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【Fight&Life】Road to UFCフェザー級T準々決勝、勝ち抜き。松嶋こよみ「僕には極めがないから…」

【写真】バックコントロールも、そこからの戦いによって組み方、使い方が変わって来る (C)MMAPLANET

28日(火)に発売されたFight&Life#91に9日(木・現地時間)にシンガポールで開催されたRoad to UFCフェザー級T準々決勝で勝利した松嶋こよみのインタビューが掲載されている。

ここでは同記事に掲載しきれなかったシンガポール・インドアスタジアムで戦う利、今後の課題で見えたボディロックコントオールなどについて松嶋が話したことをお届けしたい。


──試合前に気持ちが昂ることはなかったですか。

「会場に入っても、冷静に……多分、チームのなかでも一番冷静に準備は出来ていたと思います(笑)」

──勝手ながら他の日本人選手はシンガポール・インドアスタジアムでの試合は初めてですが、松嶋選手はONE時代に経験しています。建物自体を知っているし、そしてRoad to UFCは平日開催ということもありガラガラでした。その部分もONEで無観客大会を経験していることはポジティブに働くことはなかったですか。

「あぁ、確かにそうですね(微笑)。1度試合をしたことがある会場だと、勝手が分かっているというのはありました。だから変な緊張もなく、試合前も普通に過ごせたと思います。そうやって指摘されるまで気付いていなかったですけど、国内だけで戦っている選手より平常心でいることができていたのかもしれないです。

ホントに何もない、だだっ広いところにオクタゴンが置かれていて。ONEと違い、花道もなかったので余計に広かったですが、ONEで戦ってきたことが生きていたと思います。海外の経験、大きな会場、シンガポールでの過ごし方や創り方に関しては、何度もやってきたことなので場数を踏んできたことが役立ったとは思います。とにかく、戸惑うことがないというのは、試合に向けて違いになったかと思います」

──UFCとONEでは受付、メディアルームとまるで違っていて、逆に私などは戸惑いました。2019年のシンガポール大会もそうだったはずなのに。

「そうなんですね。僕ら選手の立場だと、本当に何も気になることがなかったです」

──相当にタフな試合内容で、結果的に根性ファイトで攻めに行く気持ちが問われコンテンダーシリーズ・ファイトになっていました。結果、UFC関係者の受けも良かったようです。

「本当にホン・ジュンヨンが強かったです。彼が強かったから、ああいう試合になりました。とにかく……めちゃくちゃしんどかったですね(苦笑)」

──経験値が上がったファイトになりました。この試合で何を得られたと思いますか。

「良い相手と1回戦を戦えて、次の試合に必要なモノが何か分かりました」

──次の相手はSASUKE選手にRNCで一本勝ちしたイー・チャオ選手です。事前にインタビューをしている時に、『なぜ、この選手はこの面子に入ってここまで自信があるのか』と感じました。結果的にSASUKE選手にケガがあったとしても、ああいう自信ってファイターにとって武器になるんだなと再確認しました。

「そうですね、体も強そうだったし。でも、SASUKE選手のような負け方はしないです。今回の試合で打撃の距離とともに組んで倒した後にも課題が見つかりました。結構、滑ってコントロールができなかったです。ただ、試合中は汗もかくし当然滑るのですが、その対応が甘かったですね。

ああいう風になった時、どうしていくのかも課題で。本当は一つ極め技があればとは思いますけど、そういう部分も周囲と話して考えていきます」

──極めがないにも積み重ねで。その分、打撃でやり敢えてテイクダウンも取れるというスタイルがあるわけですし。

「極めないとって指摘されるのですが、ないモノはないんですよね。ただ今回はボディロックの部分や壁際の攻防、起こして倒してという部分は青木さんに教えてもらったことで、本当に助かりました。その上で僕にはあそこから極めがない。ならばボディロックの仕方も、変化させる必要がある。そこにすら、気付いていなくて」

──とはいえ勝って、気付けたわけですから。良しとすべきではないでしょうか。

「そうですね。そこに気付けたということは、色々な視点から自分の組みを見つめ直すことができます。当然のように青木さんの考え、八隅さんの考え、北岡さんの考えとそれぞれでボディロック、組みの組み方でも違っています。僕には極めないがないから、八隅さんの考える方向で伸ばしていくのか……とか、そういう難しい判断をしていかないといけないです」

──組みが命綱でない、組みということですね。

「そうなんです。打撃に戻る方が良いこともあるでしょうし。ただ組んでテイクダウンしたなら、優位なポジションをキープすべきですし。その時にどこで重心を掛けるのか、今回の試合も映像を見返すと、やってはいけないことを何度もやって立たれてしまっていました。そこは打ち込みとかで変えていかないとダメですね。

普通に考えて決勝の相手はイ・ヨンジョンだと思うので、彼に勝つことも頭の残しつつ、どういう風に組み立てていくか。そこを考えないといけないですね。ただ、あの試合も相手が弱かったので、次のルー・カイは打たれ強くて、テイクダウンが取れるので。次の試合がどうなるのか、見極めたいです。あと2試合は絶対に勝ち残らないといけないので、決勝まで考えないといけないですし。こういう本格的なトーナメント戦は初めてなので、いろいろと勝手が違ってきますね。

でも2カ月半前のこれからどうなるんだという状態から、次の試合とその次の試合が控えている状況を嬉しいと捉えるようにしています」

※激闘となったホン・ジュンヨンとの試合の反省点、SASUKEとの日本人対戦が準決勝で実現しなかったことなどを松嶋こよみが語ったインタビューが掲載されたFight&Life#91は6月28日(火)より発売中です。

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