【UFC ABC03】16連勝=ショアと戦う、回遊魚MMA=リッキー・シモン「倒して殴る。それが違い」
【写真】止まると死んでしまう回遊魚のようなMMAを戦うシモン(C)MMAPLANET
16日(土・現地時間)、ニューヨーク州ロングアイランドのUBSアリーナでUFC on ABC03「Ortega vs Rodriguez」が開催される。
そしてキャリア16勝0敗のジャック・ショアと、リッキー・シモンが戦う。15分間動き続けるアグレッシブなファイトが信条のシモンと、バックを奪取して背中を伸ばしRNCを極めるショアとの一戦では、果たしてどのようなテイクダウン、トランジッション、スクランブル、そしてサブミッションが見られるか。
倒しては殴るファイト、スクランブルの権化は無敗の男とのタフマッチを覚悟している。
──ジャック・ショア戦を週末に控えています。現在の調子はいかがですか。
「順調だよ。調整は計量に向けて、最終段階に入っている。ニューヨーク、ロングアイランドで戦うことが楽しみでならないよ」
──昨年12月にハファエル・アスンソンをKOし、キャリア最大の勝利を挙げたともいえるのですが、あれから7カ月を経て今回の対戦相手が自身よりランキング的に1ランク下の選手になったことはどのように捉えていますか。
「もちろん、僕自身のキャリアアップを考えると、トップランカーと戦った方が良いんだろうね。でも、UFCが対戦カードを決めるわけでなし、僕はその試合のオファーを断ることはないよ。オファーがあれば自動的に決定だ。試合をして、金を稼ぎたいからね。
それにランキング的に下といっても、ジャック・ショアは16勝0敗の相手だよ。彼のような選手と戦うことも、楽しみでならない。自分がベストだと示すために、誰とだって戦うよ」
──プロデビューから16連勝というレコードは、気になるものですか。
「そうだね。僕が彼に黒星をつける最初のファイターになれる。そこが楽しみでならないんだよ。僕らは2人ともケージレスリングを重視しているし、しっかりとレスリングの攻防ができることを期待しているよ。そしてUSAレスリングの強さを見せるんだ」
──今回の試合の準備もチーム・オーヤマとATTポートランドで行ったのでしょうか。
「そうだよ。いつものようにね。チーム・オーヤマでコリン・オーヤマ、アレックス・ペレスたちといつものメンバーとキャンプを行い、地元のポートランドに戻ってファビアーノ・シェウナーたちと、これもいつも通り調整したよ。今回はハードトレーニングの合間に従弟のヴィンス・モラレスと一緒にUFC PIにも行って、数日間だけどコンディションの調整をしてきたよ。トレーニング・キャンプでは、やっぱり色々と起こるからね」
──リッキー・シモンといえば15分間、止まることの知らないというほど動きまくるのが持ち味です。
「だから僕の試合はエキサイティングなんだよ。それが癖ってわけじゃないけど、スタミナを切れることを恐れいないんだ。そうやって動いて戦い続けるスタイルをコーチ・オーヤマと創り上げてきた。疲れるって、顔面を殴られるより厳しい状況を意味するからね。15分間、タフな試合になっても殴り勝つのが僕のMMAだよ」
──先程リッキーはケージレスリングを駆使する者同士、レスリング対決が楽しみと言っていましたが、両者のスタイルは違うようにも感じます。
「そこは2人ともケージを使って相手をコントロールすると、言いたかっただけで。同じタイプのレスラーじゃないよ、そういう意味じゃない。スタイルは違うけど、ケージを使う点が似ているということで」
──ジャックはテイクダウンをすると、ポジションを進めて最後はバックを制します。リッキーは相手に立たれても良いからスペースを創って殴る。スクランブル戦になっても、すぐに自分のレスリングに持ち込む。また倒されたとしても、下になることなくスクランブルに即入る。動と静ということではないですが、その辺りの両者の戦い方の違いがどのような攻防を生むのかとても楽しみです。
「確かにジャックはよりコントロールを重視し、バックを取ろうとするね。そしてチョーク狙いだ。ただ、その前に僕をテイクダウンできるかどうか。僕はUFCバンタム級で最も多くテイクダウンを成功させているファイターだよ。そして抑え込むことは重視しない。とにかく顔を殴ってダメージを与える。
コントロールして柔術の技を使うっていうタイプじゃないんだ。倒して、殴る──だよ(笑)。そして、倒されない。まぁ、そういうところがジャックと僕の違いだと思うよ。僕は15分間に換算すると、確かテイクダウン奪取数が6回になるんだ。倒してからは殴るから、見ていて楽しい試合になる。対してケージに押し込んでクリンチ、ここからテイクダウンというのがジャックの戦い方だけど、そこも僕の方が上だ」
──バンタム級は本当にタフな階級です。ジャック・ショア戦を乗り越えると、どこをまずターゲットに定めますか。
「う~ん、特に誰と戦いたいということはない。特定の相手をターゲットにして、半年間とか9カ月とか試合ができない状態はコリゴリなんだ。今年はまだ1試合目だよ。年間、3試合か4試合は戦いたいのに。
とにかく今はジャック・ショアという猛者との試合が控えている。彼との戦いを乗り越えて、前進するよ。継続的に試合をしたいから、この試合を終えて……あと2試合は今年中に戦いたいと思っている」
■視聴方法(予定)
7月17日(日・日本時間)
午前0時00分~UFC Fight Pass