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【DWCS2022#06】木下憂朔、KO勝ち。「日本のスターがいなかった。そして彼を得た」とダナ・ホワイト

【写真】見事なKO勝ち、左足首の負傷もKO勝ちした木下がダナ・ホワイトと握手(C)Zuffa/UFC

<ウェルター級/5分3R>
木下憂朔(日本)
Def.3R0分43秒by KO
ジョゼ・エンヒッキ(ブラジル)

木下の入場中にRIZIN TRIGGERでの敗北が、ケージを掴んで顔面を蹴ったことで失格になったとローラ・サンコが中継で触れ、タッチグローブ。木下が右ロー、前に出るとエンヒッキが回る。さらに左ローから前に出る木下に対し、エンヒッキが右回りを続ける。前蹴りを見せた木下、エンヒッキがアッパーを打つ。木下の左ローが急所に当たり、試合が一時中断。再開後、木下は右ボディを伸ばし右ローへ。

エンヒッキは間合いを測りつつ、アッパー狙いも木下が右フックを打ち込む。ケージに詰まりながら左フックを返すエンヒッキが、右エルボーを狙う。さらに右ストレートをエンヒッキが伸ばすが、木下は前に出て右ストレート、フック、ハイからのスピニングバックフィストをかわす。

エンヒッキの右エルボーで左の側頭部をカットした木下は、右ローから左フックでステップイン。そこにエンヒッキがカウンターを狙う。左ジャブを被弾した木下は、右前蹴りにもローを蹴っていく。残り90秒を切り、右回りでカウンター狙いのエンヒッキに対して木下が左ボディも、右フックを打たれる。下がらず左を伸ばして前に出る木下が、左ローから左ミドル。エンヒッキが伸びあがるようにヒザを狙う。右も見せるようになったエンヒッキは、左フックのカウンターを最後に繰り出した。待ちのエンヒッキ、木下は初回を落としたか。

2R、木下が前蹴りを見せ、エンヒッキが右で前に出てくる。右ハイをかわした木下は、右から左を受けるが右ローを返す。左フックをかわされ、その際に指を伸ばすエンヒッキを木下が咎める。右フックをかわした木下は、ワンツーで前へ。木下はケージを背負ったエンヒッキに思い切り左右のフックを振るい、左を当てる。エンヒッキはここでフックを返し、両者が間合いを取り直す。

カウンター基調のエンヒッキは、右フックをヒットさせる。木下は前に出てエルボーを受けそうになっても、手を出す。バックエルボーに笑顔見せた木下は、左ローに右を合わされる。リーチを生かしたファイトから、踏み込んで右ヒジを繰り出したエンヒッキが中盤をリードする。木下は拳を顔面に入れたい──なかで、左フックに左を合わされる。さらに右ジャブを伸ばしたエンヒッキのリーチが生きる。さらに右アッパーから左フックを見せたエンヒッキだが、木下の左がどれだけ評価されるか。

最終回、フィニッシュを狙うファイトを木下は貫けるか。すぐに前に出て左ボディフックを入れた木下は、ジャブをかわして前へ。

ここでエンヒッキの指が右目に入ったと木下が、インターバルを要求する。

初回と2Rのインターバルで指をマットと並行に前に出す行為を注意されていたエンヒッキが再開後に前へ。

木下は右ストレートをかわして左を打ち込み、ダウンを奪う。このままパウンドを連打すると、レフェリーが試合をストップした。

木下は勝利を決めると、座り込んで「動かへん」と一言。左足首が大きく腫れていたが、ウィナーコールを受けるとエンヒッキに「また会おう」と声を掛け、勝利のポーズ後セコンドの肩を借りてケージを下りた。

バックステージでローラ・サンコのインタビューを受けた木下は「自分はUFCを目指して格闘技を始めて、この機会を得ました。ノックアウトして他の選手より、インパクトのある試合をしようと思っていたので良かったです。2R目にインローを蹴った時に、ヒザに当たってちょっと痛めちゃって。結構、動きにくかったですけど最後は足を止めてカウンターを狙いました。もともとローを蹴ってパンチを倒すって狙っていたんだすけど、最後は右ストレートが来るのが分かっていたので、しっかり抜いてカウンターを合わせましたと話した。ダナの反応? 最高ですね(笑)。やっぱり日本人初ってことだったので、日本人がこれまで歩んでなかった道を僕が創れるって考えると、人生を賭けてMMAをやって良かったなって思いますね」と話した。

そして運命の時、ブレイク・ビルダー、ヴィクトリア・ダダコワ、マテウシュ・レンベツキ、セドリクス・デュマスに続き、ダナ・ホワイトが木下について言及する。

「彼はまだメディカル中でいないね。メインイベントは凄かった。試合の途中まで、どちらが勝とうが2人とも何かやると分かっていた。彼は5勝1敗で、その1つは完全に試合を支配していてのDQだ。このキッドは事実上無敗のようなもの。一つ、UFCは長い間失ったいたものがある。それが日本のスターだ。このキッドは日本出身で、絶対的に才能に溢れている。そして我々は彼を得ることになった」と、ダナは笑顔で契約を交わすことを明言した。

そして「日本のスターがどれだけ大切か? 否、このスポーツが好きな人間は日本にあのPRIDEがあったことを知っている。その日本からビックスターが現れるのを長い間待ち望んでいた。このキッドがきっと、そうなるだろう。世界的に見て、我々が一つピースが欠けていた。才能あふれた日本人選手がスターが我々はいなかったけど今夜、発掘できた」とダナは言葉を続けた。


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