョル戦に続き、もう少しなのにベルトが届かない。

「3Rにバックを取った時も色んなことを考えてしまって……。立たれた時なんかは、このままいったら延長かなとか、ブレイクが掛かるかもっていうことを意識してしまいました」

【写真】1Rと2Rは苦労したテイクダウンを3Rに入ると当時に決め、バックマウントを取ることができたが……(C)MMAPLANET

【写真】1Rと2Rは苦労したテイクダウンを3Rに入ると当時に決め、バックマウントを取ることができたが……(C)MMAPLANET

――それこそナム・ウィチョル戦で起きたことが脳裏に浮かんだのですね。

「そうやって上手く考えがまとまっていない時に、振り落されました。そういうところが、自分の詰めの甘さで。今から振り返ると軽くパニック状態になっていました」

――何よりも14分戦って、最後のクォン・アソルのパウンドの強さは驚き以外のなにものでもなかったです。

「実際に拳を受けた時に、本当に重みのあるパウンドでした。見せるための攻撃じゃなかったです。あそこであの攻撃を仕掛けることができるのは凄いことなのですが、でも……やっぱり、落されたらそういうことがあると想定していないといけなかったです。そこも自分も反省点ですし、とにかく凄い攻撃でした」

――あのままバックキープで終りたかったのは当然ですが、理想論でいえば振り落されそうになったときに下にならないでポジションを自ら放棄するというのが、今のMMAの有り方ではありますよね。

「その通りなんです。そこなんです……僕も考えてしまうのは。下になっていなければ、また違った展開、延長ラウンドに入っていたかもしれないですしね。リセットとまではいかなくても、もう一度あそこでスタンドに戻ってテイクダウンへ行くとか。最悪、あそこで離れられても、また一から攻撃ができるのに、そこまで気が回らなかったです」

――まぉ、ホントに結果論なのですが……。

「ハイ(苦笑)」

――いずれにせよ、試合の入りからクォン・アソルの流れであったことは間違いなかったと思います。

「自分でも焦ってしまっていたと思います。それが相手のペースということになるんでしょうね……。最初にテイクダウンできなかったとき、入り難いって頭にインプットしてしまったんです。でも、以前から思い通りに試合ができないことを想定して戦わないといけないとは言い聞かせてきたのですが、また焦ってしまいましたね。ずっとテイクダウンが入りづらいと迷いが生じして、後手に回ってしまった部分があります。ペースを取り切れなかったときのことは、意識はしていたのですが、形にできなかったです」

――鈴木陽一代表や日沖発選手と話はされましたか。

「試合展開のことは話をしました。やっぱり終り際に立ちに行くのか、固めに行くのか。そういう選択肢のことを話をしました」

――今後については?

「今後という部分に関しては、話していないです。昨日の試合を振り返るばっかりで、先のことは明確に考えられないので。韓国人に3連敗ですしね……。しっかりと対策されていました。今の段階の僕の壁を越えるには、別次元の強さを手にしないといけないです。これだけ対処されているので」

――パンチも当たっていたし、ヒザで動きが止まったシーンもありました。別に一方的な試合ではなかっただけに悔しいですね。

「ヒザが落ちかけた時とか、確かにありました。そういう部分でも、相手のペースに合せてしまうというか……、自分の攻撃ができていても、焦ってしまって。3Rもバックをキープし続けると取っていたかもしれないと言ってくれた人もいたのですが、自分のなかではバックをキープし続けていても延長にいけるかどうか――と判断していました」

――それはあの状況では正しい判断ではないでしょうか。逆にエクストラが当然というぐらいでいても。

「ハイ」

――気安く『また頑張ってください』と言えないのが、格闘技です。じっくりと体を休めて、またこれからのことを考えてください。

「ハイ、ありがとうございます」

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