【UFN47】ライアン・ベイダー×フィジカルモンスターOSP、ピアソンはメイナードと真価問われる一戦

2014.08.14

【写真】OSPのフィジカルを乗り越えて初めて、再度トップ戦線への道が見えてくるライアン・ベイダー(C)GONGKAKUTOGI&MMAPLANET

16日（土・現地時間）、メイン州バンゴーのクロスインシュランス・センターでUFC Fight Night47「Bader vs St.Preux」が開催される。メイン州で初めて行われるUFCのメインは大会名になっている通りライトヘビー級5回戦、ライアン・ベイダー×OSPことオヴァンス・サンプレーの一戦だ。

アリゾナ州立大レスリング部出身のベイダーは、一度は無敗のまま王座挑戦まで、あと一歩というところまで上り詰めたことがある。しかし、現王者ジョン・ジョーンズに完敗。12連勝中だったレコードも、その後の9試合が5勝4敗で、17勝4敗と勝率が下がってしまっている。とはいってもベイダーが敗れた相手4人はグローバー・テイシェイラ以外、全てがベルトを巻いたことがあるファイターばかり。テイシェイラ戦でも、逆転KO負けを喫したが、まずはKO直前に追い込むなど優位に試合を進めてきた。

逆にその打撃の精度と、力強いテイクダウンの勢いを増しているといっても過言でない。だからこそ、今回のOSP戦はベイダーに取って落とせない一戦だ。ハイチ移民、よってフランス語系の名前を持つOSPは生まれも育ちも米国、カレッジフットボールで活躍した後、大学を卒業してからキックボクシングとグラップリングのトレーニングを始めた。とにかくフィジカルに優れているOSPは、キャリアの序盤に力任せのファイトで敗北を幾度となく経験しているが、MMAが何たるかを理解し始めると一気に台頭。3勝4敗と負けが込んでいたところから、4連勝で7勝4敗と持ち直しStrikeforce入りを決めた。

当時もまだ力任せで、運動神経と体力に頼ったファイトではあったが、自力が違う。ストライクフォースでは5勝1敗と結果を残し、UFCへ移籍。現在までオクタゴン4連勝で、ついにトップ10入りを果たした。ニキータ・クリロフ戦ではヴァンフルー・チョークを駆使して勝利するなど、今も力任せという印象が強いが、フィニッシュに拘る姿勢が強くなり、評価をうなぎ昇りだ。

フィジカルモンスター、そしてJJほど繊細でないOSPだからこそ、ベイダーはしっかりとスタンド、グランドともに試合をコントロールできなければ、トップ戦線返り咲きは見えてこない。逆にOSPの勢いを自らのボクシング&レスリングで乗り越えられると、上位との対戦が楽しみになって来る。

そんなメインと共に楽しみなマッチアップが、ライト級のグレイ・メイナード×ロス・ピアソンの一戦だ。対戦日時、対戦カードがシャッフルされ実現に至ったこの試合。前戦でディエゴ・サンチェスに判定負けも、誰もが3-0で勝っていたと口を揃えるピアソンは、打撃の充実振りに目を見張るモノがある。小刻みなフェイントから、回転数の速いショートレンジのパンチで、ペースを掴んでいくピアソンに対し、メイナードの強さはやはりレスリング、テイクダウンにある。TJ・グラント、ネイト・ディアスと連敗中のメイナードだが、ピアソンにとっては接近戦で組まれる恐れの高い、嫌な相手といえる。

最近はパンチャー×パンチャー、グラップラー×グラップラーという手の合う者同士の対戦が目立つUFCにあって、自分の良さを殺されるかもしれないメイナード戦は、その打撃がどんな相手にも通じるのか、今後への試金石の戦いとなる。
同大会の模様は、FOXスポーツ&エンターテイメントで8月17日（日）午後9時、そして翌18日の午後8時から放送される。