【PAN Championship】ライト級、激戦ミドル&ミッドヘビー級見所
【写真】パン柔術も2009年から2011年まで3連覇しているマイケル・ランギ。3年振りに頂点に立つことができるか (C)MMAPLANET
12日(水・現地時間)からスタートしているブラジリアン柔術パン選手権。カリフォルニア州アーヴァインのブレン・イベントセンターで行われている同大会、アダルト黒帯の部から今回は中量3階級の見所を紹介したい。
ライト級は、2009&2010年の世界王者に輝いているマイケル・ランギとルーカス・レプリのアリアンシ勢2人を大本命と見るのが妥当だろう。この2人のワンツー・フィニッシュを阻止する最右翼はJT・トレス(アトス)。長い間、世界のトップとして認知されながらも、なかなかビッグタイトルに恵まれないトレスの戴冠はあるのか。レスリング力を武器に去年から活躍の目立つAJ・アガザーム(バッハ)が彼ら3人に割って入ることになることが予想される。
【写真】コパ・ポジオの6分+体重差のある試合では強さを見せつけているレアンドロ・ロ、
ミドル級で世界制覇の足掛かりとなるか(C)COPA PODIO
ミドル級は今回最激戦区といって良いだろう。最注目はライト級世界最強の男、レアンドロ・ロ(シセロ・コスタ)か。去年のパン大会でもこの階級で挑み、2回戦で敗れたロ。しかし、今年はコパ・ポジオのヘビー級グランプリでも準優勝に輝くなど、自分より大きな選手にも強さを見せている。ロに対抗する選手も枚挙に暇が無いほどだ。
昨年優勝のオモプラッタの名手クラーク・グレイシー(グレイシー・エリートチーム)、昨年の世界王者オターヴィオ・ソウザとヴィトー・エスティマのバッハ勢ら超強豪が顔を揃え、さらに去年のこの大会でロを破り、さまざまな大会で飛躍を遂げたヴィトー・エンリケ・オリヴェイラ(GFチーム)も優勝候補の一角に挙げることができる。茶帯世界王者として、アリアンシからロイド・アーヴィン、そしてアトスと道場を変えて物議を醸してきたジョーダン・シュルツ(アトス)の黒帯デビューも注目だ。
ミディアムヘビー級は、アンドレ・ガルバォン(アトス)、ホムロ・バハル(バッハ)の二大巨頭が欠場。彼らに変わる優勝候補の筆頭は昨年、黒帯デビューを果たし、ギあり無しの双方で強さを示し続けているキーナン・コーネリアス(アトス)だ。彼の元チームメイトで、一時期キーナンとの挑発合戦が話題となったDJ・ジャクソン(ロイド・アーヴィン)、2013年の準優勝のグスタヴォ・カンポス(アトス)も上位に来るだろう。
さらにヘウソン・グレイシーの次男のハーラン・グレイシー(グレイシー・エリート・チーム)がエントリーしているのも興味深い。10代の頃に、同じく10代の天才色帯だったダスティン・ヘイズレット相手にMMAデビュー戦を行い、エリオ派柔術対ラバーガード系柔術の凄まじい寝技合戦を繰り広げたハーラン。並みいる強豪たち相手に、エリオ派クラシカル柔術の真髄を見せてもらいたいところだ。
【写真】プレギウソもロと並んで、プロ柔術マスター。2011年は紫帯、2012年は茶帯でパン柔術を制している(C)MMAPLANET
さらにコパ・ポジオ等で大活躍しているフィリッピ・プレギウソ(バッハ)、彼と昨年のアメリカン大会で戦い、亀ガード→蛸リバーサルの奇跡の連携で大逆転勝利を演じて、世界の柔術ファンの感動を呼んだ大ベテラン、エドゥアウド・テレス(ブラザ)も出場する。このような強豪柔術家を推挙していくと、ミッドヘビー級はミドル級に優るとも劣らない激戦区ということが理解できる。