【UFN253】タイトル前哨戦?! マネル・ケイプ「ケージの中と外は別人。野生に戻る瞬間を楽しんでいる」
3月1日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN253:UFN on ESPN+111「Kape vs Almabayev」。イベント名通り、メインでマネル・ケイプがアス・アルマバエフと対戦する。
Text by Manabu Takashima
本来はランク1位のブランドン・ロイヴァルとの試合が決まっていたケイプだが、ロイヴァルの欠場を受けてオクタゴン4戦4勝のアルマバエフと戦うことになった。それでもメインで戦う今回の試合。ケイプにとって、タイトル前哨戦という位置づけに変わりはなかった。
――アルマバエフと今週末、ヘッドライナーとして戦います。ブランドン・ロイヴァル✕平達郎戦に続き、ノンタイトルのフライ級の試合がメインになりました。このところのUFCのフライ級への力の入れようが伝わってきます。
「僕からするとフライ級のファイターは、皆が良い仕事をしている。エキサイティングな試合も多い。僕自身、自分のスタイルや知識、能力はライト層のファンにも届く戦いができると思っている。彼らもフライ級の試合を楽しめる。UFCもそんな僕の可能性を認めているから、土曜日の試合もメインイベントになったと思っている。僕がフライ級をもっと盛り上げるよ」
──今回の試合はそもそもロイヴァルと戦う予定でした。つまり、勝てばタイトル挑戦権を手にできる。そういうファイトだったと思います。ロイヴァルの欠場をどのように捉えていますか。
「それは気にしていない。この試合に勝てば、タイトルショットだ。何も変わらない。同じ機会を与えられたと思って戦う。だから、この試合は必ず勝たないといけない。確かにロイヴァルが欠場になったことは残念だ。彼はランク1位だから。ロイヴァルを倒して、ランキング1位として挑戦したかった。
不幸にも彼は欠場した。ただし、対戦相手が代わることは今に始まったことじゃない。これまで通り、同じ気持ちをキープして、集中力を失わずに練習してきた。再び、オクタゴンのなかでベストパフォーマンスを見せられるようにね」
──マネルは2連敗から勝利を重ね、その後も一歩後退することもあり、ここまで来ました。そのタイトルショットをかつてのライバルである朝倉海選手は、UFC初戦で手にしました。
「カイはタイトルショットを手にするに値するファイターだよ。RIZINチャンピオンだからね。RIZINは大きな組織だ。そして、日本の人気者だ。タイトルに挑戦するだけの価値のある選手だけど、タイトルは手にできなった。戦う機会を得る力はあったけど、タイトル奪取という機会は失ったんだ。カイは自分自身にプレッシャーを与え過ぎていたように見えたね。
そして5R制なのに、プッシュしすぎていた。彼はファンが喜ぶ試合内容で、KO勝ちすることにこだわっていた。半面、もっと落ち着いてディフェンス面に意識を持っていくことを忘れてしまっていた。KO勝ちするには我慢が必要なことは、彼も分かっているはずなのに。でも、少しでも早くKOすることしか頭にないような戦いをしてしまった。それも経験だよ。カイ・アサクラは強くなって戻ってくる。間違いない」
──対して、今回の対戦相手であるアルマバエフはロイヴァルのようにランク1位ではないですし、朝倉選手のようにRIZINのチャンピオンでもない。ただし、UFCで4戦負けなしで代役の座を得ました。
「グッドファイターだけど、君の言うように有名じゃない。そして17連勝中だ。それでも僕の方が経験値が高いし、初めてUFCで土をつけさせてあげるよ。凄く自信がある」
──UFCでの試合を見ると、あまりフィニッシャーというイメージはないですが9つの一本勝ちがあります。
「強いけど、判定で勝とうとする選手だよね。僕もそう思う。技術的に良いモノを持っている。ただし、弱点はコンディションだ。スタミナに難がある。1Rと同じような戦いを3Rにすることはできない。そこが僕との違いで、勝負の分かれ目になるだろう。僕はラウンドごとを動きを上げることができるからね。しっかりと時間をかけて、ダメージを与え続けて勝つ。
