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【Pancrase338】松本光史、再起の西尾真輔戦へ「対策にとらわれずに、現場で感じたことを実践する」

【写真】MMAをMMAとして捉える。その取り組みが勝利へ導くか(C) TAKUMI NAKAMURA

12日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase338で、松本光史が西尾真輔と対戦する。
text by Takumi Nakamura

昨年9月の暫定KOPライト級王座決定戦でアキラ、今年4月にヌルジャノフ・ルスタムベックに敗れて連敗中の松本。しかし試合内容に関しては「練習してきたことは試合で出来た。悲観しているわけではない」と前向きに捉え、MMAの強化をテーマにした練習を続けてきた。連敗脱出、その先に見据える国際戦と海外挑戦に向けた意気込みを訊いた。


――試合まで一週間を切りましたが、もう試合に向けて体調を整えて体重を落とす段階ですか(※取材日は11月8日)。

「大方練習は終わって調整はばっちりです」

――2連敗という中での試合となりましたが、オファーを受けた時はどんな心境でしたか。

「負けた後もすぐに試合をしたいと思っていたので、対戦相手関係なくオファーがあったら受けようと思っていました」

――パンクラスの公式YouTubeチャンネルで公開されているアキラ戦後のバックステージ動画を見たのですが、試合直後の控室ですぐに試合内容を振り返っている姿が印象的でした。

「毎回試合後のミーティングは出来るだけ早くやるんですけど、アキラ戦は自分が頭でイメージしていたことを実際のパフォーマンスで出せないところがあって、それを探っていた感じですね。練習からそれがあったんですけど、試合の時に出てしまったので、試合が終わってすぐにどうしていこうか?という話をしました」

――それを踏まえて前回のルスタムベック戦の試合はどんな試合だったと捉えていますか。

「試合の入りは決して悪くなかったんですよ。アキラ戦の反省点を改善してやれていたところもあったので。ただ勝負かけようと思ったところでもらった一発がフィニッシュになってしまいましたね」

――煽り映像では「練習してきたことは試合で出来た。悲観しているわけではない」というコメントもありましたが、練習では手応えを感じているのですか。

「それは日によってあったり、なかったりですね。ただ毎回試合で実験をして、それに対する結果が出ていて、ちょっとずつでも強くなっていると思うんです。それがあるからこそ今も(試合を)続けられていると思います」

――毎回自分でテーマを見つけて練習に取り組んでいるのですか。

「今までは人から指摘されたり、他の試合を見て(課題を)見つけることが多かったんですけど、今回はその現場現場で感じたことをすぐにトライしようと思ってやってきました。自分は計画を立ててやることが好きだった方なんですけど、今回は移動中にひらめいたことを実践したり、そういう調整をしてきました」

――松本選手も37戦のキャリアがあり、どうやって強くなるきっかけやヒントを見つけていくかを考えていると思います。そのうえで今は自分の感性を大事にしている時期なのでしょうか。

「そうですね。前回ぐらいから自分で考えることを大事にするようになりました」

――今回はどんなことを意識して練習してきたのでしょうか。

「当たり前なんですけど、一番は“MMAを強くなる”ことですね。今までは(技術を)分けていたところがあったのですが、MMAを強くするためにはどうすればいいかを考えると、練習の取り組みが変わるんですよね。MMAの動きでこれが必要かどうか?で判断するというか」

――例えば打撃・レスリング・寝技をそれぞれ別で考えていたところがあったのですか。

「もちろん別々に分けて考えていたわけではなくて、MMAで強くなることに向かって練習をどうするかを考えていたのですが、それをもう考えなくなったというか。MMAなんだからMMAが強ければいいわけで……枠がなくなった感じですね。言葉に説明するのは難しいんですけど(苦笑)」

――それは私も常々思っていることで、最終的に「MMAはMMAが強い方が勝つ」という考えを持つことも大事だと思っています。細かく細分化された技術を追求する一方で、そういった視点を持つことも必要だと思っています。

