【UFC131】ケン・フロ、勝っても鳴り止まぬ大ブーイング
<フェザー級/5分3R>
ケニー・フロリアン(米国)
Def.判定3-0:29-28、29-28、30-27
ディエゴ・ヌネス(ブラジル)
昨日の計量に引き続き、大ブーイングを浴びるケン・フロ。フェザー級初戦でフィジカルの違いを見せつける。ヌネスのバックハンドブローや蹴りを身切り、左ストレートを伸ばすケン・フロだが、下がるヌネスを捉えることができない。
ケン・フロは組みついて、ヒザを突き上げてからシングルレッグへ。バックに回り込むが、ヌネスに胸を合わされてテイクダウンを奪われた。立ち上がり、態勢を入れかえたケン・フロは、ヌネスのローでバランスを崩す場面も。
ヌネスは右ハイを放っていくなど、単発ながら生きの良い打撃を放っていく。バックハンドブロー、さらにハイキックと立て続けに見せて、ケン・フロを翻弄していく。ケン・フロのテイクダウンにもすぐに立ち上がり、残り10秒で左の相打ちから右でダウンを奪う。そのままパウンドでタイムアップまで攻め続けたヌネスが、初回を取った。
2R、ヌネスはケン・フロの前蹴りに思い切りのいい右を放つ。場内にウェーブが発生し、異様な興奮状態のなか、ケージ内ではケン・フロがシングルレッグで、執拗にヌネスを攻め立てた。しかし、ヌネスは両差しからテイクダウンを奪うと、ケン・フロのガードを押しのけ、左のパウンドを落とす。
ブレイクがかかり試合がスタンドへ戻ると、ケン・フロの右ジャブがヌネスを襲う。ここからケン・フロが腰をコントロールし、クリーン・テイクダウンを奪う。ハーフから残りの一本を抜こうとするケン・フロに対し、フルガードに戻したヌネスがその間、パウンドを顔面に浴びる。ヌネスの足を畳んで、左パウンドから右を狙ったところで2Rが終了となった。
最終回、左へ回るヌネスをケン・フロが追いかけて、左ローを蹴り込んでいく。プレッシャーを掛けるケン・フロ、ヌネスは初回のような思いきりのいい攻撃が欲しいが、すぐにテイクダウンを奪われてしまう。重いパウンドを落とすケン・フロは、一本足を抜いて、ニアマウントからパウンドを放つ。左エルボーを織り交ぜ、拳を落すケン・フロが、ヌネスの蹴り上げた足を払い、ついにパスからサイドを奪取する。
背中を向けたヌネスのバックに回り込むことができなかったケン・フロは、ケージに押し込まれるも、ヌネスのフックに右へ回り込み、しっかりとケージ際から離れて戦うように。疲れて体が流れるようなパンチしか打てなくなったヌネスに対し、ケン・フロはしっかりと距離を測り、ジャブ、組んでヒザを突き上げる。残り10秒、左ストレートを放ったところで、ヌネスの右を浴びてヒザをついたケン・フロは最後の打ち合いで、らしくない姿を見せてしまった。
結果、29-28、29-28、そして30-27でケン・フロが勝利したが、30-27という裁定はないだろう。ケン・フロの勝利者インタビューの間、鳴りやまなかったブーイングは彼がボストンからやってきたファイターということだけで、飛んでいたものではないだろう。