戦極出場、ジョージ・マスヴィダル インタビュー
8日。さいたまスーパーアリーナで行われる「戦極~第三陣~」のMMA PLANETでも北米での活躍を伝えてきた新鋭が参戦する。ATT所属のジョージ・マスヴィダルだ。現在はチームメートのイーブス・エドワーズをボードッグのリングでKOし、一躍、その名をMMAワールドに知らしめた。
【写真】ジョルジ・サンチアゴに続き、ATTの新鋭ジョージ・マスヴィダルが戦極のリングに上がる (C) GONG KAKUTOGI
「ゴミと戦うためにダムには即、眠ってもらう」
Interview by Manabu Takashima
その後、北米メジャーの一つストライクフォースで2連勝するも、日本行き=戦国で戦うことを決意。五味隆典戦を熱望する実力者マスヴィダル、彼の試合から北米MMAワールドの勢い、その一端が伺えるはずだ。
――お父さんがキューバ出身だそうですね。格闘技はいつごろ始めたのですか。
「僕はマイアミで生まれの23歳。格闘技を始めたのは5、6歳の頃だ。本当に小さなガキの頃からやっているよってね、実はそれは学校やストリートでのケンカのことで、本格的に練習するようになったのは17歳の時からだよ。ボクシングとレスリングを始めたんだ」
――6年前なら、既にUFCもズッファの手の下にあり、MMA人気が徐々に米国でも高まっていた時期ですね。
「MMAファイターになりたいから、ボクシングを始めたんだよ。でも、僕の住んでいた地域にMMAのジムなんてなかったし、ボクシングもパブリック・クラブような場所で習い、ハイスクールでレスリングのクラブに所属していたんだ。
フロリダはブラジル人コミュニティーがあるんだけど、僕が育った街ではブラジル人といえばビーチにいる人たちのことで、僕が欲していた柔術関係者には会ったことがなかったんだ。だから、まずボクシングとレスリングを始めたんだよ」
――MMAの試合に出るようになったのはいつからですか。
「18歳のときだよ。AFCでデビューした。AFCからボードッグ、ボードッグからストライクフォースという感じでキャリアを重ねてきた」
――それは多くのグラスルーツショーからボードッグ、ADCCまで手腕を発揮していたマッチメーカーのミゲール・イトゥラテが道を開いてくれたような感じですね。
「その通り、ミゲール・イトゥラテの手引きだった(笑)。AFCで戦うようになった頃は、ヤングタイガー・ファンデーション・ジムで本格的にキックを習うようになり、今も打撃はそこでトレーニングして、コンディショニングはサウスマイアミ・スポーツパフォーマンスでやっている」
――マスヴィダル選手はATT所属ですよね?
「ATTではレスリングと柔術、グラップリングの練習をしているんだ。ATTで練習するようになったのは9カ月前から。とにかく寝技が強くなったよ。ディフェンス面もそうだし、オフェンスも強くなったと思う。打撃とコンディショニングでもATTには優秀なスタッフが揃っているけど、僕の場合は昔から一緒にやっている仲間がいるので、良い関係は崩したくないんだ」
――今、北米ではMMAが盛り上がり続けています。そのなかでストライクフォースというのは、メジャーの一つに挙げられるわけですが、なぜ、この時期に日本の戦極で戦うことを決心したのですか。
「なんだろうね――、ずっと日本で戦いたいと思っていたからだと思う。だから、日本で戦うチャンスがあると聞かされたときには、米国の状況なんて関係なく、日本行きを決めていたよ。うん、そうだね、凄くスシが好きだからだと思う(笑)。日本では本物のスシを食べるよ。正直、UFCとかどこのプロモーションで戦うということは、僕にとって重要ではなかった。僕の望みは、プロモーションでなくその土地、その国で戦うということ。僕が生まれ育った街と、反対側にあるまったく違った国、日本に行ってみたいとずっと思っていたんだ。友人が本物のスシの写真を見せてくれて、その気持ちは強くなったよ(笑)」
――戦極では、ホドリゴ・ダム選手と戦うことになりました。とてもタフな対戦相手ですね。
「ダムと戦うと決まる前から、戦極で戦うために2カ月間ハードトレーニングをこなしてきたから、問題ないよ」
――その戦極には五味隆典選手がいます。この試合で勝つことは、五味戦に近づくことだと思うのですが。
「本当にゴミと戦ってみたい。僕は彼のことを心から尊敬している。だからこそ、ゴミと戦って、彼の隙をつきパンチを叩き込んで、勝ち名乗りを受けたいんだ。ロード・トゥ・チャレンジ・ゴミだろ? 僕ならゴミとファンが大喜びするようなエキサイティングな試合ができる。だから、次の試合に勝って戦極の人が、僕をゴミの対戦相手に指名してくれるように頑張るよ」
――そのためにもダム戦は、インパクトの強い試合を残す必要がありますね。
「もちろん。ホドリゴは寝技が強いファイターだけど、僕のパンチで彼は即、眠りにつくことになるよ。そのために僕は日本に行くんだから。ボードッグで戦っていたときに、彼とは話したこともあるし、凄くナイスガイだけど、今回ばかりはきっちりと倒させてもらうよ」
――リングでエルボー無しで戦うことについては?
「リングは全く構わない。僕のキャリアはリングで始まった。ケージより、リングの方が試合数が多いぐらいだ。僕はあっと言う間にホドリゴを倒すから、日本のファンは観客席を立たないようにしてほしい。僕の試合中に、スシを食べる余裕はないからね(笑)」