【UFC121】混迷ヘビー級、新王者ベラスケス誕生!!
■第11試合 UFC世界ヘビー級選手権試合/5分5R
[挑戦者]ケイン・ベラスケス(米国)
Def.1R4分12秒/TKO
[王者]ブロック・レスナー(米国)
試合開始早々、飛び込んで組みついたレスナー。受け止めたベラスケスが連打を放つと、レスナーはなんとフライングニーを見せる。打ち合いのなかで、互いに拳を当て、ここでレスナーがテイクダウンに成功する。
すぐに立ち上がったベラスケスをケージに押し込み、テイクダウンの機会をうかがうレスナー。ダブルレッグでベラスケスを倒すが、ジャンプするように立ち上がり、胸を合わせたベラスケスは、頭を入れ替えバックに回ると、亀の態勢のレスナーにパウンドを落としていく。
立ち上がって向き合ったレスナーはパンチを振るうが、ベラスケスの方がスピード&精度に勝っている。そんなベラスケスのパンチを嫌がるように、テイクダウンを狙ったレスラーだが、顔面を右で打ち抜かれる。と、その巨漢がまるで綱渡りのロープから転げ落ちそうな千鳥足となり、バランスを保てない。
ベラスケスはここでレスナーにヒザを見舞うと、チャンピオンは前方に崩れ落ちる。間髪入れずパウンドをベラスケスが加えると、ケージを蹴るような形になったレスナーから距離を取り、さらに拳を落していく。
ベラスケスはガードを取り直したレスナーから、ニーインザベリーを奪い、パンチ、エルボーと猛攻を仕掛ける。自らニーインザベリーを解いたベラスケスに、レスナーがシングルを仕掛けたが、立ち上がったベラスケスは、さらにパンチを繰り出し、前方に逃れるようにヒザをついたレスナーに対し、鉄槌を集中させる。と、ついにレフェリーが試合をストップし、ベラスケスが新UFC世界ヘビー級王座に輝いた。
「5R戦う準備をしていた」というベラスケスは、ほぼノーダメージ。打撃戦もそうだが、テイクダウンされた後の処理、対応がヘビー級とは思えない速さで、体格差を跳ね返した。一方、前世界王者は、それでもブーイングを送る観客に対し、苦笑いを浮かべ「彼はグレート・ファイターだ。おめでとうといいたい。キャンプは良かった。何て言えばいい?彼が俺より強かったんだ」と、非常に謙虚な敗者の弁を残した。
レスナー政権も3度目の防衛で崩壊、さらに混迷の度を増すヘビー級戦線。スピード&反応という新しい時代の到来を見せたベラスケスの王座奪取だった。