【BFC49】リマ、ノーガードのカールを寄せ付けず
<ウェルター級T準々決勝/5分3R>
ドウグラス・リマ(ブラジル)
Def.判定3-0:30-27、30-27、29-28
スティーブ・カール(米国)
【写真】ヒカルド・アルメイダがジャッジを務めた同大会、この試合で唯一29-28をつけたがアルメイダだった (C) KEITH MILLS
リーチの長いリマが、ゆったりした構えから素早い左を伸ばす。ローを蹴り込むリマに対し、ガードを下げたカールの右がヒットし、いきなりダウンを奪う。リマは足関節から、スイープの要領でトップを奪うと、カールはクローズドガードで固めていく。ハイガードを取り、下からパンチを打ち込むカールだが、リマは構わず右のパウンドを落とす。
立ち上がったリマは、カールの立ち上がり際に蹴りを狙うも、これは当たりが浅い。ガードの低いカールは、前に出てもリマのジャブを受け、ローキックを左足に蹴り込まれる。リマはローキックで足払いのようにテイクダウンを奪うと、すぐにパスガードに成功。サイドから上体を固め、右のパンチを落とすリマに、カールは足を戻してガードを取る。
再びパスをしたリマだが、ここでは抑え込みに固執せず、スタンドで待ち受ける。残り30秒、リマのローとカールの右が交錯し、カールのテイクダウン狙いをリマがカットしたところで初回が終了した。
2R、カールはリマのローをキャッチし、パンチからトップを奪うが、すぐに態勢を入れかえられてしまう。腰をコントロールしパスを狙うリマ。ハーフ・バタフライガードのカールを押し潰したリマだったが、パウンドにはそれほど勢いがない。立ち上がったリマは、スタンドに戻ると、すぐにハイキックを放ち、続いてミドルをヒットさせる。
相変わらずノーガードのカールが、ハイキックを見せるも、リマの前蹴りでバランスを崩す。ローから右アッパー、左フックをヒットさせたリマ。カールは遠い位置からテイクダウンを狙い、そのまま引き込む。ハーフからキムラ・アームロックを狙うカールだが、リマはパスから逆にアームバーの機会をうかがう。
カールが腕のロックを外し、リマがガードから抑えていた足を戻されると、その足を払って豪快なパウンドを落としていく。再びハーフからキムラを狙うカールだが、これはパスを防ぐための苦肉の策のように見える。
リマは落ち着いて、ハーフから肩でカールの顔面にプレッシャーを与え、トップキープのまま2R終了の時を迎えた。最終回、2Rは確実に取ったと思われるリマは、右ローを放つ。
すると、前に出てきたカールに左フックを合わせ、バランスを崩したリマ。組みつくことがない柔術家は、右フックを振るい前に出る。さらに左を伸ばしたリマは、カールの右フックをブロックして、プレッシャーを与えていく。右ストレートを受けたカールが、たまらず組みつくと、リマは簡単にテイクダウンを奪取、ハーフからアームロックを狙いつつ、パスに成功した。
残り2分、脇差しパスからサイドを奪ったリマは、ニーインザベリーからマウントへ。パンチを落とし、背中を向けたカールにリアネイキドチョークを仕掛ける。さらに体を反転させたカールが胸を合わせて、立ち上がる。
ガードを取ったリマにカールがパウンドを落とし、リマは蹴り上げを見せるが、しっかりと背中をつけられてしまう。潜りガードを見せたリマに、カールがパウンドを落としたところで試合はタイムアップに。初回のリマのダウン、最終回のカールのトップからマウント、この2つの攻防を、それ以外の攻防に対してどのように評価するか。
果たしてジャッジの結果は――、30-27が二人、29-28が一人でリマが判定勝ち。トーナメント準決勝進出を決めた。