【Special】Fight&Life#105より。朝倉海に訊いた世界戦発表のタイミング─「そこに僕の気持ちは通らない」
【写真】UFCへのアプローチ=プレゼン、SNSと練習時間。多くのファイターがその姿勢を知って欲しいインタビューとなっている (C)YOSHIFUMI NAKAHARA
明日23日(水)に発売されるFight & Life#105で、12月7日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC310のコメインイベントでオクタゴン・デビュー=アレッシャンドリ・パントージャの持つUFC世界フライ級王座に挑戦する朝倉海のインタビューが掲載されている。
Text by Manabu Takashima
またFight&Life#105では朝倉海インタビュー以外にもブランドン・ロイヴァルと歴史に残る激闘を繰り広げた平良達郎が、キャリア初黒星となった25分間を平良が60分に以上に渡る独白。
驚くほど、その試合展開を明確に記憶し、自身のなかで嚙み砕こうとしている平良の切実、そして誠実な言葉な数々。
さらには日本大会再開の追い風となるのか、UFCフライ級戦線をJ-MMA目線で切り込む企画──朝倉ともパントージャとも戦った唯一のファイター=扇久保博正にロイヴァル×平良、パントージャ×朝倉について話を訊き、本邦初公開の秘話と共に、伝説のTUF24を振り返ったインタビューも掲載されている。
そして──6月のUFC出場発表から4カ月、「あっと驚くことになる」という本人の言葉通り、UFCデ「ビュー戦が世界タイトル戦となった朝倉海。
今月17日(木)に東京都品川区のU-NEXTにおいて「UFC310: Kai Asakura Ultimate Media day」=UFC出陣前の記者会見が開かれ、朝倉は会見後に各メディアに10分毎の個別取材を応じた。
MMAPLANETではUFCの理解もあり、Fight&Lifeと共同インタビューという形で20分の時間を確保しより詳しく今の彼の心境を尋ねることができた。その全体像はFight&Life#105を読んでいただくとして、ここではインタビューの一部を抜粋し、あの世界挑戦の発表のタイミングについて尋ねた朝倉の返答をお伝えしたい(要約)。
──ランキング1位と戦う試合当日に、急浮上した日本人選手がタイトル戦が決まったと発表されるようなことがあると、海選手だと心情的にはどうなるでしょうか。
「平良選手は僕の試合のことを知っていたと思いますが、タイミングがここじゃなくても良いだろうとは思いました。僕も発表されたのを知ったのは、朝起きた時でした。確か、その夜中の2時に発表されたんですよね?」
──ハイ。UFCのリリースは2時10分過ぎだったかと思います。
「夜中の午前零時に発表されますと関係者に言われて、僕は眠かったんですけど、起きていたんですよ。でも12時になっても発表されなくて『どうなっていますか?』と確認した時に『ラスベガスは今、朝の7時なのでまだ社長が起きていない。だからGOサインがまだ出ていないから、もう少し起きていてほしい。発表されたと同時に色々と拡散してほしい』ということで12時40分ぐらいまで頑張って起きていたんですけど(発表がなくて)寝たんですよ。
だから僕も起きたタイミングで発表されたんど驚いたぐらい、本当にギリギリまで分からなかったですね」
──このタイミングで発表されたら自分が悪者になるという気持ちは?
「そうなんですよ。だから平良選手の試合のだいぶ前に発表するか、試合の後に発表してよとは思っていたんですよね。でも、そこに僕の気持ちは通らないというか。UFC側にも考え、タイミングがあるから仕方ないなと」
──いずれにせよ、これだけ世界を目指すことができる選手が出揃って来たなかでUFC日本大会開催の機運が高まって来ています。この点、朝倉選手ご自身はどのように思いますか。
「客観的に見ても、僕次第だと思います。僕がチャンピオンになれば、日本で開催できる可能性もあると思いますし、多分UFC側も日本人でチャンピオンが生まれれば日本でやりたいと思うだろうし。
UFCは日本でやりたいんですよ。ずっと。でも今まで日本でやっても失敗しているのは、日本人のスターがいなかったからですよね。今の僕ならUFCのチャンピオンになれるし、チャンピオンとして日本人のファンを呼ぶこともできる。UFCも成功させられる自信が持てると思うので──今回しっかりと勝って来年、日本にUFCを持ってきます」
Text by Nob Yasumura