【RIZIN LANDMARK10】16カ月振りに来日。ヴガール・ケラモフに訊く、鈴木千裕戦の敗北と摩嶋一整戦
【写真】再来日の喜び──以上に、自信が伝わってきた (C)MMAPLANET
17日(日)、名古屋市港区のポートメッセなごやで開催されるRIZIN LANDMARK10にヴガール・ケラモフが出場し、摩嶋一整とメインで対戦する。
Text by Manabu Takashima
昨年7月に圧倒的な力を見せて朝倉未来をRNCで破りRIZINフェザー級王座を獲得も、11月に母国での初防衛戦で鈴木千裕にボトムからの打撃で敗れたケラモフ。同大会でチームメイトらと暴行行為があったと調査が入り、国外に出ることがならなかった。その疑念も晴れ無罪放免──1年4カ月ぶりの来日が実現するケラモフに、改めて鈴木戦の敗北、そして摩嶋戦への意気込みを尋ねた。
■鈴木千裕戦の敗北「過去に一度も経験したことがない一瞬の出来事で、全てが台無しになった」
──約3週間後、ようやく再び日本の土を踏むことができますね(※取材は10月25日に行われた)。来日を控え、今の調子はいかがですか。
「アゼルバイジャン国内で試合をしている選手たちとの練習だけでなく、ダゲスタンでもトレーニングをしてきた。これから体重を落としに掛かるけど、良い試合をするために万全を期している」
──鈴木千裕選手との試合前後にあった問題で国外に出ることが不可能となり、あの敗北について話を伺う機会がありませんでした。もしよければ、あの敗戦について話を聞かせてもらえないでしょうか。
「あの試合は……本当に体の仕上がりも最高で、これ以上ないほどの状態で戦うことができていた。それが……過去に一度も経験したことがない一瞬の出来事で、全てが台無しになった。あれは自分のミスだ。人為的ミスってやつだよ」
──ミスといえばミスですが、下からのパンチを効かされるとは誰も予想できなかったと思います。
「下からのパンチなんて、子供が殴ってくるようなものだよ。何も効果はない。パンチでKOされたわけじゃない。その前のカカトが見えていなかったからだ。瞬きをして、カカトが見えていなかった。そして勝負は終わった。
母国のファンの前で、敗北を喫したことはこれ以上ないぐらい残念でならなかった。絶対にベルトを守るつもりで戦っていたから。ただし、それも神が自分に与えた試練だろう。タイトルを取った時に戦ったミクル・アサクラは、チヒロ・スズキの2倍は強いファイターだった。それなのにミスをしてチヒロ・スズキに負けた。あのミスから多くのことを学んだ」
──トップを取った時に勝利を確信し、鈴木選手のグラウンドワークを過小評価した部分はありましたか。
「自信過剰だったと言いたいのかい? 正しい指摘だ。スズキの寝技は全く気にしていなかった。あのまま、深く考えなくてもフィニッシュできると思っていた。スズキは下にいたくなくて、そこから逃れるためにあの蹴りを出したに過ぎないのに……そこが一番、勉強になった。油断をしないこと。
しっかりとフィニッシュするために段取りを守って、アドバンテージを失うことなく戦術的に戦う。そう学ぶことができた。だから、あんなミスは2度としない。もう、起こりえない。ああいうことがないように、集中して戦う。より戦術的に戦えるようにトレーニングを積んできた。
リベンジの機会を得ることができれば、勝つのは自分だ。実際、あの試合の時でさえ自分の方が強かった。でも、ミスをしたことでスズキの日になってしまったんだ」
■摩嶋一整戦「ケージは自分にアドバンテージをもたらす」
──再戦の機会を得るためにも、次の摩嶋選手との試合は非常に重要になってきます。そして摩嶋選手は組みが強いファイターです。
「彼の過去の試合はチェックしている。レスリングが好きな選手だ。でも、レスリングなら自分もできる。レスリングもそうだし、打撃も寝技もほとんどの局面で、彼の技量を上回っている」
──アゼルバイジャン大会もケージが使用されていましが、ヴガールが右を当てて、そのままシングルレッグでテイクダウンを奪ったので金網を使った攻防はなかったです。摩嶋選手は壁レス、ケージレスリングが強い選手ですが、その辺りはどのように考えていますか。
「それこそ、ダゲスタンでの練習ではケージでの戦いを想定してきた。ケージで戦うことは、全く問題じゃない。逆にリングよりも、戦いやすい。ケージ使用はマジマでなく、自分にアドバンテージをもたらすに違いない」
──本邦初公開となるヴガールのケージレスリングを楽しみにしています。
「ケージレスリングだけでなく、全てを楽しみにしてほしい。最高に仕上げて、ベストバージョンのヴガール・ケラモフの姿を日本のファンには見て欲しい」
──押忍。承知しました(笑)。では最後にヴガールの再来日を待ち焦がれていた日本のファンの一言お願いします。
「日本のファン、文化、国自体を愛している。日本に戻れることが嬉しくてしょうがない。絶対に良い試合をすることを約束するよ」
■視聴方法(予定)
11月17日(日)
午後1時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE
■ RIZIN LANDMARK10対戦カード
<フェザー級/5分3R>
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
摩嶋一整(日本)
<バンタム級/5分3R>
昇侍(日本)
芦澤竜誠(日本)
<女子スーパーアトム級/5分3R>
浜崎朱加(日本)
シン・ユリ(韓国)
<ライトヘビー級/5分3R>
イゴール・タナベ(ブラジル)
マルコス・ヨシオ・ソウザ(ブラジル)
<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
イ・ジョンヒョン(韓国)
<フライ級/5分3R>
柴田“MONKEY”有哉(日本)
ヒロヤ(日本)
<フライ級/5分3R>
村元友太郎(日本)
トニー・ララミー(カナダ)
<フライ級/5分3R>
北方大地(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)
<バンタム/5分3R>
アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブラジル)
山本聖悟(日本)
<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
加藤久輝(日本)
<バンタム級/5分3R>
白川ダーク陸斗(日本)
マゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン)
<ライト級/3分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
倉本大悟(日本)
<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
秋元強真(日本)
<バンタム級/5分2R>
窪田泰斗(日本)
日比野“エビ中”純也(日本)
<ヘビー級/5分2R>
稲田将(日本)
佐々木克義(日本)
<フェザー級/5分2R>
TATSUMI(日本)
平松翔(日本)
<キックボクシング55キロ契約/3分3R>
としぞう(日本)
JIN(日本)