【TUF11】第9週 リデルが激怒、ティトと小競り合い
ジ・アルティメット・ファイター(TUF)シーズン11も、第9週を迎えた。第8週では、ニック・リングのリタイアにより、復活したハモーティを一本で下したコー・マクギーが、シーズン11のベスト4進出一番乗りを決めた。
【写真】ぐったりした状態で勝ち名乗りを受けたタバレス。今後の戦いにも影響を及ぼすダメージになりそうだ (C) ZUFFA
今週は準々決勝2試合、カイル・ノーク×クリス・マクレイ、ブラッド・タバレス×セス・マジンスキーが開催されることになったが、チーム・リデルのノークと、チーム・ティトのマクレイは、友人同士でもある。ダナ・ホワイトは「UFCに友達はいないってことを分かってほしい。ただ、お互いのことをよく知っているだけに楽しみだ。クリスは経験があり総合力では上、カイルは若いし逆転もある」と、このカードの見所を語った。
また、このタイミングでティト・オーティズは衝撃発言を行う。「首の手術を受けなければならない。今は寝るのも辛いんだ」と語るティトに、チームの面々は言葉を失い、同時に「チャックとは100%の状態でやりたい。もう同じ過ちは犯したくないし、自分のことはわかっている」と述べ、UFC115で予定されているリデルとの対戦を取りやめる意向も示唆した。
迎えた1試合目、マクレイが「友達と対戦するためにトレーニングをするのは不思議な感じだ」と話せば、ノークは「友達と戦うのは初めてだ。ただキャリアで最も大事な一戦だ。もちろんマジでやるし、絶対勝つ」と意気込んだ。
1R、低く構えるマクレイは、ジャブからローを放ち、ノークに組み付いていった。首相撲からヒザ蹴りを叩き込んだノークだったが、マクレイは強引にテイクダウンを奪うと、ハーフガードからパウンドを落とす。
立ち上がったノークは、パンチを放ち、マクレイのダブルレッグに対し、腰を落として受け止めてはヒザ蹴りを放ったが、再びマクレイがタックルを仕掛けるとアッサリテイクダウンを許してしまった。
再び立ち上がったノーク。マクレイが狙った3度目のテイクダウンには、倒されながらもギロチンを仕掛けていったが、これが外れると、マクレイがガードで上に。そのまま初回が終了した。
2R、大振りのフックを放っていくマクレイが、すかさず組み付いていったが、その手は喰わないとばかりに突き放したノーク。それでも、マクレイが1R同様に、ノークを抱え上げ、豪快にテイクダウンを奪っていく。ハーフからパウンドを落とすマクレイには、ティトも「グッジョブ、グッジョブ」と連呼する。
しかし、残り時間2分で、巧みに立ち上がったノークは、マクレイの腕をたぐってバックに回り、チョークをうかがう。ただ、腕はその首元にまわっているものの、足のフックには至らず、マクレイが徐々に振り落としていくと再び上からパウンドを落とした。
マクレイの勝利かと思われた一戦だが、ダナは延長R突入を宣言。勝負が3Rへ突入すると、シングルレッグからケージに詰めたマクレイは、ここでもクリーン・テイクダウン。ハーフからノークを固めて、細かくパンチを放っていく。残り1分、勝負をかけたヒザ蹴りを放つノークだが、その蹴り足を掴まれる。マクレイはケージに詰め、ノークの大腿部にヒザを入れると、最後は時間切れとなり、判定の結果はジャッジ三者が10-9でマクレイを支持した。
マクレイの勝利に、「良くやった。チーム・オーティズへようこそ」と大喜びのティト。ダナは「ノークはレスリングのトレーニングをしないとな。テイクダウン・ディフェンスができずにこのスポーツは戦えない」と厳しい言葉を残す。
続いて行われた2試合目、チーム・リデルのタバレスは「俺は最年少で経験も少ない。でも、それも嫌いじゃない。おやじの中に入ってくのもな」と強気な発言。対するマジンスキーは「相手が誰であろうと、経験がなくとも関係ない。金とか名誉とかそんなんじゃない。俺はこのスポーツが大好きなんだ」と語った。
試合が始まると、オーソで向き合った両者は互いにインローを蹴り合う。パンチから組み付いていったのはマジンスキーだ。差し合いからタバレスを強引に押し倒すと、パウンドからタバレスの動きに合わせてバックを奪う。長い足を利用し、足を四の字フックにしてチョークを狙うマジンスキーを、前方に振り落としたいタバレスだが、足同様、長い腕を前方に伸ばし、つっかえ棒にしてバックをキープした。
だが、自らフックを解くと、足の力がなくなったのか、簡単に下になってしまったマジンスキー。タバレスはここぞとばかりにパウンドを落として劣勢をばん回すると、残り20秒、サイドから一気に鉄槌を連打。すぐさま立ち上がったマジンスキーに対し、タバレスがハイキックを空振りして転倒すると、絶対絶命のピンチに焦ったのか、マジンスキーはタバレスの顔面にサッカーボールキックを放ってしまった。
すぐに「アイムソーリー」と詫びるマジンスキーだが、タバレスはぐったりした状態で試合続行不能に。ここでマジンスキーの失格が決まった。
「蹴りが入った瞬間に、顔からキャンバスに落ちた。完全にアウトだった」と振り返るダナに、マジンスキーは「すぐに『ごめん』っていったんだ。そしたら、あいつは立ち上がって『何が?』って聞いてきた。結果はどうでもよかった。とにかく、あいつことが心配だった」と、申し訳なさそうに失格を受け入れた。
しかし、この裁定にティトは納得せず、胸部への蹴りだったと主張したことで、ウスコラにグラウンドポジションで反則の蹴りを受けたリッチ・アトニートと口論を始める。アトニートが「俺をバカにしているとしか思えない」といえば、ティトは「胸を蹴ったのに、何がバカにしてるだ」と感情的に言葉を返す。
すると、ティトの言動にリデルが激怒し、場内は騒然。「俺が(ティトの)顔をサッカーキックしてやるよ。それでも続けみろ」とティトに詰め寄ろうとするリデルには、ダナも唖然。周りに抑えられる格好で小競り合いが収拾されると、ダナは改めてリデルを呼び出し、「ティトがファイトを取りやめた」と報告、怒り心頭のリデルは「今すぐぶん殴ってくる」と立ち上がり、その怒りが収まることはなかった。
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