【The Shooto Okinawa10】メインで根井博登を迎え撃つ当真佳直「無敗の新人を圧倒して勝ちます」
【写真】プロデビュー戦は沖縄大会だった根井と対戦する、沖縄メインイベンター当真(C)SHOJIRO KAMEIKE
13日(土)、翌日に沖縄市上地のミュージックタウン音市場で開催されるTHE SHOOTO OKINAWA 10の計量が行われ、メインで根井博登を迎え撃つ当真佳直が一発でクリアした。
Text by Shojiro Kameike
ここまで2連敗を喫したこともあった。しかし沖縄で着実に、諦めずに戦ってきたことでランキング的にもベルト挑戦が目前というポジションにいる。そんな当真が迎え撃つのは、現役高校生で2023年度新人王の根井だ。決戦前日、計量後に当真が根井戦について、さらに盟友である同級1位と旭那拳と、修斗ストロー級のベルトについて語ってくれた。
――当真選手が沖縄大会のメインを務めるのは、今大会が4度目となります。
「はい。前回のメイン(2020年11月、マッチョ・ザ・バタフライに判定勝ち)は微妙な試合でした。その点については自分でも考えて、今回はちゃんとフィニッシュするか、圧倒的な差をつけて勝ちたいです」
――マッチョ・ザ・バタフライ選手との初戦は正直なところ、内容的には押されていた末、相手の計量失敗があったことも影響して当真選手の判定勝ちとなりました。そのぶん昨年11月の再戦では絶対に決着をつけるという気持ちは強かったですか。
「そうですね。初戦は――練習ではうまくいっていても、試合では出せないものがあるんだなって思いました。たとえば練習では相手にバックを奪われても逃れることはできるんですけど、試合になると相手も必死だし、全力でキープしてきますよね。だから、そもそもバックを取らせない。その点を徹底していれば勝てる。
あとは自分のギロチンに対して過信していたところもありました。ただただギロチンを取りにいくのではなく、要所要所で使っていく。それがうまく行けば勝てるだろうと思ったんです。再戦ではギロチンこそ狙わなかったけど、作戦を徹底して完封できました」
――まさに正面からの強さこそが当真選手のスタイルだと思います。
「自分のスタイルは、まず相手の打撃にテイクダウンを合わせて、トップをキープしながら削って勝つこと。もちろんフィニッシュしたいですが、そこはまだ足りないところがあるかなって思います。でも練習の中ではフィニッシュする力もついてきているし、打撃も含めて全局面で戦える力はついてきました。あとは練習の試合の差を埋めることが大切で。それがいつも反省点であるけど、今は自信もあります」
――現在、修斗ストロー級ではランカー同士の潰し合いが繰り広げられています。その中でご自身の立ち位置については、どのように考えていますか。
■2023年~2024年 修斗ストロー級 主な試合
【2023年】
3月19日
安芸柊斗 def 澤田龍人 by TKO
4月16日
ザ・タイガー石井 def. 旭那拳 by 2-0
当真佳直 def. 大城正也 by 3-0
5月22日
阿部マサトシ def. 木内SKINNY ZOMBIE崇雅 by 2-0
5月28日
畠山隆弥 draw 泰斗 by 1-0
6月18日
田上こゆる def. ザ・タイガー石井 by TKO
7月23日
新井丈 def. 安芸柊斗 by TKO
※新井が王座防衛
11月12日
旭那拳 def. 泰斗 by 3-0
当真佳直 def. マッチョ・ザ・バタフライ by 3-0
畠山隆称 def. 蒔田伸吾 by TKO
【2024年】
1月28日
根井博登 def. 麻生Leg Lock祐弘 by 1R TKO
※根井が2023年度ストロー級新人王に
3月23日
旭那拳 ― 田上こゆる
※旭那の負傷により中止に
4月7日
黒部和沙 def. 澤田龍人 by 変形ツイスター
【試合予定】
4月14日
当真佳直(4位) × 根井博登
畠山隆称(6位) × 牧ケ谷篤
5月26日
泰斗(8位) × 石原愼之介
「今、僕はランキング4位です。まず2位の黒澤亮平選手はパンクラスに出ていて、次はタイトルマッチじゃないですか(4月29日にリトルと暫定ストロー級王座を争う)。次に3位の安芸柊斗選手は、MMAPLANETのインタビューで『フライ級に転向する』と言っていましたよね。あとはチャンピオンの新井丈選手もフライ級で戦うために、メチャクチャ体が大きくなっていて。僕も新井選手への挑戦を見据えていましたが、見ていると新井選手はもうストロー級に落とすのは無理なんじゃないかな、と思うこともあります」
――ということは、1位の旭那拳選手と……。
「そうなるかもしれないですよね。旭那選手の怪我で中止になりましたけど、3月に田上こゆる選手の試合が組まれていて。ここで旭那選手が勝ち、次に僕が勝てば対戦することになっていたかもしれない。その可能性は、まだ残っています。ただ――複雑な気持ちです」
――……。
