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【UFC171】新たな序列作りが進むウェルター級、2つの潰し合い

Condit vs Woodley & Lombard vs Shields

【写真】能力的には誰が勝ち残り、誰に王座挑戦権が与えられてもおかしくないコンディット、ウッドリー、シールズ、ロンバードの4選手 (C)MMAPLANET

15日(土・現地時間)にテキサス州ダラスのアメリカンエアライン・センターで開催されるUFC171「Hendricks vs Lawler」。メインのUFC世界ウェルター級王座決定戦ジョニー・ヘンドリックス×ロビー・ローラー戦以外にも、メインカードでウェルター級の2試合がラインナップされている。

GSPの王座返上により、それまで水面下で活性化してきた新しい力が、一気に地表を割って顔を覗かせようとしているウェルター級戦線にあって、今大会で組まれているのはカーロス・コンディット×タイロン・ウッドリー、そしてジェイク・シールズ×ヘクター・ロンバード戦だ。元UFC暫定世界ウェルター級&WEC世界ウェルター級王者のコンディット、元EXC世界ウェルター級&Strikeforce世界ミドル級王者のシールズ、さらに元Bellator世界ミドル級王者ロンバードが、世界挑戦への順番を待つために潰し合う。まさにUFCウェルター級戦線が世界の頂点であることを、改めて認識できるスーパーカードが並んでいる。

コンディットはGSPとの統一戦に敗れた後、ヘンドリックスに敗れ連敗も、昨年8月にマーティン・カンプマンを下しタイトル戦線に踏みとどまっている。一方、ミズーリ大レスリング部ではベン・アスクレンのチームメイト、マイケル・チャンドラーの先輩にあたるウッドリーは、ストライクフォースで世界王座を取り損ねたものの10勝1敗の戦績でUFCに移籍。オクタゴン初陣となったジェイ・ヒエロン戦で、衝撃的なKO勝ちを決めて一気に知名度が上がった。しかし、続くジェイク・シールズ戦ではディフェンスに重きを置きすぎたファイトでスプリット判定負けを喫し、ジョシュ・コスチェックを1RKOで下し、再浮上した。

これまでUFCで戦った相手は3人ともレスラー&グラップラーだが、テイクダウン能力では一枚落ち、打撃を苦手とされるシールズ戦で、積極的に前に出ることができなかった点は興味深い。体調的な問題があったかもしれないが、あるいは柔術、トップコントロールに関しては、誰よりも秀でているシールズとの戦いで、背中をマットにつけるリスクを徹底的に避けた可能性もある。今回、ウッドリーが対戦するコンディットはストライカー&柔術家タイプ。さらにいえば、ニック・ディアズ戦で見せたように忠実にゲームプランを実行できるファイターでもある。

ウッドリーとしては蹴りやヒザ蹴りに注意は必要だが、組んでしまえばテイクダウンはそれほど難しくない。ただし、コンディットは卓越したガードワークを持っている。ウッドリーはテイクダウンからローリスクにトップコントロールに徹するファイトもキャリアの序盤では見せていたが、それも対戦相手のガードワークがコンディットのような完成度を誇るレベルでなかったから可能だったともいえる。

一発で倒す力を持つウッドリーとはいえ、この試合はやや慎重に戦うことになるかもしれない。もう一つの注目のウェルター級戦シールズ×ロンバードは、ずばりシールズがこれまでのスタイルを貫き通すことができるかどうかが、勝負の鍵を握ってくる。オクタゴンのなかの情景を変えたジョン・フィッチ&岡見勇信のリリース劇。端的な例でいえば、最近のキム・ドンヒョンのファイトだ。組んで徹底してケージレスリングやトップ&バックコントロールで試合を支配していた彼が、ここ2試合は左フックを振り回し、派手な打撃戦を展開している。

そんなドンヒョンとは対照的に、レスリング+柔術=アメリカン柔術で勝利を重ねてきたシールズは、ウッドリー戦後のダミアン・マイア戦でもグラップリングに徹しきり、スプリット判定勝利を収めている。ウェルター級転向初戦でネイト・マーコートを108秒KOで倒しているロンバード、もちろん打撃戦が彼の所望するところでもあるだろうが、そこでシールズがどのようなスタイルで彼の前に立ちふさがってくるのか。

これまで同様に、自らのスタイルを通す限り、UFCでキャリアアップするには勝ち続けるしかない。そんなシールズが、打撃に傾倒することもあるのか。打撃が弱点だからこそ、磨かれたアメリカン柔術スタイルで勝負するのか。前者になれば、シールズ不利は動かない事実。後者を選択しても、ロンバードという圧力の強いファイターを相手に、その組技で試合をコントロールできるのか――という点も、興味深いマッチアップだ。

■ UFC171 対戦カード

<UFC世界ウェルター級王座決定戦/5分5R>
ジョニー・ヘンドリックス(米国/1位)
ロビー・ローラー(米国/3位)

<ウェルター級/5分3R>
カーロス・コンディット(米国/2位)
タイロン・ウッドリー(米国/11位)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・サンチェス(米国/15位)
マイルズ・ジュリー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジェイク・シールズ(米国/6位)
ヘクター・ロンバード(豪州/12位)

<ライトヘビー級/5分3R>
オヴァンス・サンプレー(ハイチ)
ニキータ・クリロフ(ウクライナ)

<ウェルター級/5分3R>
ケルヴィン・ガステラム(米国)
リック・ストーリー(米国/14位)

<女子バンタム級/5分3R>
ラケル・ペニントン(米国/13位)
ジェシカ・アンドレジ(ブラジル/9位)

<フェザー級/5分3R>
デニス・ベルムデス(米国/12位)
ジミー・ヘッテス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ショーン・スペンサー(米国)
アレックス・ガルシア(カナダ)

<ライト級/5分3R>
ヘニー・フォルチ(ブラジル)
フランシスコ・トレビノ(メキシコ)

<フライ級/5分3R>
ウィル・カンプザーノ(米国)
ジャスティン・スコッギンス(米国)

<ミドル級/5分3R>
ロバート・マクダニエル(米国)
ショーン・ストリックランド(米国)

<フェザー級/5分3R>
ダニエル・ピネダ(米国)
ロバート・ホワイトフォード(英国)

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