【Challengers】ウッドリーがアウェーで逃げ切り
■ウェルター級トーナメント準決勝/5分3R
タイロン・ウッドリー(米国)
Def.3R終了/判定
マット・コイ(米国)
【写真】ポートランドの観客を敵にまわし、ウッドリーは終盤のコイの逆襲を凌ぎ、判定勝ちを挙げた (C) ESTHER LIN/Strikeforce
いきなりフルパワーで真正面からぶつかり合う両者、まずはウッドリーがテイクダウンを奪うことに成功する。ハーフガードのコイからマウントを狙ったウッドリーだったが、その体を大きく跳ねあげコイがスタンドに戻る。
コイのジャンピングニーに右フックを合わせたウッドリーは、がぶりからバックをうかがう。立ち上がったコイは左右のフックを振るうと、ウッドリーは右ハイキック。当たりは浅かったが、ダブルレッグ狙いのコイを潰し、バックに回りこむ。首を殺し、肩固めから立ち上がろうとしたコイの動きに合わせ、ウッドリーは再びバックへ。ここでコイは胸を合わせ、距離をとると再びテイクダウン狙いで飛び込んでいく。
大きくバランスを乱す場面も見られたが、ケージを背にしてテイクダウンを許さないウッドリー。その腿にコイがヒザを当てていく。レフェリーがブレイクをかけ、スタンドの展開に戻るが、コイは右ストレートから組みつき、またも金網際の攻防に戻る。差し返せないままコイを押し戻したウッドリーは、いなしからヒザを放ち、ニー狙いのコイに組みついたウッドリーだったが、逆にクォーターの位置から、コイのヒザをボディに受ける。
2R、左ローから距離をつめるコイ。右を返すウッドリーだったが、ローを受け足が止まる。それでも左右のフックを振りまわすが、足が前に出ない分、コイを捉えることができない。ジャブを打っては距離を取るコイに対し、追い足のないウッドリーは左足を気にしながら、待ちの態勢に。ヒザ蹴りから飛び込むとテイクダウンを狙うが、ウッドリーもヒザを突き上げてディフェンス。ケージ際の攻防が続き、レフェリーがブレイクをかけた。
パンチが目に入ったと、インターバルを要求するウッドリーにポートランドの観客がブーイングを送る。再開後、パンチ合戦のなかで、右フックをヒットさせたのはコイ。迎え撃つ態勢のウッドリーに対し、常に先手を取って動く。ここで左ハイを見せたコイだが、バランスを崩して尻持ちをつくと、ウッドリーは一気にバックに回り、足のフックに成功する。チョーク、パウンドと攻勢に出たウッドリー、半身になりチョークを逃れたコイのブリッジに合わせ腕十字を見せたところで、2Rを終えた。
最終回、ケージを背に、やはり前に出られず左足を気にしたスタンスのウッドリー。コイはその左足に思い切りローをけり込み、続いてパンチを放っていく。ウッドリーをケージにつめ、見事なボディフックを見せたコイは、左ストレートを続ける。
右ローを左足に受け、棒立ちになるウッドリーだが、コイの前進に合わせ、左右のフックを放つ。コイの左ミドルをキャッチし、テイクダウンに成功。腰をコントロールし、バックへ回ると、再び足をフックしにかかる。コイは立ち上がって、ハイクラウチの態勢でウッドリーの体を持ちあげ、テイクダウンを奪う。
ハーフからパウンドを落とすコイに、足を戻したウッドリーはヒザ十字を仕掛ける。コイは頭を殺し、パウンドの距離を確保して拳を落とす。フックガードのウッドリーのボディ、顔面にパウンドを落とし、さらに腰をコントロールすると、コイは左側に回ってハーフへ。右ボディからパンチ、エルボーをボディに落とし、ノンストップで動き続けると、ついにパスガードに成功する。
ウッドリーの頭を両ヒザで挟み、ボディにパウンドを落とし、完全に上体をコントロール、コイが攻め続ける最中に試合終了を告げるゴングが打ち鳴らされた。
ジャッジの裁定は29-28、27-30、29-28で2-1でウッドリーに凱歌があがるが、スプリットと告げられただけでもブーイングを飛ばしたポートランドの観客。当然、この裁定に納得できるわけはなく、場内は大ブーイングに包まれた。
2R、序盤に攻め込まれたウッドリーがバックを奪い攻勢に出た点を如何に評価するか。このラウンドの見方によって、29-28で判定が割れることはあっても、テイクダウンを許し、攻勢に出ることのなかったコイが1Rを取ることはあり得ない。コイが29-28で取ることはあっても、彼が30-27でフルマークをつけるより、ウッドリーの29-28という裁定の方が真っ当といえる裁定といえた。