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【Metamoris 03】ブラボーとホイラー、11年越しの遺恨に結着??

29日(土・現地時間)、カリフォルニア州ロサンゼルスのピーターソン・オートモーティブ・ミュージアムにて、Metamorisプロ柔術インビテーショナル第3回大会「The Rematch」が開催される。20分×1R、ポイント&判定無し、決着は一本のみという今大会の目玉は、エディ・ブラボーとホイラー・グレイシーによる11年ぶりの再戦だ。そのままズバリ”The Rematch”と銘打たれたこのイベント。43才のブラボーと48才のホイラーの一戦がなぜ大きな注目を浴びるのか、2人の因縁を振り返ろう。

2003年5月、ADCCサブミッションレスリング世界大会66キロ級2回戦で、その事件は起きた。エディ・ブラボーが、それまで大会三連覇をしていたホイラー・グレイシーから三角絞めで逆転一本勝ち。当時ほぼ無名だった茶帯柔術家が、世界を驚かせた瞬間だった。

この試合の後に師のジャン・ジャック・マチャドから黒帯を授与されたブラボーは、「MMAで勝ちたければギを燃やせ」等の挑発的な言葉で伝統的な柔術観を批判しつつ、自ら編み出した技術体系「ラバーガード」の大宣伝を展開。革命児として脚光を浴びることとなる。2003年の大会後は一試合もすることなく、教則本やDVDも次々とリリースし(その中では繰り返しホイラー戦の栄光を強調している)、自ら創設した10th Planet柔術を世界的なネットワークに成長させたブラボー。まさにホイラーから一本勝ち、一試合で成り上がってみせたのだった。

完全に踏み台にされたホイラーとしては、今大会は11年目にしてついに訪れたリベンジのチャンス。実際、今回の試合について尋ねられたホイラーは「あれはエディにとって一生に一度の出来事」、「エディは私に一度勝ったことをさんざん宣伝して名を成しただけの男」、「私から見ればまだ何も実績のない、ノーバディに過ぎない」と、ブラボーへの強い感情を隠していない。

カリフォルニア州サンディエゴのグレイシー・ウマイタ道場に居を構えるホイラー。すでに48才を迎え、2011年9月の上田将勝戦でMMAを引退しているが、常に節制した食生活を送り、またヘジス・リブレ、ジョアオ・ファリアら高名な指導者たち、そしてザック・マックスウェル等の現役世界トップクラスの若手たちとも毎日練習を行い、体調は万全という。「エディのやってくることは分かっている。ラバーガードは他のガードと同じように先に潰せばいい。今回は完封してみせる」と自信満々だ。

対するブラボーも、この試合にかける意気込みは大きい。その背景としては、11年前のあの試合のことをホイラーを含む、多くの者が「思わぬ幸運」、「マグレ」とみなしていることがある。また、ラバーガードの有効性もまだまだ世界に認められているとはいい難い。実際にあの11年前の試合を見直してみると、三角絞めが極まるまで試合をリードしていたのはホイラーの方だった。主武器のハーフガードを何度もパスされ、新技術のラバーガードからの展開も作れずに終盤まで守勢を余儀なくされたブラボーは、言わば最後の手段として、オーソドックスなバタフライガードから三角絞めを極めたのだった。

その後、柔術界&MMA界に革命を起こす新技術としてラバーガードを売り出したブラボーだが、これまでラバーガードをMMAにおいて有効に使いこなしてみせたのは、青木真也等ごく限られた選手のみ。本人が「アントニオ・ノゲイラの10倍寝技が強くなる」と肩入れしていた弟子も第一線で戦うことなくフェードアウトしている。確かに柔術&グラップリング界において、ラバーガードは一般的に広まった。ただし、ブラボーの真意はともかくとして、彼が公言したような革命を起こすには至っていない。ばかりか、柔術の見地に立てば、革命的技術体系はベリンボロ等のモダン柔術に完全に奪われてしまっているのが現状だ。

だからこそブラボーにとっては、今回の試合は世界的グラップラーとしての自分の力と、自分が作り上げたラバーガードの真の有効性を世界に示すチャンスといえる。実際にブラボーはこの試合のことを「2003年の俺の勝利がマグレでなかったことを証明する絶好の機会」と述べている。そして今の自分は当時より「肉体的にもはるかに強靭で、技術レベルもはるかに高いぜ」とこちらも自信を覗かせている。

祖父エリオから受け継いだ古き良きグレイシー柔術を守り続ける闘将ホイラーの復活か、それとも革命児ブラボーによる返り討ちか。注目の一戦はもうすぐだ。

■Metamoris03「The Rematch」対戦カード

<20分1R・ギなし>
エディ・ブラボー(米国)
ホイラー・グレイシー(ブラジル)

<20分1R・ギあり>
ハファエル・メンデス(ブラジル)
クラーク・グレイシー(ブラジル)

<20分1R・ギなし>
キーナン・コーネリアス(米国)
ヴィニー・マガリャエス(ブラジル)

<20分1R・ギなし>
ディーン・リスター(米国)
ヘナート・ババル(ブラジル)

<20分1R・ギあり>
ギ・メンデス(ブラジル)
サミール・シャントリ(ブラジル)

<20分1R・ギあり>
ザック・マックスウェル(米国)
ショーン・ロバーツ(米国)

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