【BFC18】パトリシオ・ピッチブル、テイクダウン許さず勝利
■フェザー級トーナメント準決勝/5分3R
パトリシオ・ピッチブル(ブラジル)
Def.3R終了/判定3-0(29-28、29-28、29-28)
ウィルソン・ヘイス(ブラジル)
【写真】ウィルソン・ヘイスのテイクダウンをほぼカットし続けたパトリシオ・ピッチブル。ヘイスが得意とするハーフガードからのスイープへの対処も見事だった (C) KEITH MILLS
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラをセコンドに帯同するピッチブル。サウスポーのヘイスの右ローをステップバックでかわしていく。ヘイスのパンチは遠く、クリーンヒットしないが、ピッチブルが前に出てくると組みついてガードワークを仕掛ける。試合前に「柔術×柔術、KOを狙う」と宣言していたピッチブルは、寝技に付き合うことなく距離をとってスタンドへ。
立ち上がったヘイスは思い切り左を伸ばし、ピッチブルがローを放つと、一気に組みついてシングルレッグでテイクダウンを奪う。クローズドガードを取ったピッチブル、ヘイスはパスを狙いつつパウンドを落としていく。ハーフになったヘイスは、脇差しパスガードを狙い、ピッチブルは必死で頭を押して足を戻そうとする。
バタフライガードの状態のピッチブルは、脇をくぐるようにリバーサルに成功するが、ヘイスも潜りから立ち上がりシングルの状態でピッチブルをケージに押し込んでいく。がぶりからトップをキープしたピッチブルに、ヘイスは潜りからダブルレッグ・ダイブを仕掛け、シングルにスイッチして一度は尻持ちをつかせる。まるでケージ・ノーギグラップリングのような組み技の攻防中心の1Rが、ここで終了した。
2R、遠い間合いからヘイスが組みつくが、プッチブルが距離をとり、フライングニーを見せる。蹴り足を掴んで、テイクダウンを仕掛けるヘイス。ピッチブルは抜群のディフェンスを見せ、余った足でヒザを突き上げる。
自らキャッチした足を離したヘイスに、右ミドルを蹴り込んだピットブルはさらにパンチで追い打ちをかける。左から右をヒットさせたピッチブルにシングルを仕掛けるヘイスだが、ギロチンで受け止められ、ここでも距離を取られてしまう。
打撃のプレッシャーをかけて前に出るピッチブルに対し、バランスが後ろになったヘイスのテイクダウンはスピードを欠くように。再び跳び膝を見せたピッチブルは、ヘイスに組みつかれても態勢を入れ換え、ケージに押し込んでヒザを見せる。大きく左へ回り、間合いを取り直したヘイスのシングルだが、ここでもピッチブルはバービーからがぶって立ち上がることに成功。そのままガードを取り続けたヘイスだが、ピッチブルは立ち上がり、自らの優勢の印象を残した2Rを終える。
最終3R、右ローをヒットさせたヘイスは、左を伸ばすが、ピッチブルはスウェイでかわし、前に出る。両者の頭がぶつかり鈍い音が館内に響く。組みつこうとするヘイスにパンチを入れ、組みつかれても逆にテイクダウンに成功したピッチブルがパスを奪う。ヘイスはハーフに戻すが、背中を伸ばされ思うようにガードワークを駆使できない。
トップをキープしたピッチブルが、立ち上がり試合がスタンドへ戻ると、右ボディを蹴り込み、パンチのフェイントに大きく反応するヘイスのテイクダウン狙いをスプロール、首を固めてスタンドへ。思うように攻めることができないヘイスに左ヒザを蹴り込むピッチブル。
シングルレッグから、ダブルでようやくテイクダウンを奪ったヘイスだったが、ハーフからパウンドを落とすものの、もぐったピッチブルがすぐに立ち上がる。執拗にシッティングガードからスイープを狙うヘイスだが、寝技に付き合う気がないピッチブルの牙城を切り崩すことできずに試合終了の時を迎えた。
ジャッジの裁定は3者とも、29-28でパトリシオ・ピッチブル。「ウィルソンはタフで、KOができなかったけど、決勝ではもっと良い試合を見せたい」と、ケージに戻ってきたウォーレンと握手。「言葉でなく、試合で示す」という言葉で締めてケージを下りた。