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【DEEP OSAKA IMPACT2024#01】MANAと対戦、ストライカー栗山葵「攻めるためのレスリングも」

【写真】人柄とMMAの姿勢が伝わってくるかのような笑顔。次はヒョウ柄もお願いしますっ!!(C)SHOJIRO KAMEIKE

17日(日)、大阪市住吉区の錦秀会住吉区民センター大ホールで開催されるDEEP OSAKA IMPACT2024#01で、栗山葵がMANAと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

栗山は2022年からスタートしたDEEP JEWELSのフライ級トーナメントでは中井りんに敗れ、ベルトに届かなかった。しかし2022年以降の敗戦は中井戦のみで、現在は2試合連続KO中だ。その栗山に、明らかに変わってきたファイトスタイルと、所属するスモーカージムの変化について訊いた。


――栗山選手といえば、どうしてもタトゥーとヤンチャ時代のお話が多いですね。

「アハハハ、どうしても多くはなってしまいますね。私もそれで売っていきたい、というわけじゃないんですけど(苦笑)」

――確かにタトゥーは目立ちますが、そのために苦労も多いだろうとは思います。

「一番はお風呂ですね。私はお風呂が大好きなんですけど、やっぱり入れない銭湯は多くて。入れたとしても、他の人の視線は強いです。あとは冠婚葬祭の時に隠し切れないと困るとか――私としては『しゃあないわ!』と思っていますね。自分が選んだことですし」

――栗山選手が格闘技を始めたのは25歳の時で、その頃にもうお仕事にも就いていたのですよね。

「はい。建築の仕事に就いたのは17歳の時でした。2年生の時に高校を辞めていて」

――17歳から今まで現場のお仕事をされていると、管理職も経験しているのではないでしょうか。

「職長(※建設現場における責任者)もやっていました。ただ、本気でMMAに取り組むために、ここ1~2年はあまり現場には出ていなくて。

2021年2月、杉山しずかさんに負けたじゃないですか。あの試合はMMAを始めて1年ぐらいで、ホンマに悔しかったんですよ。MMAのことを何も知らずに、恥ずかしい負け方をして。もっともっとMMAをやりこまなアカンと思いました。私も当時26歳で、MMAとの向き合い方を考えるなら、これが最後のチャンスや――と」

――杉山戦の前と後では、どのような点が一番大きく異なりますか。

「気持ちの面は変わっていないです。やっぱりMMAの知識や技術の面では違いますよね。今5~6年MMAをやってきて、ようやく分かることもあるじゃないですか。『あの時あのレベルで、よう試合に出ていたな』とか思ったり(苦笑)」

――もともとサッカーをやっていた栗山選手がMMAでは立ち技主体のスタイルを選択した。それは所属するスモーカージムのスタイルも関係しているでしょう。ただ、その場合「盛り上げるために立ち技で、打撃で試合をする」と考えるファイターも少なくないです。

「はい、そうですね」

――一方でスモーカージムの場合は意識が変わってきたと思います。試合でテイクダウンされると、応援団から「立て! 立て!」と声が掛かる。その中には「お前は立たな勝たれへんぞ!」という声が混ざっていました。

「そのとおりです。勝つために、打撃で倒すために――その気持ちは同じやと思います」

――そのためにジムの練習もスタンドが中心となるのですか。

「2年前ぐらい前までは、練習もスパーリング中心でした。3~4時間ずっとスパーリングしているような……。その練習が変わっていったのは、(萩原)京平君がRIZINに出始めてからです。『もっと組みの練習をせな勝たれへん』って、チーム全体で組みの練習に取り組むようになりました。壁際の攻防はもちろん、寝かされてもすぐに立てるように」

――それはジムに組みの指導者を招くようになったのでしょうか。それとも出稽古ですか。

「私の場合は、まず出稽古でした。関西のジムもそうですし、東京でも練習させてもらっています。京平君も岸本泰昭さんに教わったり、その内容をスモーカージムに持ち帰って確認していますね。私はカルペディエム芦屋のプロ練習に参加させもらい、そこで知り合ったパンクラス稲垣組の北方大地さんにも、レスリングを教わるようになりました」

――カルペディエム芦屋のプロ練習に参加しているのですか。他に女性はいますか。

「サダエ・マヌーフさんが来てはるぐらいで、基本的に男の人ばかりですね。東京だと同じぐらいの体格の女子選手も多いじゃないですか。今の自分がどれくらい通用するのか確認するために、東京でも練習させてもらっています。

レスリングの練習をしていて、打撃面についても気づくことがありました。組まれた時にテイクダウンのディフェンスをする。でも、その時点ですでに後手に回っているわけですよね。それはディフェンスのことだけを考える状態になっていて。もちろんディフェンスしたあとに打撃を当てることがベストやけど、守るためのレスリングばかりを考えていてはアカンって思うようになったんです。攻めるためのレスリングも学ばないといけないっていう自覚も生まれてきて」

――確かにスモーカージムの選手の試合も変わってきたと思います。ケージに押し込まれた選手が差し返して、逆に投げを打つ場面もあります。しかし仰る通り、まずケージに押し込まれないために何をするべきか。栗山選手の場合は圧倒的に蹴りの数が増え、まず蹴りで相手を下がらせてからパンチを当てるようになりました。

