【GLORY】グローリー・ワールドシリーズでK-1&Shooto
ゴールデン・グローリー、イッツショータイムと並ぶ格闘王国オランダを代表するマネージメント・グループが、「Glory Full Tilt Poker Kickboxing & MMA World Series 2010-2011」を開催する。その名の通りキックボクシング・ヘビー級とMMA76キロ級、それぞれ8人トーナメントを3度のイベントで遂行する今シリーズ。昨年の10周年記念イベントから、さらにグレードアップしたイベントとなることは間違いない。
ゴールデン・グローリーはマネージメントファイターの育成やブランド力のアップを図り、2006年9月にアルティメット・グローリーを開くようになり、その後グローリーに大会名を変更、人材育成大会「アップカミング・グローリー」と合わせ、これまで18度のイベントを行なってきた。
昨年10月にはオール・デーブルシートという格闘技界では前代未聞のディナーショー形式の10周年記念イベント「Glory11 A Decade of Fights」をアムステルダム・パッセンジャー・ターミナルで主催し、単なるマネージメントグループが打つイベントでなく、ハイグレードな大会運営に成功している。
【写真】上段左から右へ。K-1ルール採用のキックボクシング・ヘビー級参加者は、エロール・ジマーマン、グーカン・サキ、ラシュラン・バルラック、ルスラン・カラエフ。ジマーマンとバルラックはスリナム、サキはトルコと二重国籍なので、オランダ一色になるキックの大会では、スリナム、トルコ籍と発表されることが多いが、オランダ在住だ (C) Ben Pointer/Euoepan Fighting Network, Bas Utrewijk and WORLD KICKs
キックボクシングはK-1ルールを用い、MMAは欧州修斗コミッションが認可したプロ修斗公式戦となり、今回のワールドシリーズは、10月16日(土)に、昨年記念興行を開催したアムステルダムのパッセンジャーターミナルで幕開けを迎える。
両トーナメント準決勝が行なわれる第2弾は、2月にベルギーのシャルルロワで、決勝戦はオランダ、アブダビ、ロシアのいずれかの地での開催に向け、現在も話し合いが継続中だ。
【写真】上段左からステファン・レコ(ドイツ)、アンデウソン・シウバ(ブラジル)、ムラッド・ボウジディ(オランダ)、ブリース・ギドン(フランス)。上記にあるファイター同様にボウジディはチュニジア国籍も有している (C) Ben Pointer/Euoepan Fighting Network and WORLD KICKs
キック(K-1)・ヘビー級トーナメント参加メンバーは、エロール・ジマーマン(オランダ)、ルスラン・カラエフ(ロシア)、グーカン・サキ(オランダ)、ムラッド・ボウジディ(オランダ)、ステファン・レコ(ドイツ)、ブリース・ギドン(フランス)、アンデウソン・シウバ(ブラジル)の7名が決定し、アシュラン・バルラック(オランダ)と出場を交渉中とのこと。
トーナメント出場選手の、過去2年間の直接対決はボウジディがジマーマン、シウバに勝利し、ギドンに敗北。シウバはレコに勝利し、カラエフはサキに敗れている。同様に過去2年の戦績を振り返ると、ジマーマン、カラエフ、ボウジディはオランダ・キック界や最高の人気者バダ・ハリに敗れているが、そのバダ・ハリに反則勝ちながら勝利し+95キロ級世界王者に君臨するヘスティ・カラケスにはギドンとシウバは勝っている(カラケスは完敗、バルラックは微妙な判定負け)。バルラックはダニエル・ギダに勝利するなど、高レベル&実力差の少ない高密度のトーナメントになりそうだ。
【写真】修斗公式戦ということもあり76キロ=修斗ミドル級契約での戦いとなるが、北米基準のウェルター級とは1.2キロほど軽く、ジュカォン(左)など元ミドル級ファイターへの影響も気になる。なお、ゴールデン・グローリー所属バハドゥルサダは、現役の修斗ライトヘビー級(84キロ)世界王者。階級を下げてのトーナメント参加となる (C) MMAPLANET
一方、一部で青木真也の出場という情報も流れたMMA(修斗)トーナメントだが、現時点で出場が決定しているのはシアー・バハドゥルサダ(オランダ)、トミー・デュプレ(ベルギー)、ホカン・ジュカォン・カルネイロ(ブラジル)の3名で、9月に米国のシャークファイトに出場するポール・デイリー(英国)とは、交渉の最終段階に入っているとのこと。
この他の4名には関しては、米国、ロシア、欧州、そして日本から1名ずつの参加を予定しているが、日本人ファイターは青木ということでなく、修斗に関係するファイターから交渉に入るというのがコトの真相のようだ。
【写真】10月16日のトーナメント開幕戦には、オープニングファイトに出場するニキー・ホルツケン(上)と、マルース・クーネン(下)。マルースの出場はストライクフォース世界ウェルター級王座挑戦試合の時期次第か…(C) WORLD KICKs & KEITH MILLS
トーナメント優勝賞金は、各15万ドル。オープニングのアムステルダム大会にはスーパーファイトにニキー・ホルツケンがキックに、修斗にはマルース・クーネンの出場が予定されている。
ゴールデン・グローリーが誇る二大看板、K-1のセーム・シュルト、MMAのアリスター・オーフレイムの名前は見られないのは、K-1やStrikeforceへの出場を第一に考えているゴールデン・グローリーの姿勢と取ることができる。
オランダ最大のキックイベント=IT’S SHOWTIMEとは一味違ったビッグショーは、EURO SPORTSを通し欧州58カ国、ロシアのBOETS、トルコのFOXTV、米国ではHDNetなど衛星チャンネルで、またオランダ国内では昨年同様、地上波SBS6もしくはRTLでの録画中継される模様だ。