この星の格闘技を追いかける

【FIGHT&MOSH】岡見勇信、修斗での戦いへ─02─「格闘技は潰し合い。その本質を見失ってはいけない」

【写真】この試合のために格闘技の原点に立ち使えるような練習を続けてきた。(C)TAKUMI NAKAMURA

12月2日(土)東京都江東区にある豊洲PITで開催されるプロ修斗公式戦「MOBSTYLES presents FIGHT&MOSH」にて、岡見勇信がキム・ジェヨンと対戦する。
text by Takumi Nakamura

インタビュー前編では復帰の舞台として修斗を選んだ理由、その決断に至るまでの心境を明かしてくれた岡見。後編では“戦う”ことへの原点回帰、そしてジェヨン戦にぶつけるファイターとしての想いを語った。

<岡見勇信インタビューPart.1はコチラ


――そして岡見選手に用意されたジェヨンは極真出身、2004年からチーム・タックルでキャリアを開始したK-MMAのパイオニアで、韓国国内ではAngel’s FCとTOP FCでミドル級王座に就き、2018年にはロシアのACBにも参戦した猛者です。ファイトスタイルも前に前に出てくる選手で、まさに勇気を持って立ち向かわなければいけない相手です。

「最初にこの選手でどうですか?と打診されて、名前と顔が一致しなかったんですよ。でも試合映像を見たら、ああ、あの選手か!と。メルヴィン・マヌーフともやっていますし、韓国人選手らしいタフでガツガツ前に出る真っ向勝負する選手なので、いい相手を用意してもらえたと思います。今の自分にとって最高の相手ですね」

――この一戦に向けてどんなことを意識して練習してきたのですか。

「ンサン戦を振り返ると、ファイターとしての気持ちの部分が欠けていたと思います。どうしてもキャリアや年齢を重ねると、小手先の技術でかわしてしまうというか。あまりダメージをもらわずに勝つような動きをしてしまいがちなんですよね。自分としてはそんなつもりはなかったんですけど、ンサン戦はどこかしらにそういう気持ちがあったんだと思います。久々の試合ということもあって、ンサン戦の前は潰し合うようなスパーリングは控えていたし、その時はそれが正解だと思って120%費やしたんですけど、結果・内容ともに『これじゃダメだよな』ということが明らかになりました。

あれから1年、自分が“戦う”のであれば、どういう練習をすればいいのか。どんなコンディションを作ればいいのか。それをもう一度考え直しました。やっぱり格闘技は潰し合いだし、どれだけ相手にダメージを与えるか、どれだけ恐怖を与えるか。それがあった上での技術や戦術だと思うんですよ。そういう格闘技の本質を見失ったらいけないし、そこから逃げるんだったら格闘技をやる意味がないということがはっきり分かったし、今回は自分を追い詰める、ダメージを与えることもあればダメージを受けることもある、そういう覚悟を持って試合に近い練習を若手たちとやってきました」

――戦うことへの原点に立ち返る練習ですね。

「それこそ若い時はスパーリングが恐怖だったし、憂鬱だったし、練習行きたくないと思ったし(苦笑)。でもそういう練習をやらないと…ですよね。僕が4年前にATTポートランドに練習に行ったとき、毎週土曜日がハードスパーリングだったんですけど、コーチから『金曜日は練習するな。そんなことはやらずに土曜日のスパーリングに集中しろ。土曜日のスパーリングの内容ですべて評価する。そのくらいの気持ちを持って土曜日に臨んでくれ』と言われるですよ。ようは土曜日のハードスパーリングが試合と同じだと」

――一週間の練習の中にもあえて試合と同じピークを設定する、と。

「スパーの出来が悪くて『疲労が溜まっているから動けなかった…』は許されないし、そのくらい土曜日のハードスパーに集中して、変な言い訳をするなと。だから試合が決まっている選手は試合と全く同じで、土曜日の試合のために一週間のメニューや強度を考えるんです。自分も今回はそういう練習を取り入れてやってきました。ある意味、年齢的にも今の自分にはそれが合っていますし、一週間の中で練習の山を作って、いい準備ができました」

――今は目の前の試合がすべてだと思いますが、どんな試合をしたいですか。

「本当に今回は先のことを考えていなくて、12月2日の自分がどうなんだ?と。ここまでやるべきことはやってきて、どんな結果になっても後悔しないというファイトキャンプを送ることが出来ました。だからここからは気持ちですね。19日の修斗で宇野さんの試合を間近で見て、対戦相手側でしたけど、すごいものを見させてもらったし。他の仲間たちの試合もそうですけど、色んなものを見て自分に還元できているので、あとはその気持ちを試合にぶつけます。それがどうなのかは試合をやれば分かることなので」

――前回の修斗で試合後にケージを出た宇野選手に声をかける岡見選手の姿が印象的でした。

「宇野さんの戦う姿を対戦相手のセコンドとして見ることになるなんて思ってもいなかったです。僕が慧舟會に入った時から宇野さんはスターで、僕が道場にいった初日に宇野さんがスパーリングしてくれたんですよ。その時のうれしさや感動は今でも忘れないし、そんな宇野さんと教え子のオーディンが戦うことになって、それをこのタイミングで見るという部分にも感じるものがありました」

――それでは最後に岡見選手の試合を楽しみにしているファンにメッセージをいただけますか。

「久々の日本の試合、修斗という舞台に上がれることをうれしく思います。今振り返るとコロナ禍になり、守りに入っている自分がいました。正直ONEの日本大会の時でも、自分の精神状態は終わりに入っていて、心も体も尽きていたんです。でもそこでもう一勝負したいと思い、アメリカに練習に行って、そのなかでミドル級に戻して戦おうという想いを持って 帰ってきました。

守りに入っている自分が嫌で、戦っている仲間たちを見て自分も前に出なきゃ、勝負しなきゃと思ってンサンと戦ったのに、結果・内容ともに不甲斐ないものになって……あの時に辞めようと思いました。でも心のなかで、まだ自分が勝負していない・逃げていると思って、1年間で時間をかけて自分を作ってきました。本当にその総決算、今の岡見勇信をすべて出せるところまで持ってきたので、そんな自分を間近で見てもらえたらうれしいです」

PR
PR

関連記事

Movie