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【DWCS2022#06】日本人初、コンテンダーシリーズ参戦。木下憂朔「僕が一番良い試合をするだけです」

【写真】思いつめるという空気がない世界へのチャレンジ。堀口恭司に並ぶ、新しい日本人ファイターMMA像だ (C)MMAPLANET

30日(火・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるDWCS S06 Ep06に日本から木下憂朔が出場し、ブラジルのジョゼ・エンヒッキと対戦する。

身長195センチ、ウェルター級では規格外の対戦相手とUFCとの契約を賭けて戦う木下を計量終了後にインタビュー。溢れんばかりの自信を感じさせる言葉は、いつも通りの心境を表している。この大舞台を前にした勝負の時、そして初めての海外、UFCのおひざ元ベガスでの試合を前にしていつも通りでいられるのは、木下が常にそこで戦うことをイメージしてMMAファイターとしてキャリアを積んできたからだった。


──明日のコンテンダーシリーズ出場を控え、計量を無事終えた木下選手です。

「計量は普段と違う環境やったので、ちょっときつかったです。結果的にリミットいっぱいの171ポンドで、時間もギリギリでパスしました。でも、いつもしんどいんで。結局、しんどかったなって感じですね(笑)」

──以前にFight&Lifeのインタビューで話を伺わせてもらった時は、キルクリフFC(サンフォードMMA)にABEMAの海外武者修行プロジェクトで練習に行くという話でしたが、一足先にコンテンダーシリーズが決まりました。

「ビザが早く取れるなら、練習するつもりだったんですけどね」

──えっ、コンテンダーシリーズ出場が決まってなお、フロリダで出稽古を行うつもりだったのですか。

「ハイ、もう対策もできているし。その完成度を上げるだけという状態にはしていたので。1カ月ぐらいあるなら、全然行っても良いと思っていました。まぁ、なんとかなるかなって感じでした(笑)」

──なんとも……。

「何も抱えるモノもないし、恐れるモノもない。ただ、自分が頑張るだけなので。コンテンダーシリーズに出ることで、自分がそこまで大きく変わることもないですし。ずっと自分の中でイメージしてきた舞台なので、それがただ実現しただけなんで。

弱冠、楽しみの度合は少しありますけどラスベガスに来てもいつも通り、何も変わらないですし。場所が違うだけで」

──以前はRoad to UFCにウェルター級がなく、パンクラスでチャンピオンになってからステップアップを果たしたいということでしたが、ベルトを獲ることなくコンテンダーシリーズでの試合が決まりました。この点については、どのように思っていましたか。

「ラッキーって感じですかね(笑)」

──この舞台を前にしても、気負いがないのですね。

「いっつも計量を終えて、試合の当日になるぐらいまで『こんな感じで良いんかな』って思うぐらいリラックスしているというか、何も考えていないんです。いつも通りで。寝ているか、飯を食っているかだけで(笑)」

──いやぁ、大したものです。ところで計量後にフェイスオフもあったかと思いますが、対戦相手のジョゼ・エンヒッキ。やはり公称195センチという長身が気になります。

「思っているほどデカくなかったです。頭一つ以上大きいかと思っていたんですけど、フェイスオフで対面した時に、それほどじゃないっていう印象でした。あとミドル級から階級を下げてきたので細かったですね」

──リカバリーが上手くいくと大きくなるかと思いますが、その辺りも踏まえてエンヒッキのサイズに関してどのように考えていますか。

「そんなにフィジカルが強いタイプに感じないし、リカバリーで戻してきても僕と変わらないか僕の方が上かなって思っています」

──技術的に気になる部分というのは?

「やっぱりリーチが長いので、そこと若くて強気な感じで攻めてくること。ただ、そこは自分も変わらないし、来るならぶち当たるだけですね」

──打撃よりも、クリンチが嫌な感じします。ベアハッグから浴びせ倒すみたいなテイクダウンが。

「う~ん、ああいう風にはならないです。位置取りを意識して動くので、あんな風に四つになったりっていう場面はほぼないと思います。でも組まれても、別に良いんですけどね。寝技もそんなに上手くないですし」

──待ってカウンター狙いなどされると嫌なリーチですが、コンテンダーシリーズで戦う限りそれはないかという読みもできます。

「待たないでしょうね。過去の試合でも、勢いをもって攻めているし。待っても、上手く戦えないですよ。自分で作っていくタイプやし、その辺は心配していないです。仮に待たれても、僕が戦いやすくなるだけです。まあ問題ないです」

──5試合目、メインです。

「単純にラッキーって。見とけ、見とけ──みたいな(笑)」

──アハハハハハハ。コンテンダーシリーズは勝利は当然として、その勝ち方を他の4試合の勝者と比較される場でもあります。

「僕はいっつも自分が一番目立つと思って試合をしているので。実際、どの試合を見てもらってもそうやったと思います。だから今回も他に良い試合があろうが、なかろうが僕が一番良い試合をするだけです。

もともとUFCを目指してプロになったんで。そこに行くならしっかりと極めるなり、KOするとか派手な試合をせなアカンというのは自分のなかにずっとあったことです。だから……これまで通り、戦うだけです」

──しっかりと心意気が伝わってくる言葉を頂いたのですが、改めて水曜日の朝からMMAのチェックする、MMAが大好きなMMAPLANET読者の皆さんに一言お願いします。

「日本人初という形でコンテンダーシリーズに出て、メインという皆が注目しやすい試合やと思います。自分の良さをしっかりと出して勝つんで、日本の新しいMMAファイター像……僕がスターになるので、楽しみにしておいてほしいなって感じですね」

■視聴方法(予定)
8月31日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS

<ウェルター級/5分3R>
木下憂朔(日本)
ジョゼ・エンヒッキ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
マテイ・ペニャース(チェコ)
セドリクス・デュマ(米国)

<ライト級/5分3R>
ホドリゴ・リジオ(ブラジル)
マテウシュ・レンベツキ(ポーランド)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴィクトリア・ダダコワ(ロシア)
マリナ・シウバ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
アレックス・モーガン(カナダ)
ブレイク・ビルダー(米国)

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