【ONE FF61】未知強エジエフ戦へ、後藤丈治「未来の自分に感謝される選択」「ツイスターから新技2つ」
【写真】リスクがありまくる、エジエフ戦へ。昨年の狩野優のONE FF挑戦といい、これがTRIBE魂だ(C)ONE
3日(金・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FF61に後藤丈治が出場し、イリアス・エジエフと対戦する。
Text by Manabu Takashima
RIZINで連勝した2023年、その後藤がONE FFで7カ月振りの実戦を戦う。なぜ、ここでONE──しかもFriday Fightsなのか。未知強を求める、強さを追求する後藤の意気込みと自身の程を訊いた。
──今回、後藤選手がONE FFで戦うことを全く把握できていなくて、計量当日のインタビューとなり申し訳ありません(※取材は2日に行われた)。
「いえいえ、ありがとうございます」
──昨年10月にRIZIN LANDMARKで日比野”エビ中”純也選手にオタツイスターで勝利。あれから半年以上を経て、ONE FFで戦うようになったのは? ケガなどがあったのでしょうか。
「いえ、体は何も問題なかったです。ずっと次の試合の準備をしてきました。シンプルにRIZINでは自分の試合が組まれないという状況が続いたということです」
──一本勝ちをして、「なぜだ」という気持ちは?
「めちゃくちゃありました(笑)。勝ち方だけじゃダメなのかと。大晦日に秩父の山間でキャンプをし、年越しを過ごしながらRIZINを視ていたのですが、名実揃わないとダメなのかとかチョット思いました」
──本来は強さが一番尊重されるべきですが……。TRIBE勢はSNS等で自己アピールという選手がほぼ見られないですよね。一番、主張をされているのが長南亮代表かと思うぐらい。
「長南さんが一番主張してくれています。そうですね……SNSの活用というのは、表層的にはそうかもしれないです。自分が強くなりたいのか。強さとは何かと考えていることなんか、自分の考えを言葉で表していくべきかと考えました」
──では試合がなかった期間、他の国内プロモーションで戦うという選択はなかったですか。ONE FFの現状で自身をアピールできる場なのか。正直、MMAPANETでは単に海外で試合をすることに価値を置いていません。このメディアとしての意思は最近、明確に再確認できたことです。海外での試合は最強を目指すための挑戦、どの道程の場であるという考えで、国内である程度の結果を残して挑む選手達を追わせて欲しいと。
「今回、ONE FFで戦うことを決めたのは──結論として、未知強がいる場所だからです。できるなら、より高見を目指したい。RIZINで強い選手と戦うことができなければ、海外で戦うことを望んで待っていました。ぶっちゃけ日本のファンも知らないまま試合をして、ちょっと稼いで帰国する──そんな選手もいるかと思います。でも、それは自分では良しとしないので。
RIZINで次の機会を待つという選択肢もありましたが、それだと6月、7月がなくて夏過ぎになるかもしれない。一方でONE FFは直ぐに試合ができるけど、相手は未知強でレコードを汚すことになるかもしれない。この2つの選択肢があった時に、後者の方が未来の自分に感謝されるんじゃないかと。挑戦したことを感謝されるんじゃないかと思ってONE FFを選びました。強くなるため……そして、外を知らないと何も語れないと思って挑戦させてもらうことに」
──ここから先というのは? ONE本戦を目指すのか、ここで勝って名前を挙げることを優先したのか。
「今回の試合は後者の意味合いが強いです。ここで勝って、次を選ぶ権利を持ちたい。なので単発の契約になっています。優先交渉期間は設けられていますが、長期契約ではないです」
──そこはONE本戦も含め上を目指すと選手と、ONEとWIN WINの関係で良いですね。
「試合ができないのに縛りが長くなることは避けようと、長南さんが話してくれました」
──そのなかでベラルーシ国籍のイリアス・エジエフと対戦します。まぁデカいし弱いわけがないという相手かと思います。
「ずっと圧を掛けて、打撃も組みも使う選手です。組みの展開にも十分になると思います」
──つまりはこの間に培ってきたモノが、全局面で問われる対戦相手だと。
「その通りですね。間違いないです。そういう相手だからこそ、ラスト1秒までフィニッシュを狙います。正直、打撃でも組みでも戦えると思っています。確かに相手の方がデカいですし、パワーもあるはずです。でも、自分の拳はソレを越えます。向うも貰うと分かるはずです。しっかりと当てたいと思います」
──後藤選手も含め、日本のMMAファイターの打撃が欧米列強と相対した時に質量が落ちないか。殴られても、「なんでもないわ」と立ち向かってくる相手に、通用するのかをMMAPLANETでは命題として見させてもらってきました。
「ホント、祖根寿麻戦(2020年4月17日)の時からずっとその指摘をしてもらってきていましたよね(笑)」
──MMAだから打ち合う必要はない。テイクダウンに転換していくのもMMAという前提がありながら。またオタツイスターという必殺技も備えた後藤選手の総合力にも期待しています。
「(和田)竜光さん直伝の技なので。さっきも言ったように拳一発で倒すこともできる。それを証明する試合であり、組みの展開になってもオタツロック・ツイスターがどこまで通用するのか試金石となる試合です。ツイスターに関しては、あの形から自分で編み出した技が2つほどあるので──そこも機会があれば、披露したいと思います」
──押忍。メチャクチャ楽しみです!!
「ありがとうございます。宜しくお願いします」
■放送予定
5月3日(金・日本時間)
午後9時15分~U-NEXT