「それが一番シンプルだし、僕は純粋にMMAが好きだから、MMAのことを深く考えられると思っています」

――それだけMMAという競技そのものにハマっているわけですか。

「はい。もともと飽き性なんですよ。そんな自分がMMAをこれだけ長くやっているのは、それだけMMAが面白いんだと思います」

――対戦相手の西尾選手にはどんな印象を持っていますか。

「すごい身体をしていますし、ライト級はこういうタイプの選手が多いですよね」

――キャラも戦い方も分かりやすいというか、野性味が溢れているタイプです。

「パンクラスだけじゃなくて、どの団体にも多いので、こういう選手たちとやる運命なのかなと思います」

――その西尾選手に対して、松本選手はどんなMMAで戦おうと思っていますか。

「自分で映像も見て、大体の対策は八隅さんとも考えています。ただ実際に向かい合って、試合が始まった時点では勝敗の可能性は50%・50%なので、その勝率をどこまで上げていけるかの勝負だと思うんですよ。だからあまり対策にとらわれずに、現場で感じたことを実践する。まさに今回はそういう練習をしてきたので、自分の想定外に方向に行ったとしても、それに対応したいと思います」

――今回は連敗中に下位ランカーを迎え撃つ一戦でもあり、この試合をクリアして再スタートが求められる試合です。

「まさにその通りです。ここは勝たないとダメな試合なので、そのプレッシャーもありますし……勝ちます」

――今はパンクラスを主戦場にしている松本選手ですが、現時点ではどんな目標を持っていますか。

「ランキング戦なのでタイトル挑戦につながる試合だと思いますし、やはりパンクラスのチャンピオンにはなりたいです。あとは前回も海外の選手を呼んでもらったのに、そこを突破できていない自分がいるので、海外の大会に出たり、日本でも国際戦を組んでもらえるような状況を作って、苦手意識を払拭したいです」

――松本選手も数多く外国人選手と試合をしていますが、日本人選手との差は感じますか。

「個人として見れば、それぞれの相手の実力が高かったというのがあるんですけど、自分と戦った相手は仕留めにくるときの『勝ちゃいいんだよ』みたいな突破力があったと思います」

――いい意味で後先を考えていないわけですね。

「そうですね。相手に少しでも隙があったら、そこを全力で攻めるという感覚で突破されたんだなとは思いますね。自分でも練習ではそこが見えるようにはなってきたんですけど、いざ試合になるとブレーキがかかってしまうところもあるので、そこで力を出せるようにしたいと思います」

――また松本選手には海外の団体からオファーが届いているという情報も耳にしました。

「ずっと海外で試合をしたいという意向があるので、試合を組んでもらえそうな団体が幾つかあるとは聞いています。ただ今の時点で具体的な話やオファーはないです」

――国際戦と同じく海外で戦うことも松本選手にとっては目標の一つですか。

「もともとMMAをやりたいと思ったのが、海外のMMAの試合を見たことがきっかけだったんですよ。どの団体かは覚えてないし、おそらくラスベガスだと思うんですけど。だからそこは変わらず目標にしていきたいです」

――そういった目標に向けた再起戦です。ファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「復帰戦でもあり、日曜日の大会でもあり、夜興行のメインなので、すっきり勝って、見ている人たちが気持ちよく月曜日から仕事に行ってもらえるような試合をしたいと思います」

■視聴方法(予定)
11月12日(日)
Pancrase338:
午前11時45分~U-NEXT、PANCRASE YouTubeチャンネル
Pancrase339:
午後17時15分~U-NEXT、PANCRASE YouTubeチャンネル

■Pancrase338 対戦カード

<フェザー級/5分3R>
三宅輝砂(日本)
櫻井裕康(日本)

<フェザー級/5分3R>
名田英平(日本)
キム・サンウォン(韓国)

<女子フライ級/5分3R>
ライカ(日本)
重田ホノカ(日本)

<ストロー級/5分3R>
リトル(日本)
寺岡拓永(日本)

<バンタム級/5分3R>
高城光弘(日本)
平田丈二(日本)

<フライ級/5分3R>
萩原幸太郎(日本)
前田浩平(日本)

<ライト級/5分3R>
鈴木悠斗(日本)
上田智大(日本)

<フライ級/5分3R>
饒平名知靖(日本)
金澤臣人(日本)

■Pancrase339 対戦カード

<ライト級/5分3R>
松本光史(日本)
西尾真輔(日本)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
矢澤諒(日本)

<ライト級/5分3R>
平信一(日本)
丸山数馬(日本)

<ミドル級/5分3R>
佐藤龍汰朗(日本)
荒井勇二(日本)

<フェザー級/5分3R>
糸川義人(日本)
岡田拓真(日本)

<フライ級/5分3R>
濱田巧(日本)
大塚智貴(日本)

<バンタム級/5分3R>
平岡将英(日本)
谷内晴柾(日本)

<ストロー級/5分3R>
米山唯人(日本)
織部修也(日本)

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