【IFC】イスラエルFC発進、ともるかケージMMAの灯
【写真】大会4日前からアリーナに用意されたケージのお披露目を現地メディアに行ったダニエル・グレイシー、ソクジュら出場選手 (C) Eliran Avital
9日(火・現地時間)にイスラエル最大の都市テルアビブで、イスラエル・ファイティング・チャンピオンシップ(Israel Fighting Championship=IFC)、「Genesis」が開催される。
日本では馴染みの薄いイスラエルという国でのMMAだが、そこは米国の金融市場を握っている民族だけあり、意外なほどビッグネームが参加した大会が行われる。IFCでは今大会をイスラエル発の世界的ケージファイティング・イベントと謳っており、同国を代表するプロ・バスケットボールチームであるマッカビBCの本拠地で、収容人員11000人を超えるノキア・アリーナが使用される。
同アリーナはノキアがネーミングライツを取得する以前は、ヤド・エリヤフ・アリーナという名称が長く使われ、1995年にUWFインターが、BUSHIDOの名でプロレス興行を開いた会場でもある。
また、IFCのいうところのイスラエル初の国際的ケージファイティングという側面においては、1997年にロシアに本拠地を置いたIAFC=インターナショナル・アブソリュート・ファイティング・カウンシルが(※当時、日本ではアブソリュート大会と呼ばれていた)、1997年11月に8人ワンデートーナメントを開いたことがあった。
ロシア、米国、ブラジル、ハンガリーなどのファイターが出場し、イゴール・ボブチャンチンがマーク・コールマンII世の異名を取ったニック・ヌターをグラウンドの頭突きで破っているが、イスラエル人ファイターの出場はなかった。
イスラエルのMMAファイターといえばUFC10でマーク・コールマン、UFC14でマーク・ケアーに敗れたモーテ・ホレスタインの名前を憶えているファンもいるだろう。イスラエル軍出身で、クラブマガならサバイバル術のジムをフロリダやNYに開いていた彼は、2000年まで現役MMAファイターとして活躍し、その後もISKAキックや散打の大会に出場し続けてきた。
そのホレスタインがレフェリーを務める今大会は、12試合で7人のイスラエル人ファイターが出場する。ロイ・ニーマンはトリプルメインベントの一角でフランク・トリッグと対戦するが、現在2連敗中のトリッグといえどもキャリア3勝4敗のニーマンにとっては厳しい対戦相手といえる。
このほかDynamite!! USAに出場経験のあるエド・パリエンテ、そのパリエンテには敗れているホイラー・グレイシーの黒帯モシェ・ケイツあたりが、現在のイスラエルMMA界のトップファイターといえるだろう。無名の米国人ファイターと戦うパリエンテはともかくとして、引退を撤回したものの、連敗中のエルミス・フランカとどこまでやり合えるのか――。
ジェフ・モンソン、シュメトフ兄弟、ソクジュなど、やや微妙なビッグネームたち。2週間前にアブダビでKO負けを喫しているソクジュの出場など、安全管理も気になるところだが、歩み始めたばかりのイスラエル人MMA界にあって、このようなビッグイベントが開催されることで、今後の発展につながるような大会になってほしいものだ。
■IFC Genesis対戦予定カード
<ヘビー級/5分3R>
ジェフ・モンソン(米国)
セルゲイ・シュメトフ(ロシア)
<ミドル級/5分3R>
フランク・トリッグ(米国)
ロイ・ニーマン(イスラエル)
<ライトヘビー級/5分3R>
リコ・ロドリゲス(米国)
ダニエル・タベラ(スペイン)
<ライト級/5分3R>
エルミス・フランカ(ブラジル)
モシェ・ケイツ(イスラエル)
<ライトヘビー級/5分3R>
ソクジュ(カメルーン)
ヴァルダス・ポチェビチュス(リトアニア)
<ライトヘビー級/5分3R>
ダニエル・グレイシー(ブラジル)
マルティン・ヴォイチク(イスラエル)
<81キロ契約/5分3R>
ショニー・カーター(米国)
ジェレミー・クナフォ(イスラエル)
<ライト級/5分3R>
ファブリシ・リコノー(フランス)
チアゴ・ミレー(ブラジル)
<ライトヘビー級/5分3R>
アレッシャンドリ・セコーニ(ブラジル)
ヴィタリー・シュメトフ(ロシア)
<ライト級/5分3R>
イド・パリエンテ(イスラエル)
ジョシュア・ヒューレット(米国)
<ライト級/5分3R>
マルク・バージャー(イスラエル)
アコップ・ステバニアン(アルメニア)
<ライト級/5分3R>
ヴィタリ・クルブルスキー(イスラエル)
セルボフ・ミナシアン(ロシア)