【DEEP121】格闘技経験ゼロ・指導者がいないジムから生まれた超新星――相本宗輝とは何者なのか?
【写真】格闘技歴は約3年、一人で練習する日もあるという相本だが、そこには強くなるための意識の高さがある (C)TAKUMI NAKAMURA
16日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP121 Impactにて、相本宗輝が五明宏人と対戦する。
Text by Takumi Nakamura
相本はプロデビューから5戦5勝(4KO)の快進撃を続け、注目の新星としてクローズアップされる選手だ。しかし格闘技のバックボーンはなし、20歳のときに仲間内でトンネルや公園で格闘技を始め、今現在も指導者やトレーナーがいない環境で練習を続けているという。
「やることをやって、毎日毎日練習を積み重ねていけば、どんな環境でも勝てる。環境を言い訳にはならない」。そんな信念のもとで戦い、そして勝ち続けてきた相本に話を訊いた。
格闘技経験なし、3年前に仲間たちとトンネルや公園で練習を始めた
――相本選手が専門メディアの取材を受けるのは今回が初めてですか。
「そうですね。よろしくお願いします!」
――基本的なことからお聞きしたいのですが、相本選手はいつから格闘技を始めたのですか。
「3年前に仲間たちでトンネルとか公園で練習を始めたのがきっかけです」
――何か格闘技のバックボーンがあるわけではないのですか。
「はい。それまで格闘技は何もやってないですね。野球とバスケはやってたんですけど、自分は頭が悪かったんで、弱小校で人数もいないなかでやってたって感じです」
――格闘技は昔から好きだったのですか。
「男として強くありたかったんで格闘技そのものは好きだったし、アウトサイダーとか地下格闘技を見るのは好きでした」
――やんちゃだった時期もあるのですか。
「悪さをしたかしてないかで言ったら…ちょっとはしてました(笑)」
――なるほど(笑)。では格闘技を始めたのはつい最近なんですね。
「社会人になってスポーツを始めるときに、団体競技は人数を集めるのが大変じゃないですか。それもあって人数が少なくても練習できる格闘技だなと思いました」
――ジムに入ろうとは思わなかったのですか。
「探してはいたんですけど、みんなで集まって練習するのが楽しかったので、それで続けていた感じですね。ただ鹿志村仁之介が中学校からの知り合いで、アイツがプライベートジムを始めたんですよ。その流れで自分らもそのジムで練習させてもらっていました」
――相本選手の試合を見ていて、なにか格闘技のバックボーンがあると思っていたので、この話はとても驚きました。
「仲間内で練習を始めたので、自分らには指導者もいなくて、みんな独学でやってるんですよ。鹿志村もしばらくしたら東京に行っちゃったんで、鹿志村から色々教わっていたのも最初の1年半くらいで。それ以降はまた自分たちで練習するような感じです。鹿志村のジムは弟さんが引き継ぐような感じで『いつでも使っていいよ』と言ってくれていたので、練習場所としては使わせてもらっています」
――そうだったんですね。
「ただ格闘技をやっていると色んな人たちとつながりが出来て『今度うちに練習に来てもいいよ』と声をかけてもらうようになって。水と土は出稽古に行かせてもらいつつ、平日は一人で練習するか仲間たちと練習するか、ですね」
――一人で練習することもあるのですか。
「そうですね。試合が決まるって追い込み用の練習を始めると、他のメンバーが練習についてこれないので、そういう時は一人でウエイトをしたり、サンドバックで追い込んだり、出稽古にいける日に昼と夜で出稽古先をはしごして…という感じです」
――格闘技を始めた時からプロを目指していたのですか。
「自分も格闘技を始めて自信があったんですけど、初めて鹿志村と練習した時に寝技でボッコボコにされたんですよ。そこから格闘技にはこんな強いヤツがいるんだと思って、誰にも負けたくないと思って出稽古に行き始めたり、プロを目指してやるようになりました」
――プロデビュー後は5戦5勝(4KO)と無敗が続いていますが、それが自信にもなっていますか。
「それは昔からですよ。運動には自信があるし、むちゃくちゃ負けず嫌いなんで。あとは自分も無敗で来たんでトップの選手たちとやっていきたいです。それは常に思ってます」
自分に勝つことをテーマに練習して、試合になったら何も考えずに楽しんでやる
――トレーナーや指導者がいない中で、どうやって練習しているのですか。
「まずは絶対に自分に負けないこと。最初に話したみたいに、自分は弱小校でスポーツをやってきたから、こういう環境には慣れているんですよ。だから毎日毎日自分に勝つことをテーマに練習して、試合になったら何も考えずに楽しんでやる。そういうスタイルですね」
――例えば参考にしている選手はいるのですか。
「特にはいないですね。自分は色んな選手や試合のフィニッシュシーンをSNSで見るのが好きで、そのなかで『この技使えそうだな』というのがあったら、それを見様見真似で練習して…です。一人で練習するときもサンドバックですごく細かいところまで意識してやって、体が覚えるまでやり込む感じです」
――それを試合で出せているわけですか。
「あんまり試合のことは覚えてないんですけど、あとで映像を見直して『俺こんなこと出来てたんだ』と思うことはありますね」
――対戦相手の五明選手にはどんな印象を持っていますか。
「伝統派空手出身で踏み込みが早い、打撃が強い選手なので楽しみです」
――五明選手はJTT所属で、相本選手とは違ってトレーナーや練習仲間に恵まれている練習環境に身を置いています。そういう選手には負けたくないですか。
「そこは思いますね。今の時代、環境どうこう言われるじゃないですか。でも環境は言い訳にはならない。自分はこういう環境でやっていて、やることをやって、毎日毎日練習を積み重ねていけば、どんな環境でも勝てるんだぞってところを見せたいです」
――どういう試合をお客さんに見せたいですか。
「やっぱり会場を盛り上げたいです。フィニッシュして勝って、自分がやってきたことをすべて出したいです」
――相本選手の格闘家としての目標は何ですか。
「みんなに夢を与える選手になりたいですね。見ている人が何かをやる原動力になりたいです」
――DEEPからRIZINに出る選手も多いですが、相本選手もそこは意識していますか。
「もちろん。僕の目標はUFCのベルトなので、そこまで突き進みます!」
■DEEP121 視聴方法(予定)
9月16日(月・祝)
午後5時35分~U-NEXT、YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、サムライTV
■DEEP121 対戦カード
<DEEPバンタム級王座決定戦/5分3R>
福田龍彌(日本)
瀧澤謙太(日本)
<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 江藤公洋(日本)
[挑戦者] 野村駿太(日本)
<メガトン級/5分3R>
水野竜也(日本)
大成(日本)
<フライ級/5分2R>
KENTA(日本)
渡部修斗(日本)
<フライ級/5分2R>
関原翔(日本)
杉山廣平(日本)
<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
相本宗輝(日本)
<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
谷岡祐樹(日本)
<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
鹿志村仁之介(日本)
<ストロー級/5分2R>
多湖力翔(日本)
中務修良(日本)