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【UFN39】ミノタウロ、ネルソンの上下のパンチには要注意

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【写真】2012年10月のエド・ハーマン戦以来の勝ち名乗りをミノタウロはアブダビで受けることができるのか (C)MARCELO ALONSO/PVT

11日(金・現地時間)、UAEアブダビ首長国アブダビのヤス・アイランドで開催されるUFC Fight Night39「Minotauro vs Nelson」。2010年4月のUFC112以来、実に4年振りのアブダビ大会は9試合のコンパクトなイベントとなっている。

川尻達也×クレイ・グイダが行われることで国内のファンからの注目度も高い同大会のメインは、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ×ロイ・ネルソン戦だ。ミノタウロと川尻、奇しくもPRIDEの重・軽量級中心ファイターの揃い踏みとなる。

35歳の川尻に対し、37歳のミノタウロはまさに満身創痍といった印象が強い。2007年7月のUFC参戦以来、この6年10カ月の間に古傷、そして試合で受けた負傷の手術、治療に当てた時間も非常に多い。UFC戦績は6勝4敗、実に2008年の2月から勝ち&負けをくり返し、連勝はない。決してファイターとして望むべき現実ではないかもしれないが、その勝利、そして敗北とも劇的なのはミノタウロらしい。

ティム・シルビアをギロチンで破り暫定世界王座に就くも、フランク・ミアーにまさかのパンチでのTKO負けでタイトルを失う。鉄人ランディ・クートゥーを倒すも、ケイン・ヴェラスケスにTKO負けし若手の台頭を印象づけた。かと思えば、母国ブラジルで新鋭ブレンダン・シャウブからKO勝ちを収め、ミアーとの再戦ではキムラで腕を骨折という衝撃的な敗北を喫した。その後も柔術を愚弄したエド・ハーマンは腕十字で破るも、TUFブラジル02のコーチ対決でファブリシオ・ベルドゥムに腕十字で完敗。ミアー戦もそうだが関節技で敗れるミノタウロの姿を見るのはやはりショッキングだった。

そのベルドゥム戦の敗北から、10ヵ月振りの復帰戦となる彼の対戦相手ネルソンもまた、スタイプ・ミオシッチ、ダニエル・コーミエー戦と連敗中。厳しい見方をすると、下り坂にあるビッグネーム同士の対戦をアブダビで組んだと捉えることもできる。ミノタウロとしては、ネルソンのアッパー、そしてオーバーハンドという上下の見えない角度から、想像以上に伸びてくる2種類のパンチに気をつけたい。タフネスさが売りだったミノタウロが、既にグラスジョーの持ち主になっていることは明らか。序盤にビッグショットを貰わず、ケージに詰めてネルソンを削りたい。あるいは5R戦ということを考慮すると、ネルソンもスタミナ配分に気を遣ったファイトを心掛ける可能性もあり、ならば汗をかく前に一気にテイクダウンから極めを狙うという手段もある。

いずれにせよ、ミノタウロのファイトを目にする機会はそれほど多く残っていないのは確か。本当の意味で日本のMMAファンにとってレジェンドだった彼の雄姿をぜひとも、その目に焼き付けて欲しい――そんなノゲイラ×ネルソン、哀愁の砂漠の一戦だ。

■ UFC Fight Night40 対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル/11位)
ロイ・ネルソン(米国/9位)

<フェザー級/5分3R>
クレイ・グイダ(米国/9位)
川尻達也(日本/12位)

<ウェルター級/5分3R>
ジョン・ハワード(米国)
ライアン・ラフレアー(米国)

<ライト級/5分3R>
ラムジー・ニジェム(米国)
ベニール・ダリューシュ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジャレッド・ロショルト(米国)
ダニエル・オミランチョク(ポーランド)

<バンタム級/5分3R>
ハニ・ヤヒーラ(ブラジル)
ジョニー・ベッドフォード(米国)

<ミドル級/5分3R>
ターレス・レイチ(ブラジル)
トレバー・スミス(米国)

<ミドル級/5分3R>
クリス・カモージ(米国)
アンドリュー・クレイグ(米国)

<フェザー級/5分3R>
アラン・オマー(イラク)
ジム・エイラーズ(米国)

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