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【UFC ESPN60】Road FCフェザー級王者~RTU~UFC、イ・ジョンヨン「自分で言うのもなんですが……」

【写真】この拳が、強くて硬い。キム・スーチョルと1勝1敗のパク・ヘジンを僅か10秒でKOしているイ・ジョンヨンだ(C)MMAPLANET

20日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC on ESPN60「Lemos vs Jandiroba」が開催され、イ・ジョンヨンがハイダー・アミルとUFC2戦目を戦う。
Text by Manabu Takashima

右肩上がり時代のRoad FCでデビュー。キャリア7戦目で、当時のK-MMA界で最も完成度が高かったとされるチェ・ムギョムを下しフェザー級王者に。アンチUFCの急先鋒と目されていたジョン・ムンホン代表率いるRoad FCで成功を収めながら、イ・ジョンヨンは常にUFCファイターになることを夢見ていたという。

そんなイ・ジョンヨンに初インタビューすると、自信に満ち溢れた言葉が続いた。


Road FCのチャンピオンになれたことは、今も自分の誇りです

──オクタゴン2戦目が今週末に迫ってきました。今の調子はいかがですか。

「過去最高のコンディションで、今回の試合でも自分がUFCでしっかりと戦っていけることを証明したいと思います」

──イ・ジョンヨン選手の試合は、実はRoad FCのYoung Guns出場時からフォローさせてもらっていたのですが、初めてインタビューする機会を得ることができました。2014年にRoad FCでプロMMAデビューをしましたが、MMAを始めたきっかけは何だったのでしょうか。

「8年間、テコンドーの練習をしてから柔術を始めました。MMAを戦うようになったのは、世界最強の人間になりたかったからです。それが自分の夢であり、浪漫でした。誰かの影響を受けてそういう人間になったのではなく、もともとそういう想いを持っていました。

そしてUFCファイターになること、それが最強の人間になる道だと思いました。一歩一歩キャリアを進むことができて、UFCファイターになれました。Road FCで戦っていた時から、凄く恵まれたキャリアを送ってきたと思っています」

──Road FCは韓国の巨大独立王国のようなプロモーションです。対して、UFCを目指すのであればTOP FCという選択もあったかと思うのですが、なぜRoad FCだったのでしょうか。

「Road FCしか選択肢がなかったのが、正直なところです。自分はRoad FCのアマ大会でキャリアをスタートさせたので、そのままRoad FCでデビューをしました。当時、TOP FCはアマチュアの大会を開催していなかったので。そしてRoad FCからRoad to UFCを戦い、UFCと契約ができました。Road FCのチャンピオンになれたことは、今も自分の誇りです」

──とはいえ、UFCファイターになることが夢というのは、Road FC時代は口にできなかったのではないですか。ジョン・ムンホン代表はアンチUFC的な発言が多かったですし。

「正直にいえば、本音を隠さないといけなかったです(笑)。指摘されたようにジョン・ムンホン代表は、そのような言動を好んでいなかったので。

と同時にRoad FCは最高のホテルをファイターに用意し、イベントの規模も大きかったです。記者会見やビデオ撮影、公開計量というファイトウィークもあります。UFCで戦う準備となる経験をさせてもらったと思っています。プロファイターの基盤をRoad FCで創ることができました」

──キャリア7戦目で、チェ・ムギョムを破りフェザー級王者になりました。個人的にチェ・ムギョムはイ・ユンジュンと並び韓国でも最もファイトIQが高いファイターだと思っていたので、あの勝利は正直驚かされました。

(C)ROAD FC

「あの試合までの自分は、虎は虎でも子供の虎のようなモノでした。

本当の自信を持ち合わせていなかったです。あの試合の時は、ただRoad FCのチャンピオンになりたくて戦っていました。結果的にあの試合がRoad FCで一番思い出に残るファイトになりましたし、本物の自信を手にすることができたと思います。自分のキャリアのなかで、本当に大きな意味を持つ勝利です」

──そのようにキャリアを振り返ることができることも、素晴らしいですね。

「先ほども言いましたが、Road FCフェザー級王者になったことは自分の誇りです。ただコロナ禍になり、Road FCが活動を休止し2年ほど戦う機会がなかったです。あの時、契約も切れるタイミングだったのでUFCで戦いたいという気持ちに従うことにしました」

──そして土曜日に、ハイダー・アミルとUFC2戦目を戦います。

「どの局面でも、彼が自分を倒すような力はないです。100パーセント、フィニッシュします」

──イ・ジョンヨン選手は真っ向勝負の打ち合いができるなかで、カウンターショットのタイミングが素晴らしいです。それも踏込みに合わせて打つだけでなく、バックステップで呼び込んでカウンターを打ち込むことができます。

「自分で言うのもなんですが、距離をコントロールする能力とタイミングを合わせる素質があるのだと思います。踏み込んでカウンターを合わせるのも、下がって打つのもどちらを好むということはないのですが、まずはプレッシャーをかけて相手が出てくるなら、ステップイン。相手が距離を取るようなら、誘い込むように動いてカウンターを入れます」

──今大会は3人の韓国人先輩UFCファイターが出場しており、母国での注目度も一際高いと思われます。そのなかで、ファンを驚かせる自信はどれだけありますか。

「自分は韓国のライジングスターです。ファンの期待に応える試合をします。皆がエキサイトする戦いを見せる自信は十分にあります。

今、日本のUFCファイターも凄く良い試合をしています。彼の活躍は自分にモチベーションを与えてくれています。いつか日本で練習をしたいですし、もちろん日本で戦いたいです。その時は日本のファンにアジアのファイタ―の強さを示したいと思っています」

■視聴方法(予定)
7月21日(日)
午前6時00分~UFC Fight Pass
午後5時45分~U-

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