【Strikeforce】元EXC王者ペイザォン、元UFC王者を破る
■第4試合 ヘビー級/5分3R
アントニオ・ペイザォン・シウバ(ブラジル)
Def.3R終了/判定
アンドレ・オルロフスキー(ベラルーシ)
【写真】互角より、やや攻勢で試合を進めていたペイザォン。最終回、オルロフスキーからテイクダウンを奪い、勝利を確実のものとした (C) Strikeforce
試合はオルロフスキーの右ローでスタート、すぐにローを返すペイザォン。近距離で両者の拳が交錯する。小刻みなステップを踏む両者は、飛び込む機会をうかがう展開が続く。
オルロフスキーの右フックで、ペイザォンが少しバランスを乱す。オルロフスキーのパンチを受けても、ペイザォンは怯むことなくパンチを返していく。右のオーバーフックを見せてペイザォンが組みつくが、ケージ際のレスリングは互角で、再び試合は打撃戦へ。ペイザォンの左が伸び、ケージに押し込まれたオルロフスキー、首相撲を見せるが、シングルレッグでテイクダウンを奪われる。
鉄槌を落とし、腰をコントロールしてオルロフスキーを立たせないペイザォン。オルロフスキーも首を抱えて動きがない。両者が同体で立ち上がり、オルロフスキーが右を空振りしたところで初回が終了となった。
2R、小刻みにステップを踏むオルロフスキー、ベタ足のペイザォンは打たれて、打ち返すスタイルを続ける。ここでペイザォンの左右の拳がオルロフスキーを捉える。ケージに背にして、首相撲の状態になったペイザォンに、アッパーを打ち込むオルロフスキー。ケージ際の組み合いが続き、レフェリーがブレイクを命じる。
残り90秒となり、ペイザォンがサウスポーに構え左ミドルを放つ。直後にオーソに戻ったペイザォンは組みついて、オルロフスキーをケージに押し込むが、態勢を入れかえられる。オルロフスキーは距離をとって、打撃戦を仕掛けるが、距離が近づくと、どちらとなく組み合いを仕掛ける。ファンが痺れを切らし、ブーイングを送るなか、試合は最終回を迎えた。
右ローを蹴り込むペイザォンに対し、オルロフスキーはステップバックからカウンターを狙うが、距離を潰されケージに押し込まれる。同じような展開が続き、両者とも打開策がなく、ここでもレフェリーからブレイクの声が掛かる。
ペイザォンの左右のフックがオルロフスキーの顔面に届くと、続けて組み合いのなかから首相撲の攻防に。さらにグレコローマン流の脇の差し合いからヒザを突き上げ合ったところで、またもブレイク。試合にアクセントが付けられない両者にレフェリーがその機会を与える。左ハイからパンチを放つオルロフスキーに組みついたペイザォンが、ダブルレッグで巨体を持ち上げ、ついにテイクダウンに成功する。
すぐに足を一本抜いたペイザォン、勢いのある右を落とすが、抑え込みが甘くなりオルロフスキーに立ち上がることを許してしまう。残り10秒、組み合ったままで立ち上がった両者にブレイクが掛かり、距離を取られると、最後の接触がないまま試合はタイムアップとなった。
プロボクシングの試合を控えたオルロフスキー、磨きをかけたはずのパンチは空を切り続け、ジャッジの裁定は三者とも29-28でペイザォンに。ATTを離れ、アンドレ・ベンケイ&モハメッド・オワリの下でトレーニングを積む元EXC世界ヘビー級王者が、元UFC世界ヘビー級王者オルロフスキーを破った。