アルマバエフが元気な1Rであっても、パンチ力は僕の方が上だ。レスリングも強いけど、ヤツより優れたレスラーと戦ってきたからテイクダウンはされない。それに柔術も黒帯だ。試合がどんな風に進んでも、僕は対応できる。5Rという点でも、僕が有利だ」
──エキサイティングな試合をしようとするファイターにとって、勝負に徹する相手は戦いづらくはないですか。
「まぁ、そういう試合をするなら勝利は僕のモノだ。結果タイトルショットの機会が巡ってくるから、今回は構わない。僕は常にシリアスに試合を考えている。どのような局面が訪れるのかも、真剣に考えて試合に臨む。ただし、ヤツと僕の間には確実に力の差が存在している。
そうだね、APEXのケージは大きくない。何もできないアイツは、ただ逃げ回るだけ。ただし、足を使おうにも限界がある。狙い通り近い距離で、ヤツを狩るんだ。アルマバエフが何をしようが、全てに対応できる。それが過去に見せたことがない動きでもね。倍返しにしてやるよ。これまで経験したことがないような圧力をアルマバエフは感じることになるだろう」
──逆にヘッドライナーのプレッシャーは?
「ノー。毎日のスパーリングセッションのようなものだ。気負う必要がない。プレッシャーなんて、全くないよ。ファイトタイムが楽しみでしょうがない。アルマバエフとは同い年だけど、いかに僕が成熟しているファイターか見せつけるよ」
────マネルは冷静かつ、爆発力のあるファイトができます。どのような展開になっても落ち着いて戦えるコツは何なのでしょうか。
「僕はオクタゴンの中と外では別の人間だ。野生的な部分は、ケージの外には持ち出さない。そして、野生に戻る瞬間を楽しんでいる。だから、冷静に全てを解き放って爆発的な戦いが可能になる。その場にアルマバエフも足を踏み入れるんだ。最初のミスで、キャンバスに沈むことになる」
──押忍。日本では平選手、鶴屋選手、朝倉選手がいるUFCフライ級は過去にないほど注目を集めています。そんな日本のファンに一言お願いします。
「僕がいることを忘れないでくれ(笑)。マネル・ケイプは日本のファンへの感謝の気持ちを忘れず、皆の代表としてUFCで戦っている。今の僕があるのは日本での経験があるからだ。この試合に勝てるようにエネルギーを送ってほしい。日本のファンの存在がモチベーションになり、試合まで強くなり続けることができるように。いつも、ありがとう」
■視聴方法(予定)
2月23日(日・日本時間)
午前6時00分~UFC FIGHT PASS
午前5時45分~U-NEXT
■対戦カード
<フライ級/5分5R>
マネル・ケイプ(ポルトガル)
アス・アルマバエフ(カザフスタン)
<ミドル級/5分3R>
コディ・ブランデージ(米国)
ジュリアン・マルケス(米国)
<ライト級/5分3R>
ナスラ・ハクパレス(ドイツ)
エステバン・リボビチ(アルゼンチン)
<フェザー級/5分3R>
ウィリアム・ゴミス(フランス)
ハイダー・アミル(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ダニー・バーロウ(米国)
サム・パターソン(米国)
<ヘビー級/5分3R>
オースティン・レーン(米国)
マリオ・ピント(ポルトガル)
<フェザー級/5分3R>
ヒカルド・ラモス(ブラジル)
チャペ・マリスカル(米国)
<バンタム級/5分3R>
ドゥグラス・アンドレージ(ブラジル)
ジョン・カスタネダ(米国
<フェザー級/5分3R>
ルーカス・アルメイダ(ブラジル)
ダニー・シルヴァ(米国)
<女子フライ級/5分3R>
アンドレア・リー(米国)
JJ・オルドリッチ(米国)
<フライ級/5分3R>
チャールズ・ジョンソン(米国)
ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)
<女子フライ級/5分3R>
モンタナ・デラロサ(米国)
ルアナ・カロリーナ(ブラジル)