「練習仲間で、いろんな技術を教わることもあります。プライベートで一緒に遊びに行くこともあります。正直なことを言えば、対戦したくないですよ。でもお互いに一番を目指しているなら、いつか戦わないといけない日が来る。それは分かっています」
――同じ階級の練習仲間で、しかも近い存在であればあるほど心境は複雑でしょう。しかし松根良太さんが修斗沖縄大会を始めて、今回で10回目を迎えます。その結果として、沖縄在住ファイター同士がベルトを賭けて戦う日が来たら、それは喜ばしいことでもあるかと思います。
「僕と旭那選手が戦うなら、沖縄大会でタイトルマッチをやりたいです。松根さんも、そう願ってくれていると思っています」
――そうしてランカー同士の潰し合いが繰り広げられるなかで、根井選手のように新人王トーナメントを制したばかりの新世代が絡んでくるとは思いませんでした。
「僕はそうなると思っていましたよ。根井選手は新人王トーナメント決勝の前から注目されていて、僕はすぐに対戦する日が来るだろうと思っていました。それだけ根井選手は強いし、特に新人王を獲った時に『次は自分だろうな』と。勘でしかなかったけど」
――しかし、ここまで上位陣が潰し合いをして、自身が勝ち残った。そこで新人が来るのか……とは考えなかったですか。
「そういう考えはないです。どんどん新しい選手が出てきてほしいですね。根井選手もそうだし、澤田龍人選手に勝った黒部和沙選手とか。どんどん入ってきて、どんどんランキングを動かしてもらいたいと思います」
――今のところ旭那選手と田上選手の試合については、5月19日のニューピアホール大会にスライドできるよう調整中と発表されています。また、王者である新井丈選手の動向次第でもありますが、当真選手にとって今回の試合はタイトルマッチ前哨戦だと思いますか。
「その気持ちはあります。新井選手か田上選手が相手なら後楽園ホールでも良いけど、旭那選手と対戦するなら、やっぱり沖縄が良いですね。どちらにしても、今回はタイトルマッチ出場をアピールできるよう、しっかり勝ちます。
自分としては、まず修斗のベルトを巻くために着実に進んできました。正直、2連敗した時は『自分はこんなモンなのか……』と考えた時もあります。でも、あの連敗からココまで来ました。もうあの時の自分とは違います」
――2連敗した時と今の自分では、何が違うと思いますか。
「打投極、全てが進化しています。それと――2連敗した時は、一気に攻め込んでダメだったら『もうダメだ……』という気持ちになっていました。でも今は、試合で劣勢になっても、諦めなければ必ずチャンスは来ると考えるようにしています」
――それこそ砂辺イズムなのかもしれませんね。とある試合で砂辺選手がダウンを喫した時、過去の試合ぶりから『ダウンを跳ね返して勝つんじゃないか』と直感的に思いました。
「えぇ、そうなんですか」
――結果はKO勝ち。試合後に聞いたところ、セコンドの勝村周一郎さんも砂辺選手がダウンした時に「勝った!」と思ったそうです。砂辺選手としてはダウンを喫してからのほうが強いのかもしれませんが、最後まで諦めない気持ちというのは理解できます。
「その話を聞けて嬉しいです。今回の相手は高校生で、パワーは僕が勝っていると思います。でも無敗の人間が、絶対に何か持っている。何かあるから無敗なので。だから『高校生だから勝てる』なんて考えていません。無敗だから何か持っているはずだけど、自分としてはこれまで負けたことがあるから分かるものがあると思っています。明日は、そんな無敗の新人を相手に圧倒して勝ちます」
■視聴方法(予定)
4月14日(日)
午後2時25分~ Twit Casting LIVE
■ THE SHOOTO OKINAWA10対戦カード&計量結果
<ストロー級/5分3R>
当真佳直:52.04キロ
根井博登:51.80キロ
<フェザー級/5分3R>
内藤太尊:65.52キロ
宇藤彰貴:65.62キロ
<ストロー級/5分2R>
畠山隆称:52.10キロ
牧ケ谷篤:52.04キロ
<ウェルター級/5分2R>
西條英成:76.92キロ
アイエティ・ケビン:76.80キロ
<フェザー級/5分3R>
南風原吉良斗:65.62キロ
メイヘム和成:65.24キロ
<ストロー級/5分2R>
木村旬志:52.16キロ
大城匡史:52.14キロ
<ストロー級/5分2R>
ふじい☆ペリー:52.48キロ→52.20キロ
知名昴海:51.52キロ
<ストロー級/5分2R>
大田ノヒロ:52.14キロ
高橋佑太:52.20キロ
<2024年度新人王Tフライ級準決勝/5分2R>
松本ごだい:52.22キロ
小生隆弘:56.56キロ
<修斗トライアウトマッチ バンタム級/3分2R>
山本敦章:61.10キロ
武田昴大:60.90キロ
<修斗トライアウトマッチ フェザー級/3分2R>
藤崎陽平:65.32キロ
神田篤社:65.48キロ
<アマチュア修斗 女子スーパーアトム級/3分2R>
高田双葉:48.36キロ
徳本望愛:49.22キロ