「最近それをメッチャ言われるんですよ。戦い方を考えるようになったのは、去年2月に中井りん選手に負けてからですね。以前は打撃に自信があったとしても、組まれるのが怖いから後ろ重心というか……構えも腰が引けていて。だから弱いパンチしか当てることができませんでした。でもレスリングを教わることで組みにも自信がついて、より前に出ることができるようになったとは思います」

――大阪でもスコーピオンジムで女子選手が集まって練習するようになりました。

「スコーピオンジムは毎週土日に女子練習会が行われています。今は私もテイクダウンディフェンス、倒されないことを重点的に練習していますけど、これからはシフトチェンジも必要になってくるとは思うんですね。先ほども言ったとおり倒されないだけでなく、寝かされても立ち上がること。あるいは寝技の攻防をしながら立ち上がること、ですね。ただただ寝技の攻防を嫌がっていては勝てないと思うので。

たとえば須田萌里ちゃんと練習していたら、私のほうが体格も大きいし、力だけで抑え込めるかもしれないです。でも、それじゃダメなんですよね。彼女の柔術の技術は高い。だから彼女の技に対して、私も技で対応しないと練習にならないじゃないですか」

――確かに、そのとおりです。

「カルペディエムでも、背中を着かされてから立ち上がる練習もしています。最初に岩﨑(正寛カルペディエム芦屋代表)さんから言われたのは、『まずは何回も繰り返して練習すること。そうしないと寝技は身に付かない』と。それからずっと打ち込みから続けていて。

それでスモーカージムの練習も変わってきました。スパーは出稽古先でやらせてもらう。ジムでは打撃もミット、組み技も打ち込みが中心になって。そういうことがホンマに大事なんやなって思うようになりましたね」

――さらにスモーカージムの選手の場合は、1Rに押されていてもインターバル中に、松山誠代表に気合いを入れられて2Rから復活するという。

「アハハハ! (桑本)征希は特にそういうタイプですね。インターバルのあとは明らかに動きが違う(笑)。他の選手もそうですし、やっぱりジムのファミリー感であり、信頼感があると思います」

――なるほど。次はMANA選手という、まさに今スモーカージムで取り組んでいることを証明するための試合は組まれました。

「MANA選手が柔道出身で、まず組んでくる選手ですからね。それは今までの試合も同じなので、MANA選手対策というよりは自分のレベルアップのほうが重要だと思っています。柔道ベースの選手対策は、前回の齊藤百瑚戦からやっていて――BLOWSにも出稽古に行かせてもらっているんですよ。そこで柔道出身の方に『ここはこうしたら、相手はこう来る』みたいなことを教わって、シチュエーションスパーもやらせてもらっています。

DEEPジュエルスのフライ級トーナメントでは中井りん選手に負けて、ベルトには届きませんでした。あの時よりも強くなっている実感があるんです。それだけの練習をさせてもらっていると思うので。今大会のメインで試合をするDEEPジュエルス王者の松田亜莉紗さんをはじめ、大島沙緒里さん、本野美樹さんなど同年代の選手が活躍しているなかで、私も早く追いつきたいです」

■視聴方法(予定)
3月17日(日)
午後2時00分~DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、ツイキャス

■DEEP OSAKA IMPACT2024#01対戦カード

<女子フライ級/アマチュアSPルール 3分2R>
山口恵(日本)
中本飛鳥(日本)

<女子54キロ契約/アマチュアSルール 3分2R >
橋本葵(日本)
高橋沙羅(日本)

<女子アトム級/アマチュアSルール 3分2R>
セアリ(日本)
SAAYA(日本)

<ライト級/アマチュアSルール 3分2R>
中尾天丸(日本)
萩野王昇(日本)

<フライ級/5分2R>
綿谷誠(日本)
上谷章(日本)

<フェザー級/5分2R>
延命そら(日本)
藤田宇宙(日本)

<フライ級/5分2R>
井上暉也(日本)
飴山聖也(日本)

<バンタム級/5分2R>
江田塾長こうすけ(日本)
千種純平(日本)

<バンタム級/5分2R>
田中壱季(日本)
キャプテン禎(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
松田亜莉紗(日本)
マドンナ・ザ・ロケット(タイ)

<女子フライ級/5分2R>
栗山葵(日本)
MANA(日本)

<フェザー級/5分2R>
瀧口脩生(日本)
銀グラップリングシュートボクサーズ(日本)

<ウェルター級/5分2R>
鈴木琢仁(日本)
角野晃平(日本)

<バンタム級/5分2R>
上田直毅(日本)
MG眞介(日本)

<バンタム級/5分2R>
内山拓真(日本)
山﨑鼓大(日本)

<メガトン級/5分2R>
ステファン“スマッシュ”(フランス)
竹内龍吾(日本)

<女子45.5キロ契約/5分2R>
古林礼名(日本)
上瀬あかり(日本)

<女子ミクロ級/5分2R>
ジャカ季美香(日本)
こゆき(日本)

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