【PFL2022#10】魂のベストバウト。ジェンキンスにTD許さなかったラウネーンが殴り勝ちフェザー級優勝
<フェザー級決勝/5分5R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
Def.4R2分38秒by TKO
バッバ・ジェンキンス(米国)
左ミドルハイから右ジャブを、スイッチスタンスのラウネーンに見せたジェンキンス。ダブルレッグに距離を取ったラウネーンは左カーフを蹴る。素早いジャブにも反応しているラウネーンが、左ストレートをかわす。アッパーからの低い姿勢のダブルレッグを身を翻すように逃げたラウネーンだったが、右フックを打たれダブルレッグでケージに押し込まれる。
アンクルピックから殴りつつ、バックを狙ったジェンキンスに対し、ラウネーンは即胸を合わせて反応する。ならばとシングルで右足を取ったジェンキンスが、右のパンチを顔面に打ち込む。回って離れたラウネーンは左ハイをかわし、左ローを蹴る。ジェンキンスは右ジャブを当て、ローに右を合わせる。スイッチから左右のローカーフを蹴るラウネーンは、テイクダウンを防ぐために基本カーフの距離を位置取る。終盤、右を当てたジェンキンスが初回をリードした。
2R、スピーディーなジャブの応酬から、テイクダウンの機会を伺うジェンキンスのジャブがラウネーンを捕らえる。ラウネーンも右ジャブを返し、ジェンキンスの左をかわす。ローを蹴られ「カモン」と口にした直後にジャブを被弾したラウネーンは右を差され、シングルでケージに押し込まれると鉄槌を落とす。バックを許さず、離れたラウネーンは左カーフを蹴り、左ボディを受ける。右前蹴りから左カーフのラウネーンに、ジェンキンスも左カーフを返して右ハイをガードする。
右ジャブから左フックを決めたラウネーンが、右ハイをブロックされた直後に右を届かせる。勢いがラウネーンに傾きつつあるなか、蹴りが急所に入ったジェンキンスがしゃがみこむ。再開後、右ミドルを入れたラウネーンが左カーフを蹴り時間となった。
3R、ジェンキンスの早いパンチを避けるラウネーン、互いに蹴りを受けてパンチを伸ばす状態でジェンキンスがワンツー&ショートフックを決める。組みのフェイクから、右を当てたジェンキンスは左から右をヒットさせ、パンチの精度が上がる。間合いを外したラウネーンがワンツーから右インローを蹴る。手数を伴ったタフな主導権争い──ジェンキンスはテイクダウンを仕掛けず、打撃勝負でスタミナのロスを防ぐ作戦か。
前足を蹴られるが、重い右クロスを決めたジェンキンスは左ミドルを蹴っていく。残り1分40秒でシングルレッグからダブルでケージにラウネーンを押しこむジェンキンスだが、ラウネーンが足を抜いて離れる。直後にダブルジャブを被弾したラウネーンが、ワンツーで反撃に。前足を蹴られ、構えを変えたジェンキンスが右を被弾してヒザ蹴りでケージにつめられる。ワンツーから左ボディショット、ヒザ蹴りとラッシュを掛けたラウネーンは前に出てきたジェンキンスにヒザを入れ、ワンツーに繋げてタイム──余裕の笑みを浮かべた。
4R、疲労の色が見えるジェンキンスがジャブから左を伸ばす。さらに右を当てたジェンキンスはラウネーンの前蹴りからワンツー、さらにカーフと攻められると組んでテイクダウンへ。低い姿勢のテイクダウン狙いは、ここもラウネーンがすり抜け打撃の攻防に。ついに前足を蹴られて姿勢を乱すようになったジェンキンスは、ワンツーから右を被弾する。カーフとワンツーのコンビで攻勢のラウネーンは、右ストレートを打ち込む。後ろ足がさがり、体が沈んだジェンキンスにパンチをまとめたラウネーンがTKO勝ちで、フェザー級制した。
テイクダウン防御が、ほぼ完ぺきだったラウネーンが事前の予想を覆し100万ドルを手にし、勝利者インタビュー中にケージを去ろうとしたジャンキンスを呼び止め、ハグで健闘を称え合った。そして「ベルト、100万ドルは置いて。2人のベストレスラーを破った僕は、他団体を含めてもベストのフェザー級ファイターの1人だと証明できたと思う。このスポーツで最もタフなコンペティションだ。家族の人生を変えられる? だから感情的になっているんだ。こんなホテル探しが大変な時に、マンチェスターから来てくれた皆に感謝している」と声を詰まらせ、ベルトを高々と掲げた。